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いつもとなりにいるから 日本と韓国、アートの80年

開催中〜2026/03/22

横浜美術館

神奈川県・横浜市

横浜美術館コレクション展「子どもも、おとなも! つくるわたしが、つくられる」

開催中〜2026/03/22

横浜美術館

神奈川県・横浜市

出光美術館所蔵 茶道具名品展

開催中〜2026/03/22

大倉集古館

東京都・港区

たたかう仏像

開催中〜2026/03/22

静嘉堂文庫美術館(東京・丸の内)

東京都・千代田区

没後40年 荻須高徳リトグラフ展 ―稲沢市荻須記念美術館コレクション―

開催中〜2026/03/22

八王子市夢美術館

東京都・八王子市

冬、そして春へー「華やぎ」と「侘(わ)び」の調(しらべ)  圏外の眼-伊奈英次の写真世界

開催中〜2026/03/22

荏原 畠山美術館 

東京都・港区

向井山朋子 Act of Fire

開催中〜2026/03/22

アーツ前橋 ギャラリー

群馬県・前橋市

大西茂 写真と絵画

開催中〜2026/03/29

東京ステーションギャラリー

東京都・千代田区

劇場アニメ ルックバック展 —押山清高 線の感情

開催中〜2026/03/29

麻布台ヒルズ ギャラリー

東京都・港区

六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠

開催中〜2026/03/29

森美術館

東京都・港区

アジアの仏たち―永青文庫の東洋彫刻コレクション―

開催中〜2026/03/29

永青文庫

東京都・文京区

Tokyo Contemporary Art Award 2024-2026 受賞記念展「湿地」

開催中〜2026/03/29

東京都現代美術館

東京都・江東区

北斎を魅了した天舞う瑞獣―龍・鳳凰―

開催中〜2026/03/29

北斎館

長野県・小布施町

VOCA展2026 現代美術の展望―新しい平面の作家たち

開催中〜2026/03/29

上野の森美術館

東京都・台東区

北條正庸 風の旅

開催中〜2026/03/29

宇都宮美術館

栃木県・宇都宮市

FACE展2026/絵画のゆくえ2026

開催中〜2026/03/29

SOMPO美術館

東京都・新宿区

高木由利子 写真展 Threads of Beauty 1995‐2025 ― 時をまとい、風をまとう。

開催中〜2026/03/29

Bunkamuraザ・ミュージアム

東京都・渋谷区

放送30周年記念 TVアニメ「名探偵コナン展」

開催中〜2026/03/29

東京ドームシティ プリズムホール

東京都・文京区

英姿颯爽  根津美術館の武器・武具

開催中〜2026/03/29

根津美術館

東京都・港区

森重昭と被爆米兵調査-戦争が終わるということ

開催中〜2026/03/31

中央大学 法と正義の資料館

東京都・八王子市

ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー

開催中〜2026/04/02

東京都現代美術館

東京都・江東区

開館30周年記念 MOTコレクション マルチプル_セルフ・ポートレイト/中西夏之 池内晶子 —弓形とカテナリー

開催中〜2026/04/02

東京都現代美術館

東京都・江東区

特別展 生誕151年からの鹿子木孟郎 —不倒の油画道

開催中〜2026/04/05

泉屋博古館東京

東京都・港区

開館20周年特別展 生誕1200年 歌仙 在原業平と伊勢物語

開催中〜2026/04/05

三井記念美術館

東京都・中央区

藤田嗣治 絵画と写真

開催中〜2026/04/12

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき

開催中〜2026/04/12

東京都美術館

東京都・台東区

ミュージアム コレクション特別篇 開館40周年記念 世田美のあしあと―暮らしと美術のあいだで

開催中〜2026/04/12

世田谷美術館

東京都・世田谷区

ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術

開催中〜2026/05/06

東京都現代美術館

東京都・江東区

飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき

開催中〜2026/05/06

水戸芸術館 現代美術ギャラリー

茨城県・水戸市

特集展示「富士山 花と雲と湖と」

開催中〜2026/05/10

半蔵門ミュージアム

東京都・千代田区

