詳細はミュージアムのオフィシャルサイトなどでご確認ください。

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カール・アンドレ 彫刻と詩、その間

開催中〜2024/06/30

DIC川村記念美術館

千葉県・佐倉市

特別企画展「熊谷守一美術館39周年展 守一、旅を描く。」

開催中〜2024/06/30

豊島区立 熊谷守一美術館

東京都・豊島区

創刊50周年記念 花とゆめ展

開催中〜2024/06/30

東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52 階)

東京都・港区

KAGAYA 星空の世界 天空の贈り物

開催中〜2024/07/01

そごう美術館

神奈川県・横浜市

三島喜美代―未来への記憶

開催中〜2024/07/07

練馬区立美術館

東京都・練馬区

石岡瑛子 I デザイン

開催中〜2024/07/07

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

Beautiful Japan 吉田初三郎の世界

開催中〜2024/07/07

府中市美術館

東京都・府中市

ふたり 矢部太郎展

開催中〜2024/07/07

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

MOTコレクション 歩く、赴く、移動する 1923→2020/Eye to Eye-見ること

開催中〜2024/07/07

東京都現代美術館

東京都・江東区

ホー・ツーニェン エージェントのA 

開催中〜2024/07/07

東京都現代美術館

東京都・江東区

Tokyo Contemporary Art Award 2022-2024 受賞記念展

開催中〜2024/07/07

東京都現代美術館

東京都・江東区

【特別展】犬派?猫派? ―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―

開催中〜2024/07/07

山種美術館

東京都・渋谷区

TOPコレクション 時間旅行 ― 千二百箇月の過去とかんずる方角から

開催中〜2024/07/07

東京都写真美術館

東京都・目黒区

企画展 歌と物語の絵 ―雅やかなやまと絵の世界

開催中〜2024/07/21

泉屋博古館東京

東京都・港区

藤田嗣治 エコール・ド・パリの時代 1918~1928年

開催中〜2024/07/23

軽井沢安東美術館

長野県・軽井沢町

「石川九楊大全」

開催中〜2024/07/28

上野の森美術館

東京都・台東区

カルティエと日本 半世紀のあゆみ 『結 MUSUBI』

開催中〜2024/07/28

東京国立博物館

東京都・台東区

トーキョーアーツアンドスペースレジデンス2024 成果発表展「微粒子の呼吸」第1期

2024/06/29〜2024/08/04

トーキョーアーツアンドスペース本郷

東京都・文京区

おとなとこどもの自由研究 工芸の光と影展

開催中〜2024/08/18

国立工芸館

石川県・金沢市

新紙幣発行記念 北斎進化論

開催中〜2024/08/18

北斎館

長野県・小布施町

大川美術館コレクションによる20世紀アートセレクション ―ピカソ、ベン・シャーンからポップ・アートまで

開催中〜2024/08/18

宇都宮美術館

栃木県・宇都宮市

生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界

開催中〜2024/08/25

東京都庭園美術館

東京都・港区

特別展「北斎 グレートウェーブ・インパクト —神奈川沖浪 裏の誕生と軌跡—」

開催中〜2024/08/25

すみだ北斎美術館

東京都・墨田区

TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション

開催中〜2024/08/25

東京国立近代美術館

東京都・千代田区

内藤コレクション 写本 — いとも優雅なる中世の小宇宙

開催中〜2024/08/25

国立西洋美術館

東京都・台東区

超・日本刀入門 revive―鎌倉時代 の名刀に学ぶ

開催中〜2024/08/25

静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館)

東京都・千代田区

「-没後100年-富岡鉄斎 鉄斎と文人書画の優品」(仮称)

2024/07/20〜2024/08/25

山梨県立美術館

山梨県・甲府市

企画展「旅するピーナッツ。」

開催中〜2024/09/01

スヌーピーミュージアム

東京都・町田市

シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝

開催中〜2024/09/01

森美術館

東京都・港区

AOMORI GOKAN アートフェス 2024 「つらなりのはらっぱ」

開催中〜2024/09/01

アートフェス(芸術祭)( 青森県立美術館、青森公立大学 国際芸術センター青森、弘前れんが倉庫美術館、八戸市美術館、十和田市現代美術館)

