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MOTコレクション 竹林之七妍/特集展示 野村和弘/Eye to Eye-見ること

開催中〜2024/11/10

東京都現代美術館

東京都・江東区

ICC アニュアル 2024 とても近い遠さ

開催中〜2024/11/10

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

東京都・新宿区

没後300年記念 英一蝶 ―風流才子、浮き世を写す―

開催中〜2024/11/10

サントリー美術館

東京都・港区

日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション

開催中〜2024/11/10

東京都現代美術館

東京都・江東区

開発好明 ART IS LIVE ―ひとり民主主義へようこそ

開催中〜2024/11/10

東京都現代美術館

東京都・江東区

TOKAS Project Vol. 7『鳥がさえずり、山は動く』

開催中〜2024/11/10

トーキョーアーツアンドスペース本郷

東京都・文京区

北斎の植物図鑑

開催中〜2024/11/10

北斎館

長野県・小布施町

大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024

開催中〜2024/11/10

芸術祭(越後妻有地域)

新潟県・十日町市、津南町

企画展「作家の視線― 過去と現在、そして…」

開催中〜2024/11/11

ホキ美術館

千葉県・千葉市

田名網敬一 記憶の冒険

開催中〜2024/11/11

国立新美術館

東京都・港区

第76回 正倉院展

開催中〜2024/11/11

奈良国立博物館

奈良県・奈良市

特別展 文明の十字路  バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 ―ガンダーラから日本へ―

開催中〜2024/11/12

三井記念美術館

東京都・中央区

手塚雄二展 雲は龍に従う

開催中〜2024/11/17

そごう美術館

神奈川県・横浜市

佐藤時啓退任記念展 with 研究室生+卒修生 ー交差する時間ー Intersecting Time

開催中〜2024/11/17

東京藝術大学大学美術館

東京都・台東区

森の芸術祭 晴れの国・岡山

開催中〜2024/11/24

芸術祭(岡山県北部12市町村、津山市、新見市、真庭市、鏡野町、奈義町など))

岡山県・北部12市町村

大正・昭和のモダニスト 蕗谷虹児展

開催中〜2024/11/24

平塚市美術館

神奈川県・平塚市

小川晴暘と飛鳥園 一〇〇年の旅

開催中〜2024/11/24

半蔵門ミュージアム

東京都・千代田区

悠久のペルシア‐技・美・伝統‐

開催中〜2024/11/24

古代オリエント博物館

東京都・豊島区

フィリップ・パレーノ:この場所、あの空

開催中〜2024/12/01

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

心象工芸展

開催中〜2024/12/01

国立工芸館

石川県・金沢市

アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界

開催中〜2024/12/01

府中市美術館

東京都・府中市

月百姿×百段階段~五感で愉しむ月めぐり~

開催中〜2024/12/01

ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」

東京都・目黒区

信長の手紙 ―珠玉の60通大公開―

開催中〜2024/12/01

永青文庫

東京都・文京区

2024年秋季 “富士山と雲〜出会いの形〜”展

開催中〜2024/12/01

フジヤマミュージアム

山梨県・富士吉田市

清水泰博退任記念展 すべてが庭になる 〜 人の居場所をつくる

2024/11/16〜2024/12/01

東京藝術大学大学美術館

東京都・台東区

挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展『はにわ』

開催中〜2024/12/08

東京国立博物館

東京都・台東区

没後50年記念 福田平八郎×琳派

開催中〜2024/12/08

山種美術館

東京都・渋谷区

広重ブルー

開催中〜2024/12/08

太田記念美術館

東京都・渋谷区

荏原 畠山美術館 開館記念展 Ⅰ―與衆愛玩一共に楽しむ

開催中〜2024/12/08

荏原 畠山美術館

東京都・品川区

ベル・エポック―美しき時代 パリに集った芸術家たち ワイズマン&マイケル コレクションを中心に

開催中〜2024/12/15

パナソニック汐留美術館

東京都・港区

コスチュームジュエリー ―美の変革者たち― シャネル、ディオール、スキャパレッリ 小瀧千佐子コレクションより

開催中〜2024/12/15

宇都宮美術館

栃木県・宇都宮市

特別展 オタケ・インパクト ―越堂・竹坡・国観、尾竹三兄弟の日本画アナキズム―

開催中〜2024/12/15

泉屋博古館東京

東京都・港区

SENSE ISLAND/LAND|感覚の島と感覚の地 2024

開催中〜2024/12/15

猿島および横須賀市街地(芸術祭)