春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪

開催中〜2026/05/10

府中市美術館

東京都・府中市

生誕100周年記念 安野光雅展

開催中〜2026/05/10

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

【特別展】 花・flower・華 2026 -横山大観の桜・川端龍子の牡丹・速水御舟の梅-

開催中〜2026/05/10

山種美術館

東京都・渋谷区

コレクションの舞台裏 ―光をあてる、掘りおこす。収蔵品をめぐる7つの試み

開催中〜2026/05/10

埼玉県立近代美術館

埼玉県・さいたま市

テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート

開催中〜2026/05/11

国立新美術館

東京都・港区

画布(キャンバス)に描くまなざし -ホキ美術館風景画展-

開催中〜2026/05/13

ホキ美術館

千葉県・千葉市

生誕100年記念「Re:辻邦生-いま、ふたたび作家に出会う」

開催中〜2026/05/16

霞会館記念学習院ミュージアム

東京都・豊島区

トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで

開催中〜2026/05/24

三菱一号館美術館

東京都・千代田区

モネ没後100年 クロード・モネ— 風景への問いかけ

開催中〜2026/05/24

アーティゾン美術館

東京都・中央区

SPRING わきあがる鼓動

開催中〜2026/05/31

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

企画展「笑い滴る 春と夏の日本画名品選」

開催中〜2026/05/31

松岡美術館

東京都・港区

W.ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代

2026/03/17〜2026/06/07

東京都写真美術館

東京都・目黒区

生誕100年 昭和を生きた画家 牧野邦夫 —その魂の召喚—

2026/03/31〜2026/06/07

茅ヶ崎市美術館

神奈川県・茅ヶ崎市

超危険生物展 科学で挑む生き物の本気

開催中〜2026/06/14

国立科学博物館

東京都・台東区

うたう仲條 おどる仲條-文字と画と、資生堂と

開催中〜2026/06/28

資生堂ギャラリー

東京都・中央区

軽井沢安東美術館 生誕140周年 藤田嗣治展

開催中〜2026/07/05

軽井沢安東美術館

長野県・軽井沢町

クヴェレ美術館 開館記念展Ⅰ Meet 美の交差点 近代日本画と東洋陶磁

開催中〜2026/07/05

クヴェレ美術館

茨城県・水戸市

ルネ・ラリックにみる 日本とフランスの“かわいい”文化交流

2026/03/20〜2026/12/06

箱根ラリック美術館

神奈川県・箱根町

News

Exhibitions

VOCA展2024
現代美術の展望—新しい平面の作家たち

  • 上野の森美術館 (東京都・台東区)

 絵画や写真などの平面作品に取り組む40歳以下の作家を支援する「VOCA(ヴォーカ)展」の31回目となる展覧会が東京の上野の森美術館で開催中だ。
 最高賞のVOCA賞(賞金300万円※特別協賛の第一生命保険株式会社の買い上げ料)には大東忍の「風景の拍子」が選ばれた。また、奨励賞(賞金50万円)には上原沙也加の「幽霊たちの庭」と片山真理の「red shoes #001」「red shoes #002」「red shoes #003」が、佳作賞(賞金10万円)には佐々瞬の「そこに暮らす人々は自らの歴史を記した」と笹岡由梨子の「Animale/ベルリンのマーケットで働くクマ」に決まった。また、上原の作品は岡山県の大原美術館の収蔵品候補となる大原美術館賞も受賞した。
 全国の美術館学芸員、研究者らによる推薦者が推した31作家が、おおむね過去1年以内に制作した未発表の作品による同展。賞の選考は、植松由佳(選考委員長・国立国際美術館学芸課長)、荒木夏実(東京芸術大学准教授)、川浪千鶴(インディペンデント・キュレーター)、丹羽晴美(東京都現代美術館事業企画課長)、前山裕司(新潟市美術館特任館長)が行った。また、大原美術館賞は同館の三浦篤館長と学芸員が行った。

前列は受賞者、(左から)笹岡由梨子、片山真理、大東忍、上原沙也加、佐々瞬。 後列は選考委員ら、(左から)三浦篤、前山裕司、丹羽晴美、植松由佳、川浪千鶴、荒木夏実
前列は受賞者、(左から)笹岡由梨子、片山真理、大東忍、上原沙也加、佐々瞬。 後列は選考委員ら、(左から)三浦篤、前山裕司、丹羽晴美、植松由佳、川浪千鶴、荒木夏実