青森県

伊藤潤二展 誘惑

開催中〜2024/09/01

世田谷文学館

東京都・世田谷区

音を観る ―変化観音と観音変化身―

開催中〜2024/09/01

半蔵門ミュージアム

東京都・千代田区

エドワード・ゴーリーを巡る旅

2024/07/06〜2024/09/01

横須賀美術館

神奈川県・横須賀市

美術の遊びとこころⅧ 五感であじわう日本の美術

2024/07/02〜2024/09/01

三井記念美術館

東京都・中央区

ルーヴル美術館の銅版画展

2024/06/28〜2024/09/01

八王子市夢美術館

東京都・八王子市

ザ・キャビンカンパニー 大絵本美術展〈童堂賛歌〉

2024/07/06〜2024/09/01

平塚市美術館

神奈川県・平塚市

「ヨシタケシンスケ展かもしれない」

2024/07/23〜2024/09/02

そごう美術館

神奈川県・横浜市

カルダー:そよぐ、感じる、日本

開催中〜2024/09/06

麻布台ヒルズ ギャラリー

東京都・港区

日本のまんなかでアートをさけんでみる

開催中〜2024/09/08

原美術館ARC

群馬県・渋川市

企画展「未来のかけら 科学とデザインの実験室」

開催中〜2024/09/08

21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2

東京都・港区

特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」

2024/07/17〜2024/09/08

東京国立博物館

東京都・台東区

須田国太郎の芸術――三つのまなざし

2024/07/13〜2024/09/08

世田谷美術館

東京都・世田谷区

開館20周年記念 山梨放送開局70周年 平山郁夫 -仏教伝来と旅の軌跡

開催中〜2024/09/09

平山郁夫シルクロード美術館

山梨県・北杜市

織田コレクション 北欧モダンデザインの名匠 ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム

2024/06/29〜2024/09/16

パナソニック汐留美術館

東京都・港区

トーキョーアーツアンドスペース レジデンス2024 成果発表展 『微粒子の呼吸』第2期

2024/08/17〜2024/09/22

トーキョーアーツアンドスペース本郷

東京都・文京区

フィロス・コレクション ロートレック展 時をつかむ線

開催中〜2024/09/23

SOMPO美術館

東京都・新宿区

空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン

2024/07/13〜2024/09/23

東京ステーションギャラリー

東京都・千代田区

吉田克朗展 ものに、風景に、世界に触れる

2024/07/13〜2024/09/23

埼玉県立近代美術館

埼玉県・さいたま市

島袋道浩 : 音楽が聞こえてきた

2024/07/04〜2024/09/23

BankART Station

神奈川県・横浜市

「人間×自然×技術=未来展(ひと かける しぜん かける ぎじゅつ は みらい てん) – Well-being for human & nature – 」

開催中〜2024/09/23

SusHi Tech Square内1F Space

東京都・千代田区

つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに

2024/07/20〜2024/09/23

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

和のあかり×百段階段2024 ~妖美なおとぎはなし~

2024/07/05〜2024/09/23

ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」

東京都・目黒区

平田晃久―人間の波打ちぎわ

2024/07/28〜2024/09/23

練馬区立美術館

東京都・練馬区

【特別展】没後25年記念 東山魁夷と日本の夏

2024/07/20〜2024/09/23

山種美術館

東京都・渋谷区

令和6年度夏季展「Come on! 九曜紋―見つけて楽しむ細川家の家紋―」

2024/07/27〜2024/09/23

永青文庫

東京都・文京区

夏の特集展示2024「戦争の時代 日本における藤田嗣治 日常から戦時下へ」

2024/07/25〜2024/09/24

軽井沢安東美術館

長野県・軽井沢町

印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵

2024/07/06〜2024/09/29

東京富士美術館

東京都・八王子市

昭和モダーン モザイクのいろどり 板谷梅樹の世界

