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平子雄一 × 練馬区立美術館 コレクション inheritance, metamorphosis, rebirth[遺産、変形、再生]

開催中〜2023/02/12

練馬区立美術館

東京都・練馬区

江戸絵画の華 〈第1部〉若冲と江戸絵画

開催中〜2023/02/12

出光美術館

東京都・千代田区

ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台

開催中〜2023/02/19

東京都現代美術館

東京都・江東区

日本の風景を描く ―歌川広重から田渕俊夫まで―

開催中〜2023/02/26

山種美術館

東京都・渋谷区

諏訪敦「窩裏の火事」

開催中〜2023/02/26

府中市美術館

東京都・府中市

北斎かける百人一首

開催中〜2023/02/26

すみだ北斎美術館

東京都・墨田区

『YUMING MUSEUM』(ユーミン・ミュージアム)

開催中〜2023/02/26

東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)

東京都・港区

没後200年 亜欧堂田善展

開催中〜2023/02/26

千葉市美術館

千葉県・千葉市

フジヤマミュージアム 冬の収蔵作品展

開催中〜2023/02/26

フジヤマミュージアム

山梨県・富士吉田市

ルネ・ラリックのDay & Night 昼の“輝き”、夜の“ときめき”

開催中〜2023/02/28

箱根ラリック美術館

神奈川県・箱根町

8Kだから見えてくる ルーブル美術館 空間を超えた映像アート体験

2023/02/14〜2023/03/01

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

東京都・新宿区

交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー

開催中〜2023/03/05

東京都庭園美術館

東京都・港区

多層世界とリアリティのよりどころ

開催中〜2023/03/05

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

東京都・新宿区

FACE展2023

2023/02/18〜2023/03/12

SOMPO美術館

東京都・新宿区

日本の切り絵 7人のミューズ

開催中〜2023/03/19

そごう美術館

神奈川県・横浜市

六本木クロッシング2022展:往来オーライ!

開催中〜2023/03/26

森美術館

東京都・港区

速水御舟展

2023/02/21〜2023/03/26

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

広重おじさん図譜

開催中〜2023/03/26

太田記念美術館

東京都・渋谷区

江戸絵画の華 〈第2部〉京都画壇と江戸琳派

2023/02/21〜2023/03/26

出光美術館

東京都・千代田区

VOCA展2023

2023/03/16〜2023/03/30

上野の森美術館

東京都・台東区

特別展「動画クリエイター展」

開催中〜2023/04/02

日本科学未来館

東京都・江東区

佐伯祐三 自画像としての風景

開催中〜2023/04/02

東京ステーションギャラリー

東京都・千代田区

飯川雄大 デコレータークラブ 同時に起きる、もしくは遅れて気づく

開催中〜2023/04/02

彫刻の森美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

トンコハウス・堤大介の「ONI展」

開催中〜2023/04/02

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル

2023/02/25〜2023/04/09

三菱一号館美術館

東京都・千代田区

キャラクターデザインの先駆者 土方重巳の世界

2023/02/11〜2023/04/09

横須賀美術館

神奈川県・横須賀市

アートのための場所づくり 1970年代から90年代の群馬におけるアートスペース

開催中〜2023/04/09

群馬県立近代美術館

群馬県・高崎市

レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才

開催中〜2023/04/09

東京都美術館

東京都・台東区

わたしたちは生きている! セタビの森の動物たち

2023/02/18〜2023/04/09

世田谷美術館

東京都・世田谷区

ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END

開催中〜2023/04/10

森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52F)

東京都・港区

本と絵画の800年 吉野石膏所蔵の貴重書と絵画コレクション

2023/02/26〜2023/04/16

練馬区立美術館

東京都・練馬区

第59 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap

2023/02/25〜2023/05/14

アーティゾン美術館

東京都・中央区

企画展「北斎バードパーク」

2023/03/14〜2023/05/21

すみだ北斎美術館

東京都・墨田区

クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ

開催中〜2023/05/28

東京都現代美術館

東京都・江東区

櫻田精一展 ~気韻生動 刻の流れをみつめて~

開催中〜2023/05/28

森の美術館

千葉県・流山市

NACT View 02 築地のはら ねずみっけ

開催中〜2023/05/29

国立新美術館

東京都・港区

美しい人びと 松園からローランサンまで

2023/02/21〜2023/06/04

松岡美術館

東京都・港区

へザウィック・スタジオ展:共感する建築

2023/03/17〜2023/06/04

森美術館

東京都・港区

深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ

2023/03/03〜2023/06/04

東京都写真美術館

東京都・目黒区

憧憬の地 ブルターニュ  ―モネ、ゴーガン、黒田清輝らが見た異郷

2023/03/18〜2023/06/11

国立西洋美術館

東京都・台東区

ブルターニュの光と風 ー画家たちを魅了したフランス<辺境の地>

2023/03/25〜2023/06/11

SOMPO美術館

東京都・新宿区

ルーヴル美術館展 愛を描く

2023/03/01〜2023/06/12

国立新美術館

東京都・港区

ジョルジュ・ルオー ー かたち、色、ハーモニー ー(開館20周年記念展)