 VOCA賞の大東忍「風景の拍子」は、秋田県に住む大東が、近所を歩いてたどりついた「実際にある風景に、自分の原風景や過去に暮らした場所や旅で見た風景を織り交ぜて描いた」木炭画。人気のない夜の住宅街の小さい広場で、街灯に照らされて踊る自身の姿も描かれている。
 「取るに足らないような人の営みを描きたい」との思いで制作を続けてきた。そのため、「風景の中にある痕跡の声を聴くために身体を澄ます方法」として踊ることを実践している。木炭を使うのは、「美大受験の頃から使ってきた体に沁みついている画材」だから。「自分の描きたいものが見えてきた時に、夜の風景を描くことが増えて、使ってみたら画材の粒子感が影の奥行きに似ていると感じた」。「風景に匿名性を持たせたい」思いも表現できるという。
 選考委員の前山は、「審査会場の暗い倉庫の中で端の方にあったが、光っていて、目を引かれた。空間の広がりや奥がある感じ、木炭のテクスチャーも魅力だ」と述べ、荒木は「木炭独特の持ち味、闇と光が照らし出す風景、見る人の視点を引き寄せる踊る人物が、絵画の魅力を存分に表現していた」と評した。大東を推薦したのは、秋田公立美術大学准教授で人類学者の石倉敏明。
 大東は、1993年愛知県生まれ。2019年愛知県立芸術大学美術研究科博士前期課程修了。
 「普通に過ごしていることがかけがえのないことだと思うことが増えている中で、このような当たり前の営みを描いた絵画がたくさんの方に見てもらえることが嬉しい」と喜びを語った。

VOCA賞の大東忍と受賞作「風景の拍子」
VOCA賞の大東忍と受賞作「風景の拍子」

 奨励賞と大原美術館賞の上原沙也加「幽霊たちの庭」は、台湾の花蓮市にある太平洋戦争期の日本統治時代に日本軍によって建てられた松園別館を撮影した6枚のモノクロ写真とテキストによる作品。ここは、台湾人の特攻隊員が出撃する前日に招待所として使われていた。
 「生まれ育った沖縄で写真を撮ってきたので、台湾で撮影する時も沖縄と重なるところから始めてみようと思った。ここは旧日本軍が建てた施設の跡地。琉球松という琉球諸島を原産にした松で、沖縄では戦争で焼けてしまい今はあまり残っていない木の大木が残っていたことから、台湾と沖縄の複雑な歴史の重なりを感じて撮影していった」という。
 日本統治時代の台湾に興味を持ったのは、「沖縄ではもし台湾有事が起きたらという名目で米軍や自衛隊の基地の配備による軍事化が急速に進められていて、風景が劇的に変化している」ことから。「生活のすぐそばにある風景が暴力的に変わっていくこと、それでもとめどなく過ぎていく日常の暮らしの中でどうにか立ち止まって抗い、思考し続けるために、写真を撮影してひたすら風景を見つめて一つ一つの小さなものを確認している」という。
 選考委員の川浪は、「『隣島』の関係にある沖縄と日本統治時代の台湾とのあいだに横たわる時間と空間をめぐる一編の美しい詩のような組作品だ。既存の歴史をなぞるのではなく、あえてそれを一旦解きほぐし細部から編み直すように構成されている」と評した。
 大原美術館の三浦館長は、「激戦地の沖縄と、当時、日本の統治下にあり、特攻が飛び立って行った台湾の歴史が層のように重なっている。決して感傷的ではなく、今生きている人間が取りうる誠実な距離感を保ちながら、ひとつの大事な記憶として作品化している。写真のクオリティーも高く、テキストとの相互関係なども含め、総合的に評価できる」と述べた。
 上原は1993年沖縄県生まれ。2016年東京造形大学造形学部デザイン学科写真専攻領域卒業。2020年に第36回写真の町東川賞新人作家賞を受賞している。
 「(台湾の松園別館は)過去の時間をたくさん含んだ場所ですが、今、どのような国でどのような時代に生きているかを反射して考えさせられるような場所なので、見る人にもそのように見てもらえたら嬉しい。東京で展示できたことも大きいし、意味がある」と受賞の喜びを語った。

