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フィン・ユールとデンマークの椅子

開催中〜2022/10/09

東京都美術館

東京都・台東区

特別展アリス —へんてこりん、へんてこりんな世界ー

開催中〜2022/10/10

森アーツセンターギャラリー( 六本木ヒルズ森タワー 52F)

東京都・港区

名作展「涼風を語る 龍子の描いた風景画を中心に」

開催中〜2022/10/10

大田区立龍子記念館

東京都・大田区

特別展「化石ハンター展 〜ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣〜」

開催中〜2022/10/10

国立科学博物館

東京都・台東区

アールヌーヴォーからアールデコに咲いたデザイン  オールドノリタケ×若林コレクション

開催中〜2022/10/16

そごう美術館

神奈川県・横浜市

企画展  蔵出し蒔絵コレクション

開催中〜2022/10/16

根津美術館

東京都・港区

MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ

開催中〜2022/10/16

東京都現代美術館

東京都・江東区

MOTコレクション コレクションを巻き戻す 2nd

開催中〜2022/10/16

東京都現代美術館

東京都・江東区

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅲ 古美術逍遙 ―東洋へのまなざし

開催中〜2022/10/23

泉屋博古館東京

東京都・港区

新版画 進化系UKIYO-Eの美

開催中〜2022/11/03

千葉市美術館

千葉県・千葉市

地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング

開催中〜2022/11/06

森美術館

東京都・港区

特集展示「初公開の収蔵品から」

開催中〜2022/11/06

半蔵門ミュージアム

東京都・千代田区

生誕 120 年 猪熊弦一郎展

開催中〜2022/11/06

横須賀美術館

神奈川県・横須賀市

長坂真護展 Still A “BLACK” STAR  supported by なんぼや

開催中〜2022/11/06

上野の森美術館

東京都・台東区

大蒔絵展 —漆と金の千年物語

開催中〜2022/11/13

三井記念美術館

東京都・中央区

理想の書物 —英国19世紀挿絵本からプライヴェート・プレスの世界へ—

開催中〜2022/11/13

群馬県立近代美術館

群馬県・高崎市

美をつくし―大阪市立美術館コレクション

開催中〜2022/11/13

サントリー美術館

東京都・港区

宮城壮太郎展――使えるもの、美しいもの

開催中〜2022/11/13

世田谷美術館

東京都・世田谷区

第74回 正倉院展

2022/10/29〜2022/11/14

奈良国立博物館

奈良県・奈良市

学年誌100年と玉井力三—描かれた昭和の子ども―

開催中〜2022/11/15

千代田区立日比谷図書文化館

東京都・千代田区

誕生50周年記念 ベルサイユのばら展ーベルばらは永遠にー

開催中〜2022/11/20

東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)

