詳細はミュージアムのオフィシャルサイトなどでご確認ください。

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和田誠 映画の仕事

開催中〜2024/03/24

国立映画アーカイブ

東京都・中央区

ムットーニワールド からくりシアターⅤ

開催中〜2024/03/24

八王子市夢美術館

東京都・八王子市

都市にひそむミエナイモノ展 Invisibles in the Neo City

開催中〜2024/03/24

SusHi Tech Square 1F Space

東京都・千代田区

四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎

開催中〜2024/03/24

サントリー美術館

東京都・港区

ニャラティブ! ‐物語から見る招き猫亭コレクションと現代作家展‐

開催中〜2024/03/24

藤沢市アートスペース

神奈川県・藤沢市

ACT (Artists Contemporary TOKAS) Vol. 6『メニスル』

開催中〜2024/03/24

トーキョーアーツアンドスペース本郷

東京都・文京区

大倉集古館の春 ~新春を寿ぎ、春を待つ~

開催中〜2024/03/24

大倉集古館

東京都・港区

企画展 「魅惑の朝鮮陶磁」/特別企画 「謎解き奥高麗茶碗」

開催中〜2024/03/26

根津美術館

東京都・港区

VOCA展2024 現代美術の展望-新しい平面の作家たち

開催中〜2024/03/30

上野の森美術館

東京都・台東区

森美術館開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために

開催中〜2024/03/31

森美術館

東京都・港区

tupera tupera + 遠藤幹子 しつもんパーク in 彫刻の森美術館

開催中〜2024/03/31

彫刻の森美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

企画展「いざ、勝負!」

開催中〜2024/03/31

北斎館

長野県・小布施町

岩﨑家のお雛さま

開催中〜2024/03/31

静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館)

東京都・千代田区

岡田健太郎―重なる景体

開催中〜2024/04/07

平塚市美術館

神奈川県・平塚市

三井家のおひなさま 特別展示 丸平文庫所蔵 京のひなかざり

開催中〜2024/04/07

三井記念美術館

東京都・中央区

印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵

開催中〜2024/04/07

東京都美術館

東京都・台東区

美術家たちの沿線物語 小田急線篇

開催中〜2024/04/07

世田谷美術館

東京都・世田谷区

魔女まじょ展

開催中〜2024/04/08

魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)2階ギャラリー

東京都・江戸川区

初公開の仏教美術 ―如意輪観音菩薩像・二童子像をむかえて―

開催中〜2024/04/14

半蔵門ミュージアム

東京都・千代田区

櫻井翔 未来への言葉展 PLAYFUL!

