『第15回　秘蔵の名品　アートコレクション展』　
―レンブラント、ゴッホ、そして現在。栄光のオランダ絵画展―
ホテル オークラ東京　別館地下2階アスコットホール
8月4日（火）～8月30日（日）
17世紀以降、小国ながらヨーロッパ海洋貿易の先駆をなし、中心となったオランダは経済・文化が繁栄し、新しい国家社会の誕生とともに伝統的な芸術と新たな文化・芸術が台頭した。17世紀オランダ絵画は、レンブラント、フェルメール、ライスダール、ヤン・ファン・ケッセルなどの歴史画、肖像画、風俗画、風景画、そして静物画の芸術家たちの「黄金の世紀」でした。19世紀に入っても海景画のメスダッハやファン・ゴッホの情熱的な絵画作品は19世紀末のオランダを彩るものでした。レンブラントからゴッホ、そして現代まで、400年にわたる栄光のオランダ絵画の数々が一堂に会する機会はまたとなく、オランダの華麗な文化・芸術を捉えなおす画期的企画！
【展覧会のみどころ】
■圧巻！
日蘭通商400周年を記念して、「栄光のオランダ絵画展―レンブラント、ゴッホ、そして現在」と題し、17世紀から現代までのオランダ美術のながれを75点の作品で展観するものです。具象画を中心にした、質の高いオランダ絵画コレクションで知られているＩNGグループの貴重な作品群、レンブラントの秀作版画7点、芸術的円熟期に制作された«窓辺で素描する自画像»をはじめ、夜景が印象的な聖書主題の作品では、レンブラントの卓越した”光と影”の表現が、オランダ絵画を象徴するものでしょう。レンブラント工房の情感豊かな«聖家族»も、その美しい明暗表現と構図によって、”聖なるもの”のなかに、一般家庭の日常的なる生活風景として表現していて、忘れがたい印象を与えてくれる。
■11点で構成される19世紀の作品群には、ゴッホにも影響を及ぼした、フランスのバルビゾン派の影響を受け、ロマン主義的写実主義ともいえる作風を展開した、オランダ近代美術史上大変重要な「ハーグ派」の画家たちの作品が多数含まれている。ヤーコブ・Ｈ・マリス、ヘンドリック・ウィレム・メスダッハ、そしてその先駆けとして知られるウィレム・ルーロフスらの風景画、さらに、オランダ印象派の巨匠ヘオルフ・ヘンドリック・ブレイトネルの作品も展示される。
■20世紀の作品は、フォーヴィズムの影響を受けた強烈な色彩表現で知られるヤン・スライテルス«Ｏ・ルドンへ捧ぐ»«光に沈む風景»、フランス前衛的絵画運動に接近したレオ・ヘステル«無題»の作品など22点が展示される。
■17世紀オランダ絵画の伝統を受け継ぎつつ、徹底的な写実主義を志向した「魔術的写実主義」の代表的画家の一人、ディック・ケット«ヴァイオリン、新聞、スフーマッハーとハインケスの自画像のある静物画»«聖ニコラウスの静物»は見逃せない！！！
■21世紀の作品19点の作品には、日本文化や日本美術のからの強い影響が感じられる。極端に写実的な、写真のようにすら見える具象絵画はさまざまな表現が志向されている。日本ではいまだ馴染みが薄い現代オランダ美術の今をじかに目にすることが出来る、またとない機会である。なかでも、ビートたけしをモチーフにしたピート・ファン・デン・ボーフの«赤の三部作»、フランス・ファン・ヒーネンの«厚かましさ»«ＳｕｎＭｉと兜»«イリュージョニスト»は日本文化への憧れとユーモアを感じさせる。バーバラ・フィッセルの«一組のカップル二基の風車»は面白い！！
■特別作品：ゴッホ：国内に所蔵されている名品を展示します。
«雪原で薪を集める人びと»
«長い棒を持つ農婦»
«鋤仕事をする農婦のいる家»
«静物、白い壺の花（薔薇ほか）»

■チャリティーイベント”アートは世界のこどもを救う”
『秘蔵の名品　アートコレクション展』について
1994年から始めた「アートコレクション展」は今回で15回目を迎えます。ホテルオークラ東京のメセナ活動の一環として、「ホテルの持つ社会性・公共性に着目し、社会に還元する文化活動」という発想のもと、社会貢献活動に造詣が深い有志企業・団体による「企業文化交流委員会」が核となって開催しています。第1回から「アートは世界のこどもを救う」と銘打ったチャリティーイベントとして企画され、過去14回の総寄付金額は1億4千6百万円に達し、延べ36万人の観覧者数を誇っています。純益のすべてを企業文化交流委員会を通じて日本赤十字社およびＮＨＫ厚生文化事業団に寄付することになっています。
ヘドデル・キドリンスキー