2024/08/31〜2024/09/29

泉屋博古館東京

東京都・港区

梅津庸一 クリスタルパレス

開催中〜2024/10/06

国立国際美術館

大阪府・大阪市

大地に耳をすます 気配と手ざわり

2024/07/20〜2024/10/09

東京都美術館

東京都・台東区

レガシー ―美を受け継ぐ モディリアーニ、シャガール、ピカソ、フジタ

開催中〜2024/10/13

松岡美術館

東京都・港区

GO FOR KOGEI 2024「くらしと工芸、アートにおける哲学的なもの」

2024/09/14〜2024/10/20

富山県富山市/岩瀬エリア、石川県金沢市/東山エリア

富山県・富山市、石川県・金沢市

彫刻の森美術館 開館55周年記念 舟越桂 森へ行く日

2024/07/26〜2024/11/04

彫刻の森美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

MOTコレクション 竹林之七妍/特集展示 野村和弘/Eye to Eye-見ること

2024/08/03〜2024/11/10

東京都現代美術館

東京都・江東区

ICC アニュアル 2024 とても近い遠さ

開催中〜2024/11/10

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

東京都・新宿区

没後300年記念 英一蝶 ―風流才子、浮き世を写す―

2024/09/18〜2024/11/10

サントリー美術館

東京都・港区

企画展「作家の視線― 過去と現在、そして…」

開催中〜2024/11/11

ホキ美術館

千葉県・千葉市

田名網敬一 記憶の冒険

2024/08/07〜2024/11/11

国立新美術館

東京都・港区

森の芸術祭 晴れの国・岡山

2024/09/28〜2024/11/24

芸術祭(岡山県北部12市町村、津山市、新見市、真庭市、鏡野町、奈義町など))

岡山県・北部12市町村

フィリップ・パレーノ:この場所、あの空

開催中〜2024/12/01

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

心象工芸展

2024/09/06〜2024/12/01

国立工芸館

石川県・金沢市

田中一村展 奄美の光 魂の絵画

2024/09/19〜2024/12/01

東京都美術館

東京都・台東区

挂甲の武人 国宝指定50周年記念 特別展『はにわ』

2024/10/16〜2024/12/08

東京国立博物館

東京都・台東区

重要文化財 河鍋暁斎《武四郎涅槃図》部分 明治19年(1886) 松浦武四郎記念館蔵

Exhibitions

静嘉堂文庫竣工100年 特別展
画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎
「地獄極楽めぐり図」からリアル武四郎涅槃図まで

  • 静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館) (東京都・千代田区)

河鍋暁斎筆:不思議な涅槃図と「地獄極楽めぐり図」

 重要文化財《武四郎涅槃図》は不思議な絵だ。幕末から明治に自在で卓抜の筆を振るった絵師・河鍋暁斎(かわなべきょうさい)が、探検家・松浦武四郎(まつうらたけしろう)の注文で描いた。二人は親しく交流した。また、《地獄極楽めぐり図》は奇想天外な画帖。これも暁斎の傑作だ。静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館)で、この2作品を主軸とする展覧会が開催中である。本展企画は吉田恵理 学芸員。

松浦武四郎とは

 松浦武四郎(1818~88)は探検家で、北海道の名付け親。古物蒐集に情熱を注いだ好古家でもあり、著述家。伊勢国(現・三重県)一志郡須川村に生まれ、16歳(数え年)から日本国中を遊歴。28歳で単身、蝦夷地(今の北海道)に渡り、以来生涯に6度蝦夷地を探査。幕末に幕府御雇として蝦夷地御用掛に起用されたが、4年後、江戸に戻り御雇を辞す。維新後に開拓判官となるが、新政府のアイヌ政策に同意できず辞任。古物蒐集や著述を続けた。
  
 武四郎は明治初め頃、13歳年下の河鍋暁斎(1831~89)と知り合ったようだ。自著『西蝦夷日誌』(明治5年~)、また蒐集古物を執筆し編集した図録『發雲余興』(明治10年)、『發雲余興 二集』(明治15年)の挿絵の一部を暁斎に依頼した。二人は東京での住まいも近く、共に天神(菅原道真)や観音を篤く信仰した。

静嘉堂@丸の内の会場風景(以下同様)。松浦武四郎 著・出版 岩下方平 序『發雲余興』 明治10年(1877)より。河鍋暁斎の挿絵「田村将軍像」 静嘉堂蔵
静嘉堂@丸の内の会場風景(以下同様)。松浦武四郎 著・出版 岩下方平 序『發雲余興』 明治10年(1877)より。河鍋暁斎の挿絵「田村将軍像」 静嘉堂蔵