神奈川県・横須賀市

荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ

開催中〜2024/12/16

国立新美術館

東京都・港区

廣川 玉枝|皮膚のデザイン

開催中〜2024/12/22

藤沢市アートスペース

神奈川県・藤沢市

OPEN SITE 9 Part 1

2024/11/23〜2024/12/22

トーキョーアーツアンドスペース本郷

東京都・文京区

水墨の魔術師 浦上玉堂

開催中〜2024/12/22

栃木県立美術館

栃木県・宇都宮市

リキッドスケープ 東南アジアの今を見る

開催中〜2024/12/24

アーツ前橋

群馬県・前橋市

追悼 野見山暁治 野っ原との契約

開催中〜2024/12/25

練馬区立美術館

東京都・練馬区

エモーション・クロッシング展

開催中〜2024/12/25

SusHi Tech Square 1F Space

東京都・千代田区

カナレットとヴェネツィアの輝き

開催中〜2024/12/28

SOMPO美術館

東京都・新宿区

「テレンス・コンラン モダン・ブリテンをデザインする」展

開催中〜2025/01/05

東京ステーションギャラリー

東京都・千代田区

さくらももこ展

開催中〜2025/01/05

森アーツセンターギャラリー

東京都・港区

ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者

2024/11/23〜2025/01/05

そごう美術館

神奈川県・横浜市

上野アーティストプロジェクト2024「ノスタルジア―記憶のなかの景色」&「懐かしさの系譜─大正から現代まで 東京都コレクションより」

2024/11/16〜2025/01/08

東京都美術館

東京都・台東区

心のまんなかでアートをあじわってみる

開催中〜2025/01/13

原美術館ARC

群馬県・渋川市

没後100年 中村 彝 展―アトリエから世界へ

2024/11/10〜2025/01/13

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

アレック・ソス 部屋についての部屋

開催中〜2025/01/19

東京都写真美術館

東京都・目黒区

「ルイーズ・ブルジョワ展:  地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」

開催中〜2025/01/19

森美術館

東京都・港区

現在地のまなざし 日本の新進作家 vol.21

開催中〜2025/01/19

東京都写真美術館

東京都・目黒区

唐ごのみ —国宝 雪松図と中国の書画—

2024/11/23〜2025/01/19

三井記念美術館

東京都・中央区

怪力の魅力

2024/11/16〜2025/01/19

北斎館

長野県・小布施町

グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ

2024/12/03〜2025/01/19

ヒカリエホール

東京都・渋谷区

再開館記念 「不在」ートゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル

2024/11/23〜2025/01/26

三菱一号館美術館

東京都・千代田区

ポケモン×工芸展-美とわざの大発見-

開催中〜2025/02/02

麻布台ヒルズ ギャラリー

東京都・港区

超絶技巧、未来へ! 明治工芸とそのDNA

2024/11/20〜2025/02/02

山梨県立美術館

山梨県・甲府市

中国陶磁展 うわぐすりの1500年

開催中〜2025/02/09

松岡美術館

東京都・港区

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×毛利悠子—ピュシスについて

開催中〜2025/02/09

アーティゾン美術館

東京都・中央区

OPEN SITE 9 Part 2

2025/01/11〜2025/02/09

トーキョーアーツアンドスペース本郷

東京都・文京区

おしゃべり美術館 ひらビあーつま~れ10年記念展

開催中〜2025/02/16

平塚市美術館