開催中〜2024/04/14

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

令和5年度早春展 中国陶磁の色彩 ―2000年のいろどり―

開催中〜2024/04/14

永青文庫

東京都・文京区

英国キュー王立植物園 おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり

開催中〜2024/04/14

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

建立900年 特別展 中尊寺金色堂

開催中〜2024/04/14

東京国立博物館

東京都・台東区

生誕150年 池上秀畝―高精細画人―

開催中〜2024/04/21

練馬区立美術館

東京都・練馬区

須藤玲子:NUNOの布づくり

開催中〜2024/05/06

水戸芸術館現代美術ギャラリー、広場

茨城県・水戸市

春の江戸絵画まつり ほとけの国の美術

開催中〜2024/05/06

府中市美術館

東京都・府中市

第5回「私の代表作」展

開催中〜2024/05/12

ホキ美術館

千葉県・千葉市

ライトアップ木島櫻谷 ― 四季連作大屏風と沁みる『生写し』

開催中〜2024/05/12

泉屋博古館東京

東京都・港区

イヴ・ネッツハマー ささめく葉は空気の言問い

開催中〜2024/05/12

宇都宮美術館

栃木県・宇都宮市

皇室のみやび―受け継ぐ美― 第3期「近世の御所を飾った品々」

開催中〜2024/05/12

皇居三の丸尚蔵館

東京都・千代田区

モダン・タイムス・イン・パリ 1925 ― 機械時代のアートとデザイン

開催中〜2024/05/19

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

版画の青春 小野忠重と版画運動 ―激動の1930-40年代を版画に刻んだ若者たち―

開催中〜2024/05/19

町田市立国際版画美術館

東京都・町田市

マティス 自由なフォルム

開催中〜2024/05/27

国立新美術館

東京都・港区

金屏風の祭典 ——黄金の世界へようこそ

開催中〜2024/06/02

岡田美術館

神奈川県・箱根町

日本の山海

開催中〜2024/06/02

松岡美術館

東京都・港区

卒寿記念 人間国宝 鈴木藏の志野展

開催中〜2024/06/02

国立工芸館

石川県・金沢市

川瀬巴水 旅と郷愁の風景

2024/04/05〜2024/06/02

八王子市夢美術館

東京都・八王子市

遠距離現在 Universal / Remote

開催中〜2024/06/03

国立新美術館

東京都・港区

第8回横浜トリエンナーレ「野草:いま、ここで生きてる」

開催中〜2024/06/09

芸術祭(横浜美術館、旧第一銀行横浜支店、BankART KAIKO、クイーンズスクエア横浜、元町・中華街駅連絡通路)

神奈川県・横浜市

北欧の神秘ーノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画

2024/03/23〜2024/06/09

SOMPO美術館

東京都・新宿区

記憶:リメンブランス-現代写真・映像の表現から

開催中〜2024/06/09

東京都写真美術館

東京都・目黒区

BankART Life7「UrbanNesting:再び都市に棲む」

開催中〜2024/06/09

BankART Station

神奈川県・横浜市

企画展「北斎と感情」

2024/04/06〜2024/06/09

北斎館

長野県・小布施町

特別展「大哺乳類展3−わけてつなげて大行進」

開催中〜2024/06/16

国立科学博物館

東京都・台東区

茶の湯の美学 ―利休・織部・遠州の茶道具―

2024/04/18〜2024/06/16

三井記念美術館

東京都・中央区

ベル・エポックー美しき時代 パリに集った芸術家たち ワイズマン&マイケル コレクションを中心に

2024/04/20〜2024/06/16

山梨県立美術館

山梨県・甲府市

「どうぶつ百景 江戸東京博物館コレクションより」展

2024/04/27〜2024/06/23

東京ステーションギャラリー

東京都・千代田区

令和6年度初夏展「殿さまのスケッチブック」

2024/04/27〜2024/06/23

永青文庫

東京都・文京区

カール・アンドレ 彫刻と詩、その間

開催中〜2024/06/30

DIC川村記念美術館

千葉県・佐倉市

特別企画展「熊谷守一美術館39周年展 守一、旅を描く。」

2024/04/16〜2024/06/30

豊島区立 熊谷守一美術館

東京都・豊島区

民藝 MINGEI—美は暮らしのなかにある

2024/04/24〜2024/06/30

世田谷美術館

東京都・世田谷区

三島喜美代―未来への記憶

2024/05/19〜2024/07/07

練馬区立美術館

東京都・練馬区

企画展「旅するピーナッツ。」

開催中〜2024/09/01

スヌーピーミュージアム

東京都・町田市

シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝

2024/04/24〜2024/09/01

森美術館

東京都・港区

AOMORI GOKAN アートフェス 2024 「つらなりのはらっぱ」

2024/04/13〜2024/09/01

アートフェス(芸術祭)( 青森県立美術館、青森公立大学 国際芸術センター青森、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館)