2023/04/08〜2023/06/25

パナソニック汐留美術館

東京都・港区

21_21 DESIGN SIGHT 企画展「The Original」

2023/03/03〜2023/06/25

21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2

東京都・港区

部屋のみる夢 ボナールからティルマンス、現代の作家まで

開催中〜2023/07/02

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

青空は、太陽の反対側にある:原美術館/原六郎コレクション 第1期(春夏季)

2023/03/24〜2023/09/03

原美術館ARC

群馬県・渋川市

Exhibitions

GOING DOWN THE RABBIT HOLE
髙田安規子・政子

  • MA2Gallery (東京都・渋谷区)

 モノのスケールに着目した作品を発表し続けている双子の姉妹、髙田安規子と政子が『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』をテーマに、ギャラリーの空間をアリスの世界に見立てたインスタレーションを展開している。
 髙田姉妹は、トランプに刺繍をして絨毯に見立てたり、ゴム製の吸盤に切り込み模様を入れてカットグラスのようにしたり、アクセサリーを調度品に見立てたドールハウスのような部屋を作るなど、日常にあるありふれたものに超絶ともいえる技で手を加えてスケールを変容させることで、人々の価値や尺度を揺るがす作品を制作してきた。
 『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』は、アリスが身体の大きさを変化させたり、時間の流れが逆行したりする場面があるなど、髙田姉妹が以前から興味を持っていたテーマ。今回は、細長い4階建てのMA2ギャラリーの「それぞれの特徴を持つ地層のような4つの階層と、中央が不確かで螺旋状に捻じれた建築の造りを、『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』の時空が歪むような表現を重ね合わせ、展示を構成」した。
 入り口のドアを開けると高さが1.8㎝から125㎝までの75脚の椅子が、背もたれの高さ順にグラデーションになるように並べられた作品に迎えられる。タイトルは不釣り合いを意味する「OUT OF SCALE」。アリスが身体の大きさの変化で自己を喪失したり、周囲に適応したりする中でやがて自分を取り戻すストーリーをふまえ、「どのような状況下で何が基準となり何を選択するかはそれぞれ異なるという多様性について表現した」。

「OUT OF SCALE」
「OUT OF SCALE」

 椅子の隣には糸巻きが置かれ、その糸は壁をつたって4階まで続いている。「展示の始まりの1階から終わりの4階までをつなげて、建築の空間全体を一連の物語のように構成した」という。
 「うさぎの穴に落ちる」というタイトルの同展では、時空が反転するように階段をのぼることで穴に落ちていくような感覚を味わう趣向なのか、糸の先にはどんな世界が待ち受けているのかを期待させる。

糸巻きの糸は4階まで続いている
糸巻きの糸は4階まで続いている

 2階に上ると、右側には、『不思議の国のアリス』で、アリスがウサギを追いかけて落下した穴の底のホールにあるカーテンがかかった小さなドアや、花壇と泉のある庭園、庭師がペンキで赤く塗り替える白いバラ、女王や庭師を表すトランプ、ティーパーティの時刻である6時を示す時計などをモチーフにした作品が、左側には『不思議の国のアリス』でアリスが穴に落ちて行く途中で見たのではないかと思われるような本棚や本、お茶会で使われるティーカップ、『鏡の国のアリス』でストーリーの基盤にもなっているチェス盤などが組み込まれて積み上げられた作品がある。このインスタレーション「CURIOUSER AND CURIOUSER!」は「アリスの物語における時空の歪み」を表しているという。
 右側の作品は、物語の中で横暴な振る舞いをするクイーンの愚かな行為や視野の狭さ、実際はトランプカード大にしか満たない存在についてを「トランプのカードや小さな植木のスケール感で露呈させている」。

「CURIOUSER AND CURIOUSER!」。左側の箱では刺繍でバラを赤くしている
「CURIOUSER AND CURIOUSER!」。左側の箱では刺繍でバラを赤くしている

 左側の作品は、「チェス盤が重力に逆らうかのように様々な方向を向いていたり」、「積み上がる棚の中の家具類が回転しながら上へと向かって、スケールが徐々に小さくなっていったり」するように構成されている。また、延々と繰り返されるティーパーティの場面をティーカップを積み重ねることで表して時間の積層を見せるなど、「モノのスケールや時間と空間の法則から逸脱するような表現」が随所に組み込まれている。アリスが穴を落ちて行く感覚や身体が伸縮する感覚、鏡の世界に迷い込んだ感覚が体感できる。