神奈川県・平塚市

企画展「ゴミうんち展」

開催中〜2025/02/16

21_21 DESIGN SIGHT

東京都・港区

そこに光が降りてくる 青木野枝・三嶋りつ惠

2024/11/30〜2025/02/16

東京都庭園美術館

東京都・港区

開館2周年記念特別企画「藤田嗣治の愛しきものたち」

開催中〜2025/02/18

軽井沢安東美術館

長野県・軽井沢町

反復と偶然展

2024/12/17〜2025/02/24

国立工芸館

石川県・金沢市

漫画家・森薫と入江亜季 展 ―ペン先が描く緻密なる世界―

開催中〜2025/02/24

世田谷文学館

東京都・世田谷区

Hello Kitty展 –わたしが変わるとキティも変わる–

開催中〜2025/02/24

東京国立博物館

東京都・台東区

特別展「鳥 〜ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統〜」

開催中〜2025/02/24

国立科学博物館

東京都・台東区

漫画家・森薫と入江亜季 展 ―ペン先が描く緻密なる世界―

開催中〜2025/02/24

世田谷文学館

東京都・世田谷区

【特別展】HAPPYな日本美術 ―伊藤若冲から横山大観、川端龍子へ―

2024/12/14〜2025/02/24

山種美術館

東京都・渋谷区

瑞祥のかたち

2025/01/04〜2025/03/02

皇居三の丸尚蔵館

東京都・千代田区

アニメ「鬼滅の刃」 柱展 ーそして無限城へー

開催中〜2025/03/02

CREATIVE MUSEUM TOKYO

東京都・中央区

「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」展

2025/01/25〜2025/03/16

東京ステーションギャラリー

東京都・千代田区

寺山修司展(コレクション展)

開催中〜2025/03/30

世田谷文学館

東京都・世田谷区

体感型デジタルアートミュージアム「動き出す浮世絵展 TOKYO」

2024/12/21〜2025/03/31

寺田倉庫G1ビル

東京都・品川区

「のぞけプサイ亀を翼ある密軌を」(1962年)〈手前〉。「プサイの祭壇」(1961年)〈奥〉

Exhibitions

生誕100年 松澤宥

「オブジェを消せ」以前の初期絵画や立体、プサイの部屋の再現も

 日本におけるコンセプチュアルアート(概念芸術)の先駆者である松澤宥(ゆたか)(1922年~2006年)の生誕100年を記念した大回顧展が長野県立美術館で開かれている。
 松澤は1922年2月2日午前2時に生まれ、生後22日間眼を開かなかった。これが「2」を数霊的なオブセッションとする活動につながり、「眼に見えるものより見えないものを希求する生涯を決定づけた」(※1)という。同館は、毎週水曜が休館日なので通常ならば2月2日は休みとなるが、2が5つ含まれる2022年2月2日の松澤の誕生日に合わせてスタートするために、あえて開館したことなどからも、同展への期待が高まる。

昨年4月にリニューアルオープンした長野県立美術館のエントランスに掲げられた松澤宥の「消滅の幟」(複製)
昨年4月にリニューアルオープンした長野県立美術館のエントランスに掲げられた松澤宥の「消滅の幟」(複製)

 展示は全5章で構成。第1章は、長野県の下諏訪町の旧家に生まれ、長野県立諏訪中学(現・諏訪清陵高校)を卒業した松澤が、早稲田大学理工学部建築学科に進学した当時の設計課題の図面から始まる。同大卒業式後の謝恩会で「私は鉄とコンクリートの固さを信じない。魂の建築、無形の建築、見えない建築をしたい」と語った言葉を裏付けるかのように、卒業後は東京の建築事務所での2年間の勤務を経て、故郷の下諏訪に戻り、諏訪実業高校定時制の数学教師を務めながら、19歳頃に始めた詩作から絵画へと表現を模索し、変化させていく過程が紹介されている。日本語で書かれた詩は日本人にしかわからないので、言葉の壁を越えて内容を伝えたいという考えから、特定の言葉を使わず記号や点や線で詩を作った「シンボルポエム」や、美術文化協会展に出品した絵画の写真、同時期に描かれた絵画、アメリカのウィスコンシン州立大学とのフルブライト交換教授(研究テーマは「美の客観的科学的測定法について」)として2年間渡米した際のスケッチや資料なども展示している。