青森県

日本のまんなかでアートをさけんでみる

開催中〜2024/09/08

原美術館ARC

群馬県・渋川市

大地に耳をすます 気配と手ざわり

2024/07/20〜2024/10/09

東京都美術館

東京都・台東区

Exhibitions

生誕100年 朝倉摂展

 日本を代表する舞台美術家・朝倉摂(1922-2014)。唐十郎や蜷川幸雄など、著名な演出家たちの舞台を多数手がけたことで知られるが、その創作の出発点は、日本画にあった。生前は展示される機会の少なかった絵画が約40点余り、時代を追って見られるのが見どころのひとつ。舞台美術や挿絵の仕事も合わせ、その創作活動の全貌に迫る。

左から、《更紗の部屋》1942年 練馬区立美術館/《歓び》1943年 神奈川県立近代美術館
左から、《更紗の部屋》1942年 練馬区立美術館/《歓び》1943年 神奈川県立近代美術館

 彫刻家・朝倉文夫の長女として、東京・谷中に生まれた朝倉摂は、父の方針もあって、学校には通わず、家庭教師による英才教育を受けたという。17歳から、美人画の名手・伊東深水に学び、日本画家としてキャリアをスタート。「1章 画家としての出発——リアルの自覚」の冒頭に並ぶのは、後に彫刻家となる妹の響子をモデルとした《更紗の部屋》など、女性像を描いた初期作だ。

左から、《街頭に観る》1942年/《雪の径》1944年 ともに神奈川県立近代美術館
左から、《街頭に観る》1942年/《雪の径》1944年 ともに神奈川県立近代美術館

 いずれも第2次大戦中の作品で、モンペ姿や女性の労働といったテーマに時局もうかがえる一方、《更紗の部屋》のモダンな雰囲気や《歓び》の赤を主とした洗練された色調、そして女性たちの凜とした表情などに、戦時下を忘れさせる清々しさが感じられる。

左から、《響子像》台東区立朝倉彫塑館/《自画像》1947-50年 ギャルリー・パリ
左から、《響子像》台東区立朝倉彫塑館/《自画像》1947-50年 ギャルリー・パリ

 戦後の朝倉は、父の家から独立して制作に打ち込んだ。常に新たなものを生み出したいと突き進む朝倉は、海外作家の研究を通して模索を続けていく。ピカソやキュビスムの研究から身体の造形性を探った《群像》や、ベルナール・ビュッフェ風の鋭く強い黒の輪郭線を用いつつ、「今の日本の社会状態の中で生き抜こうとするおんなの姿をかきつづけたい」という意欲のもとで描かれた一連の裸婦像など、画風の展開が鮮やかに見てとれるのも本展の魅力だ。

《群像》1950年 練馬区立美術館
《群像》1950年 練馬区立美術館
《おんな》1955年頃 福島県立美術館
《おんな》1955年頃 福島県立美術館
展示風景、スケッチブックと制作中の朝倉の写真
展示風景、スケッチブックと制作中の朝倉の写真

 もうひとつ印象的なのは、1950年代以降、社会派的な傾向を強めていくこと。背景には、父や従来の日本画壇といった権威への反発もあったというが、「2章 日本画と前衛——リアルの探求」に並ぶのは、実際に漁村や石切場や炭鉱に取材し、働く男女や貧しい子どもたちの姿に焦点を当てた作品だ。懸命に生きる人々を見つめる画家の眼差しが強く感じられ、その真摯さに心惹かれる。

左から、《背負う人々》1954年 栃木県立美術館/《夫婦》1953年 神奈川県立近代美術館/《働く人》1952年 山口県立美術館
左から、《背負う人々》1954年 栃木県立美術館/《夫婦》1953年 神奈川県立近代美術館/《働く人》1952年 山口県立美術館

 その後も、高度成長期の日本を批評的にとらえた《日本1958》や、石炭から石油へのエネルギー転換期に衰退していく炭鉱の竪坑櫓(たてこうやぐら)を描いた大作《1963》、また平和運動や安保運動に関わる作品からは、当時の社会の一面がまざまざと見えてくる。