《武四郎涅槃図》に描かれているのは/涅槃図とは

 河鍋暁斎筆《武四郎涅槃図》(明治19年(1886)、松浦武四郎記念館蔵)は、武四郎が暁斎に明治14年(1881)に依頼し、足掛け6年、武四郎69歳の年に完成した。縦150㎝超の大画面。中央の武四郎を数多のものが取り囲む、武四郎を釈迦に見立てた変わり涅槃図だ。
 
 なお涅槃図とは、釈迦の入滅の情景を表現した絵画で、彫刻で表した涅槃像もある。涅槃図には、満月の夜、沙羅双樹のもと、右側を下に横たわる釈迦を、弟子や仏や貴顕や動物たちが取り囲み、悲嘆にくれる様相が描かれる。母の摩耶夫人の来至が加わることも多い。
 
 本作に近づいて見てみよう。武四郎は目を閉じ、穏やかな表情。左手は首にかけた大きな首飾りの勾玉に触れ、腰には「火用心」と書かれた煙草入れを下げる。彼の周りには観音菩薩など仏たちや人々が囲む。しかし妙なのは濃彩と水墨が混在すること。少し上の朱塗りの壇上は何だろう。様々な像が居並ぶ。下方に描かれた動物になぜか人形も混じる。あるべき沙羅双樹は常緑の赤松に変容し、上部には摩耶夫人一行ではなく、浮世絵美人が瑞雲に乗って駆けつけている。

重要文化財 河鍋暁斎《武四郎涅槃図》 明治19年(1886) 松浦武四郎記念館蔵★
重要文化財 河鍋暁斎《武四郎涅槃図》 明治19年(1886) 松浦武四郎記念館蔵★
重要文化財 河鍋暁斎《武四郎涅槃図》部分 明治19年(1886) 松浦武四郎記念館蔵
重要文化財 河鍋暁斎《武四郎涅槃図》部分 明治19年(1886) 松浦武四郎記念館蔵
重要文化財 河鍋暁斎《武四郎涅槃図》部分 明治19年(1886) 松浦武四郎記念館蔵
重要文化財 河鍋暁斎《武四郎涅槃図》部分 明治19年(1886) 松浦武四郎記念館蔵
重要文化財 河鍋暁斎《武四郎涅槃図》部分 明治19年(1886) 松浦武四郎記念館蔵
重要文化財 河鍋暁斎《武四郎涅槃図》部分 明治19年(1886) 松浦武四郎記念館蔵

 本作は機知にあふれる。ここに描かれているのは、武四郎が蒐集した絵画から飛び出した仏や人々や動物の姿であり、蒐集し愛玩した古物なのである。しかも本展では、元の絵画や古物自体が、この涅槃図と一緒に初めて展示されている。松浦四郎記念館と静嘉堂の所蔵のもの。観音像や猿を描いた重要文化財の掛け軸、近年発見の大首飾り、中国・清時代の如意輪観音像、摩耶夫人が投げたとの設定の巾着も、目前に在る。まさに驚愕の展覧会だ。
 そして一つ一つを本作と見比べると、暁斎が元の絵画や事物に悲嘆の表情と仕草を加えるなど巧みな描写と構成を行い、生き生きとした涅槃図に仕上げていることが実見できる。

重要文化財 周耕《猿猴図》 室町時代(14~16世紀) 松浦武四郎記念館蔵
重要文化財 周耕《猿猴図》 室町時代(14~16世紀) 松浦武四郎記念館蔵

 自身が蒐集した大好きなものたちに囲まれて眠る武四郎。本作全体が武四郎の自画像ともいえそうだ。武四郎存命中の完成は生前葬を思わせる。暁斎の絵日記に「松浦先生のねはんの内」「美人出来」の文字と絵が残る(明治18年2月9日付)。一方、本作の箱蓋表の小野湖山の墨書は「北海道人樹下午睡ノ図」、軸木の武四郎の墨書は「北海翁松下午睡」だという。昼寝の夢なのだろうか。好古家の武四郎は文人ネットワークにいた。学芸員の吉田恵理さんは、「この涅槃図は文人の理想郷だと思います」と語った。

14歳で没した少女を追悼する《地獄極楽めぐり図》

 暁斎筆《地獄極楽めぐり図》(明治2~5年(1869~72)、静嘉堂蔵)は、濃彩の折本仕立の40図の画帖である。日本橋の小間物問屋・勝田五兵衛の依頼により、14歳で早世した五兵衛の愛娘・田鶴(たつ)の追善供養のために描かれた。暁斎の独創的な物語展開と細密描写が圧巻。紋様など細部まで意味が込められている。
 