「シンボルポエム No.1」(1954年)〈右〉、「シンボルポエムNo.2」(1954年)〈左〉
「シンボルポエム No.1」(1954年)〈右〉、「シンボルポエムNo.2」(1954年)〈左〉

 第2章は1964年6月1日に夢で「オブジェを消せ」という啓示を受けてから言葉や行為による発表へと向かう過程が紹介されている。啓示以降はあまり見られなくなった初期絵画や立体作品が一堂に会する稀少な機会となっている。
 松澤は、米国留学後に下諏訪に戻り、数学教師を続けながら読売アンデパンダン展を中心に出品。1959年に描かれた「プサイの鳥」シリーズからは6点が展示されている。自らの思索を色で表現した。土俗的で素朴な形はパステルやかまどの炭、蝋などを用いて描かれていて、松澤が絵画材料の研究にも力を入れていたことがうかがえる。

「プサイの鳥」シリーズなど、絵画作品を多数展示。
「プサイの鳥」シリーズなど、絵画作品を多数展示。

 立体作品の発表も精力的に行われ、扉のある木箱に絵や印刷物の切り抜きを配した「プサイのオルガン」や格子のある木箱に詩や絵画や立体物を飾った「のぞけプサイ亀を翼ある密軌を」のほか、マンダラの図像学的構成を取り入れた「プサイの祭壇」などが出品されている。
 「プサイの祭壇」は1961年に東京国立近代美術館で開催された「現代美術の実験展」の出品作。壁に掛けられている9枚組の作品「プサイの意味-ハイゼンベルグの宇宙方程式によせて」が60年の第12回読売アンデパンダン展に出品され、翌年の第13回展に手前に配された「プサイ函YM」「プサイ函SM」「プサイの意味」と「プサイ函」と題されたチラシが出品されていて、それらをまとめて作品としている。

「のぞけプサイ亀を翼ある密軌を」(1962年)〈手前〉。「プサイの祭壇」(1961年)〈奥〉
「のぞけプサイ亀を翼ある密軌を」(1962年)〈手前〉。「プサイの祭壇」(1961年)〈奥〉

 こうした一連のオブジェの展示の後に、「プサイの死体遺体」が掲げられている。6月1日の啓示後、最初に発表された絵画や立体を廃した初めての文字作品で、松澤が生みだしたばかりの「非感覚絵画」とは何かを曼荼羅構造の9つの正方形の中に説明したチラシ。64年6月20日から7月3日まで東京都美術館で急きょ開催された「アンデパンダン‘64展」で1万枚配られたという。60年頃から頻繁に使われるようになった「プサイ(ψ)」は、ギリシャ文字の最後、オメガ(Ω)の一つ手前の文字で「心」を表す。現在が終末のひとつ手前であることも含めて用いている。

「プサイの死体遺体」(1964年)。本展の入口に置いてある作品リストの表紙として再現されている
「プサイの死体遺体」(1964年)。本展の入口に置いてある作品リストの表紙として再現されている

 第3章では、オブジェを廃した松澤が、1969年に長野県信濃美術館(現・長野県立美術館)で開催された「美術という幻想の終焉」展をきっかけに行動を共にした「ニルヴァーナ・グループ」などとの集団による表現活動の記録を写真や資料で紹介。サンパウロ・ビエンナーレで発表した「九想の室」の再現もある。ハガキの表に書かれたメッセージを読みとって、裏面の白色部分に観念の絵を描くハガキ絵画も展示している。

サンパウロ・ビエンナーレを再現した「九想の室」。床に白紙と「この白き紙を水と観ぜよ」などと書かれた紙が9組置かれ、壁にはニルヴァーナ・グループの活動写真が飾られている
サンパウロ・ビエンナーレを再現した「九想の室」。床に白紙と「この白き紙を水と観ぜよ」などと書かれた紙が9組置かれ、壁にはニルヴァーナ・グループの活動写真が飾られている