《日本1958》1958年 福岡市美術館
《日本1958》1958年 福岡市美術館
左から、《1963》1963年 東京都現代美術館/《内部への挑戦》1960年 福島県立美術館
左から、《1963》1963年 東京都現代美術館/《内部への挑戦》1960年 福島県立美術館

 だが、1950年代から舞台の仕事も手がけていた朝倉は、1970年に渡米して本格的に舞台美術を学ぶと、以後は、挿絵や絵本の仕事を除いて絵画制作をやめてしまう。
 絵画をめぐる探求を見てきたあとでは、なぜなのだろうかと思わずにはいられない。
 理由は一つではないのだろうが、解説によると、社会運動で他者との連帯を経験することで、制作や評価が個人に帰される画家のあり方に限界を感じ、舞台美術や挿絵への指向を強めたのだという。

小劇場、商業演劇、歌舞伎、オペラなど多彩な分野で手がけた舞台美術の数々
小劇場、商業演劇、歌舞伎、オペラなど多彩な分野で手がけた舞台美術の数々
「近松心中物語」東宝 1979年 作:秋元松代 演出:蜷川幸雄 
「近松心中物語」東宝 1979年 作:秋元松代 演出:蜷川幸雄 

 朝倉が手がけた舞台は1600(!)を超えるそうだが、「3章 舞台美術の世界―イメージは発見」では、約40作の写真や模型、舞台正面図やデザイン画などから、大勢の演劇人と協力してつくりあげた舞台の魅力がたっぷり感じられる。また「4章 挿絵の仕事——余白を造形すること」では、『たつのこたろう』や『スイッチョねこ』など、懐かしい絵本との再会を嬉しく思う来館者も多いはずだ。

「オペラ源氏物語」のための衣装デザイン 日生劇場 2001年 演出:コリン・グレアム 音楽:三木稔
「オペラ源氏物語」のための衣装デザイン 日生劇場 2001年 演出:コリン・グレアム 音楽:三木稔
舞扇 1969年〜2012年 尾上墨雪 蔵/日本舞踊の舞台のために長期にわたって描いた舞扇
舞扇 1969年〜2012年 尾上墨雪 蔵/日本舞踊の舞台のために長期にわたって描いた舞扇
大佛次郎作『スイッチョねこ』のための原画 1971年 講談社刊 大佛次郎記念館
大佛次郎作『スイッチョねこ』のための原画 1971年 講談社刊 大佛次郎記念館

 生前のインタビュー映像をNHKアーカイブスで視聴すると、舞台美術では、戯曲の行間にある白い部分をどう埋めていこうかを考えている、と語られていた。上っ面ではなく、その裏にあるものを見抜くこと。そして、時代と物事の本質を見極める力を養うために日課としているのが、子どもの頃から一日も欠かしたことのない写生だという。絵画から舞台美術へ——ジャンルは変わっても、「時代と物事の本質を見極めたい」という点では共通していたのではなかろうか。

公式図録
公式図録

 なお、本展の公式図録は、一般書籍としても販売されている。図版や最新の研究成果とともに、コラムやエッセイを通じて、颯爽とした朝倉の人柄や時代の息吹にもふれることができる。読み応えの大きな一書だ。

執筆・写真撮影:中山ゆかり
 
*画像は、主催者の許可を得て撮影したものです。
 
*参考文献:『朝倉摂の見つめた世界 絵画と舞台と絵本と』編著:神奈川県立近代美術館、練馬区立美術館、福島県立美術館、発行:青幻舎、2022年
*参考サイト:NHK人物録「朝倉摂」NHKアーカイブス
https://www2.nhk.or.jp/archives/jinbutsu/detail.cgi?das_id=D0009250406_00000

生誕100年 朝倉摂展
Setsu Asakura: A Centennial Retrospective
 
【会期・会場】
2022年6月26日(日)~8月14日(日)  練馬区立美術館(東京都・練馬区)
※来場にあたっての注意事項等については、公式ウェブサイトをご確認ください。
美術館HP:https://www.neribun.or.jp/museum.html