 臨終の田鶴は、迎えに来た阿弥陀三尊と共に旅立つ。不動明王や観音菩薩らも加わり、冥界を見学し、過酷な地獄の状況ものぞくが、田鶴が贔屓にしていた歌舞伎役者の芝居見物や、閻魔も一緒になっての宴会も楽しみ、そして田鶴は極楽往生し如来となる。望遠鏡や極楽行の鉄道(明治5年開業)も登場。悲しいはずだが、なんとも陽気な旅となっていて、暁斎の優しさが強く伝わる。
 
 本展では全40図が会期中場面を変えて展示される。なお出品は無いが、本作の下絵群(その筆勢に息をのむ)が河鍋暁斎記念美術館に所蔵されていることを付記しておきたい。

河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》部分 明治2~5年(1869~72) 静嘉堂蔵 ※会期中場面替えあり
河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》部分 明治2~5年(1869~72) 静嘉堂蔵 ※会期中場面替えあり
河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》部分 明治2~5年(1869~72) 静嘉堂蔵 ※会期中場面替えあり
河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》部分 明治2~5年(1869~72) 静嘉堂蔵 ※会期中場面替えあり
河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》部分 明治2~5年(1869~72) 静嘉堂蔵 ※会期中場面替えあり★
河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》部分 明治2~5年(1869~72) 静嘉堂蔵 ※会期中場面替えあり★

河鍋暁斎とは

 暁斎は下総国(現・茨城県)古河に生まれ、浮世絵師・歌川国芳に入門後、10歳から狩野派で学んだ。習練を積んだ卓越の画技と自由な発想による多彩な作品は人気を博した。
 明治3年(1870)末、政府批判の戯画を描いたとのことで(詳細は解明されず)、逮捕投獄され、翌年1月放免。その後は画号の狂斎を暁斎に改めた。この事件はちょうど《地獄極楽めぐり図》制作の頃だ。武四郎と出会ったのもこの頃なのだろう。

国宝《曜変天目》も出品

 会場奥の部屋には、静嘉堂が誇る国宝《曜変天目》(南宋 12~13世紀、静嘉堂蔵)も出展。(本作については、2022年11月21日付拙稿「静嘉堂創設130周年 新美術館開館記念展Ⅰ 響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―」をご参照ください)

国宝《曜変天目》 南宋 12~13世紀 静嘉堂蔵
国宝《曜変天目》 南宋 12~13世紀 静嘉堂蔵

 発想の妙。大らかさ。幕末から明治の時代、こんな型破りな二人がいた! 
 本展を楽しんでほしい。
 
 
 【参考文献】
1)静嘉堂文庫美術館(公益財団法人静嘉堂) 編集:『徹底分析「武四郎涅槃図」』(本展図録)、吉田恵理 執筆、静嘉堂文庫美術館(公益財団法人静嘉堂)、2024年
2)静嘉堂文庫美術館(公益財団法人静嘉堂) 編集:『とことん鑑賞 地獄極楽めぐり図』、吉田恵理 執筆、静嘉堂文庫美術館(公益財団法人静嘉堂)、2023年
3)芳賀徹ほか編纂:『河鍋暁斎画集 1本画・画稿』(全3巻の内)、六耀社、1994年
4)松浦武四郎 著、更科源蔵・吉田豊 訳:『アイヌ人物誌』、平凡社、2002年
 
執筆・撮影(★は除く):細川いづみ(HOSOKAWA Fonte Idumi)
(2024年5月)
 
※会場内の風景画像は主催者側の許可を得て撮影したものです。
※本文・図版とも無断引用・無断転載を禁じます。

静嘉堂文庫竣工100年 特別展 
画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎
「地獄極楽めぐり図」からリアル武四郎涅槃図まで
Special Exhibition to Mark 100 Years Since the Completion of Seikado Bunko
The Demon Painter and the Demon Collector: Kawanabe Kyosai and Matsuura Takeshiro
 
【会期・会場】
2024年4月13日(土)~6月9日(日)  静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館)(東京都・千代田区)
 
※詳細は公式サイトでご確認ください。
公式サイト https://www.seikado.or.jp