 第4章は、松澤が一貫して主張した「消滅」というテーマのもと、「人類よ消滅しよう行こう行こう(ギャティギャティ) 反文明委員会」と墨書きされた「消滅の幟」を用いたパフォーマンス映像や資料を中心に、言語や行為による発表を紹介している。88年の量子芸術宣言、最後のシリーズ「80年問題」までの流れをたどる。
 第5章は、松澤の自邸にあったアトリエで、美術評論家の瀧口修造が命名した「プサイの部屋」の一部が再現されている。筆者は、20年以上前に諏訪で松澤に取材し、プサイの部屋に案内してもらったことがある。2階の書庫の隅の小さな穴から梯子を下りるとたどり着く静まりかえった座敷で、蔵から持ち込んだという古い木箱や記号のようなものが描かれた絵画、新聞の切り抜きなどがあった。その際に感じた気配まで再現されているような印象を受けた。VRによる空間再現や写真展示などもある。
 松澤作品の多くは個人の手元にある。今回は2016年から同館を中心に行った調査に基づく展覧会であり、これまでの成果を時系列に並べて紹介し、さらなる研究を進めるきっかけとするのが目的。同展担当の木内真由美主査学芸員は、「これまでほとんど紹介されてこなかった初期作品を含めて、生涯を通した作品を一望することで、松澤の追求した芸術を再認識、再評価する機会となってほしい」と期待している。

「プサイの部屋」(再現)
「プサイの部屋」(再現)

長野・下諏訪で、松澤宥 生誕100年祭を開催

 生涯にわたり下諏訪を拠点にローカルかつグローバルに活動した松澤から学ぼうと、下諏訪町を中心とした10カ所で作品、資料展示が行われている。
 メーン会場の諏訪湖博物館・赤彦記念館では、諏訪湖に面したガラス張りのエントランスに、松澤の「消滅の幟」(複製)と、松澤の母校諏訪清陵高校(旧制諏訪中学)の美術部の幟が湖に見せるように掲げられている。同校では部活独自の幟を立てる伝統があり、松澤が幟を作品に用いるルーツを考えさせる。展示室内には松澤の学生時代からの絵画で自宅に保管されていた未発表作を含む21点を展観。過去最大規模の出品点数となっている。ほかに松澤が諏訪のバウハウスを目指して開校した東京・神田の美学校の諏訪分校関連資料などを加え、下諏訪ならではの切り口で、その活動をたどる。

諏訪湖博物館・赤彦記念館のエントランスから諏訪湖に向かって掲げられた松澤の「消滅の幟」と諏訪清陵高校美術部の幟
諏訪湖博物館・赤彦記念館のエントランスから諏訪湖に向かって掲げられた松澤の「消滅の幟」と諏訪清陵高校美術部の幟
旧制諏訪中学から早稲田大学時代に描かれたと推定される絵画
旧制諏訪中学から早稲田大学時代に描かれたと推定される絵画

 まちなか展覧会としては、1952年に描かれた自画像や54年のシンボルポエムを展示するEric‘s Kitchen、松澤の欧州訪問時の写真が壁を埋め尽くすCafé Tac、詩人や音楽家、地元の作家らと結成した「RATIの会」の資料やハガキ絵画、松澤関連書籍を紹介するマスヤゲストハウス、未発表作を含む絵画の小品をロビーに展示する旅館のぎん月などが参加。完全予約制だが、芸術家青木英侃(ひでなお)のアトリエも興味深い。かつては英侃の父親で松澤の諏訪中学時代からの親友であり、教員時代の同僚でもあった青木靖恭が使用していたプサイの部屋をほうふつとさせる空間に、松澤と靖恭との共作や資料が多数残されている。

松澤の等身大パネルと壁に貼られた欧州訪問時の写真(Café Tac)
松澤の等身大パネルと壁に貼られた欧州訪問時の写真(Café Tac)

(文中敬称略)

執筆・撮影:西澤美子

※1 「新美術新聞」1999年2月1日号(美術年鑑社)より

【会期・会場】
2022年2月2日(水)~3月21日(月・祝) 長野県立美術館(長野県・長野市)
美術館HP:https://nagano.art.museum/

※松澤宥 生誕100年祭 
2022年1月29日(土)~3月21日(月・祝) 諏訪湖博物館・赤彦記念館ほか
生誕100年記念サイト:https://matsuzawayutaka.jp/