「CURIOUSER AND CURIOUSER!」。チェス盤が横や下向きに置かれ、机や本も高い位置のものほど小さくなっている
「CURIOUSER AND CURIOUSER!」。チェス盤が横や下向きに置かれ、机や本も高い位置のものほど小さくなっている

 3階に上ると大きな窓があり、屋外の空間が広がって見える。その窓と連なるように鏡が約70枚壁に掛けられている。『鏡の国のアリス』で、アリスが鏡の中へ入ることで物語が展開していくことから、「鏡の枠の中にも別世界とのつながりを感じられるように窓の近くに設置した」という。タイトルは「RELATION OF THE PARTS TO THE WHOLE」。大小さまざまな鏡の前に立つと、顔や体や背景が分断されて映り込む。「見慣れたはずの自己の姿や日常風景が部分として映し出されると、全体像があやふやになり、これまでの認識とは異なって見えてくる。この体験は鏡の国でのアリスの反応と類似しているのかもしれない」と考えた。
 3階にはほかに、アリスの身体が伸縮するきっかけを作る、きのこやケーキや扇子を題材にした平面作品も展示されている。

「設置してみると、壁面に角度がついていて、予想以上に鏡への映り込みが複雑になった」という「RELATION OF THE PARTS TO THE WHOLE」
「設置してみると、壁面に角度がついていて、予想以上に鏡への映り込みが複雑になった」という「RELATION OF THE PARTS TO THE WHOLE」

 4階には壁面にギャラリーの書棚があることから、それに合わせるようにキャビネットの中や周辺に本を積み重ねた作品「STRATA/地層」が展示されている。アリスが穴に落ち、地層を通り抜けて異世界へと辿り着くのをふまえ「時間を示す作品」として制作した。
 地層は、「過去の生物や土地の状況を後世に伝える歴史書」だととらえた。キャビネットの棚は4つに仕切られていて、下段から古い順に原生代、古生代、中生代、新生代の4つの地質時代で区分され、それぞれの時代の地層を模して化石や鉱石がはめ込まれた本が積み重ねられ、時間の積層を表している。アンモナイトや恐竜の歯など、それぞれの時代の化石が棚に並んでいるほかに、新生代の中で人間が存在した時代の地質には、消滅するには時間がかかるプラスチックや放射能汚染物、石炭の灰などが組み込まれることから、石炭が棚の周囲に置かれている。
 ルイス・キャロルにより『不思議の国のアリス』や『鏡の国のアリス』が執筆された1860年から70年頃はイギリスが産業革命に成功して繁栄を極めていた。二つの作品には当時の社会に対する風刺や批判が込められているともいわれている。その時代から破壊されてきた環境や、人間の進化などにも思いを巡らせて、今回の展覧会を「ルイス・キャロルの残したメッセージを紐解き、作品へと転化させる試みである」と位置付けている。

ギャラリーの書棚のあるスペースに展示された「STRATA/地層」
ギャラリーの書棚のあるスペースに展示された「STRATA/地層」

 4階の吹き抜けには、一階からつながる糸巻の糸で編んだハンモックが掛けられている。「アリスが物語の最後で夢から覚めることとかけ合わせ、展示の最後に眠りを想起させる作品を配置した」。上に載っている豆本は、不要になった本を解体し、挿絵を集めて、花や貝、建築など、1冊ずつテーマを持った本に再構成して作り直しているという。
 ウサギの穴を通り抜け、夢から覚めた時、身近なところから世界を見つめ直すきっかけが得られたような思いがする展覧会だ。

「A LITTLE BREAK」。ハンモックには豆本が乗っている
「A LITTLE BREAK」。ハンモックには豆本が乗っている

 髙田安規子と政子は1978年東京都生まれ。妹の安規子は2001年多摩美術大学美術学部彫刻学科卒業、姉の政子は同年東京造形大学美術学部比較造形学科卒業。2人共に2005年ロンドン大学スレード校美術学部修士課程修了。主なグループ展に「日常のあわい」(金沢21世紀美術館、2021年)、「センス・オブ・スケール」(横須賀美術館、2019年)、「装飾は流転する」(東京都庭園美術館、2017年)、「さいたまトリエンナーレ2016」など。
 
(文中敬称略)
 
執筆・写真撮影:西澤美子

参考資料:『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』ルイス・キャロル作、脇明子訳(岩波書店 1998年)

【会期・会場】
2022年5月21日(土)~6月25日(土) MA2Gallery(東京都・渋谷区)
※日・月・祝日休廊(火曜はメール事前アポイントメント制)
ギャラリーHP:http://www.ma2gallery.com/