奨励賞と大原美術館賞の上原沙也加と受賞作「幽霊たちの庭」
奨励賞と大原美術館賞の上原沙也加と受賞作「幽霊たちの庭」

 奨励賞の片山真理「red shoes #001」「red shoes #002」「red shoes #003」は、自らの手の画像をプリントした布地を縫い合わせたオブジェを足の付け根の位置から木の根のように置いた3点組のセルフポートレイト。手の先は赤いハイヒールを履いている。
 義足の片山は、大学院在学中のアルバイト先での体験をきっかけに2011年から義足用のハイヒールを履く「ハイヒールプロジェクト」を始めた。現在はイタリアのラグジュアリーシューズブランドのセルジオロッシのサポートを受けて第2段を展開中。作品の中の義足がはいているのがセルジオロッシのハイヒールで、ほかは「大切で尊敬する友人たちに借りた靴」だという。
 ハイヒールを履いている手が木の根のようにはえているのは、「昔は義足から草がはえて天に伸びていこうとする絵を描いていたが、今は地に足をつけようとしている。義足の上に乗っているので地に足はつけられないと物理的にも身体的にも性格的にも思っていたが、今、私には仲間がいて、家族がいて、根を張っていると思えたので根を作って切り株のようにした」という。
 選考委員の丹羽は作品の存在感とともに「片山の人生、活動がコラージュのように縫い合わされた『木の根』により支えられたセルフポートレイト」として評価し、荒木は、「誰よりも敏感に自身の身体に向き合ってきた片山は、足ではなく手にハイヒールを履かせることによって既存の価値観を転倒させる」と評した。
 片山は1987年埼玉県生まれ。2012年東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士課程修了。2020年第45回木村伊兵衛写真賞受賞。海外での個展やグループ展への参加も多いが、「17、8歳の頃、初めて展覧会の内覧会につれて来てもらったのがVOCA展だった。わぁこれが美術の世界なんだと思い、いつかここに出品者として展示したかったので20年かかって実現できたのが本当に嬉しい」と喜びを語った。

奨励賞の片山真理と受賞作「red shoes #003」「red shoes #001」「red shoes #002」
奨励賞の片山真理と受賞作「red shoes #003」「red shoes #001」「red shoes #002」

 佳作賞の佐々瞬(1986年宮城県生まれ、東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業)の「そこに暮らす人々は自らの歴史を記した」は、公園の整備計画により行政側から立ち退きを強いられた住宅のうち、最後の1軒となった家を題材にしている。その家の木材や住民が使用していた布団なども取り入れ、右側には地域の歴史を記す冊子のためのガリ版刷りを配した、長年にわたる土地のリサーチに基づく作品だ。

佳作賞の佐々瞬「そこに暮らす人々は自らの歴史を記した」
佳作賞の佐々瞬「そこに暮らす人々は自らの歴史を記した」

 同じく佳作賞の笹岡由梨子(1988年大阪府生まれ、京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程美術専攻メディア・アート領域満期退学)の「Animale/ベルリンのマーケットで働くクマ」は、実験や戦争に使われた動物の労働の歴史に関するリサーチをベースにしたビデオインスタレーション。自らの手足や熊の着ぐるみに入った映像、自作の音楽などで構成され、インパクトのある独特の世界が展開している。

佳作賞の笹岡由梨子の「Animale/ベルリンのマーケットで働くクマ」
佳作賞の笹岡由梨子の「Animale/ベルリンのマーケットで働くクマ」

 出品作家はほかに、ウチダリナ、大橋鉄郎、大山智子、小左誠一郎、長田奈緒、小山維子、亀岡倫太郎、木下理子、顧剣亨、小林勇輝、斉藤思帆、しまうちみか、しまだそう、田中彰、千原真実、堤千春、中村絵美、中山晃子、ヌケメ、東山詩織、肥後亮祐、前田春日美、松延総司、松元悠、宮内裕賀、山下耕平。
  
(文中敬称略)
執筆・写真撮影:西澤美子
  
参考文献:「VOCA展2024 現代美術の展望—新しい平面の作家たち」図録(「VOCA展」実行委員会、公益財団法人日本美術協会 上野の森美術館 2024年)

【会期・会場】
3月14日(木)~30日(土) 上野の森美術館(東京都・台東区)
美術館HP:https://www.ueno-mori.org/