東京都・港区

ヤマザキマリの世界

2022/10/25〜2022/11/26

東京造形大学附属美術館

東京都・八王子市

江森天寿と石川梅子 夭折の画家と県内初の女流画家

2022/10/08〜2022/11/27

遠山記念館

埼玉県・川島町

開館25周年記念展 Ⅲ 再興院展の立役者 齋藤隆三

2022/10/08〜2022/11/27

茨城県天心記念五浦美術館

茨城県・北茨城市

企画展「市制90周年記念 私たちの絵 時代の自画像展」

開催中〜2022/11/27

平塚市美術館

神奈川県・平塚市

旅と想像/創造 いつかあなたの旅になる

開催中〜2022/11/27

東京都庭園美術館

東京都・港区

北斎ブックワールド ―知られざる板本の世界―

開催中〜2022/11/27

すみだ北斎美術館

東京都・墨田区

ファン・ゴッホ ー僕には世界がこう見えるー

開催中〜2022/11/27

角川武蔵野ミュージアム

埼玉県・所沢市

2022年秋の特別展「ヒンドゥーの神々の物語」

開催中〜2022/11/27

古代オリエント博物館

東京都・豊島区

特別展  将軍家の襖絵

2022/11/03〜2022/12/04

根津美術館

東京都・港区

特別展 京(みやこ)に生きる文化 茶の湯

2022/10/08〜2022/12/04

京都国立博物館

京都府・京都市

ポンペイ

2022/10/12〜2022/12/04

九州国立博物館

福岡県・太宰府市

【特別展】没後80年記念 竹内栖鳳

2022/10/06〜2022/12/04

山種美術館

東京都・渋谷区

アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで

開催中〜2022/12/04

府中市美術館

東京都・府中市

ジャンルレス工芸展

開催中〜2022/12/04

国立工芸館

石川県・金沢市

辻 永 ふたつの顔を持つ画家 油彩と植物画

2022/10/25〜2022/12/11

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

永青文庫漆芸コレクション かがやきの名品

2022/10/08〜2022/12/11

永青文庫

東京都・文京区

加耶―古代東アジアを生きた、ある王国の歴史―

2022/10/04〜2022/12/11

国立歴史民俗博物館

千葉県・佐倉市

花鳥風月 名画で見る日本の四季 琳派・浮世絵から御舟・一村まで

開催中〜2022/12/18

岡田美術館

神奈川・箱根町

生誕150年記念 板谷波山の陶芸

2022/11/03〜2022/12/18

泉屋博古館東京

東京都・港区

川内倫子展(タイトル未定)

2022/10/08〜2022/12/18

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念 響きあう名宝 ―曜変・琳派のかがやき―

開催中〜2022/12/18

静嘉堂文庫美術館

東京都・千代田区

かこさとしの世界 だるまちゃんもからすのパンやさんも大集合!

2022/10/08〜2022/12/25

群馬県立館林美術館

群馬県・館林市

展覧会 岡本太郎 Okamoto Taro: A Retrospective

2022/10/18〜2022/12/28

東京都美術館

東京都・台東区

特別展 すべて未知の世界へ―GUTAI 分化と統合

2022/10/22〜2023/01/09

国立国際美術館

大阪府・大阪市

雲をつかむ:原美術館/原六郎コレクション 第2期(秋冬季)

開催中〜2023/01/09

原美術館ARC

群馬県・渋川市

鉄道と美術の150年

2022/10/08〜2023/01/09

東京ステーションギャラリー

東京都・千代田区

ポーラ開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて

開催中〜2023/01/15

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

おいしいボタニカル・アート ー食を彩る植物のものがたり

2022/11/05〜2023/01/15

SOMPO美術館

東京都・新宿区

ビーズ ―つなぐ かざる みせる  国立民族学博物館コレクション

2022/11/15〜2023/01/15

渋谷区立松濤美術館

東京都・渋谷区

マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち

2022/10/08〜2023/01/15

DIC川村記念美術館

千葉県・佐倉市

企画展示 junaida展「IMAGINARIUM」

2022/10/08〜2023/01/15

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展

2022/10/08〜2023/01/22

国立西洋美術館

東京都・台東区

ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

2022/10/14〜2023/01/22

京都国立近代美術館

京都府・京都市

春日大社 若宮国宝展 ―祈りの王朝文化―

2022/12/10〜2023/01/22

奈良国立博物館

奈良県・奈良市

平子雄一 × 練馬区立美術館 コレクション inheritance, metamorphosis, rebirth[遺産、変形、再生]

2022/11/18〜2023/02/12

練馬区立美術館

東京都・練馬区

ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台

2022/11/12〜2023/02/19

東京都現代美術館

東京都・江東区

交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー

2022/12/17〜2023/03/05

東京都庭園美術館

東京都・港区

六本木クロッシング2022展(仮題)

2022/12/01〜2023/03/26

森美術館

東京都・港区

特別展「動画クリエイター展」

2022/10/08〜2023/04/02

日本科学未来館

東京都・江東区

池内晶子01

Exhibitions

池内晶子 あるいは、地のちからをあつめて

糸を見つめ、世界を体感

 絹糸を展示会場に張りめぐらせ、場所、時間、記憶を内包した作品で、人と空間との関わりを考察し続けている池内晶子(1967年、東京都生まれ)の個展が東京の府中市美術館で開かれている。国内外で展覧会を数多く開いている池内だが、美術館での個展は初めてとなる。「あるいは、地のちからをあつめて」という副題は、美術館のある土地柄や、地球が生み出す磁力や重力、絹糸が持つ歴史や文化などを制作の根底に据え、現場制作したことを表している。
 本展では、美術館の3つの展示室とエントランスロビーで新作を主に各一点ずつ発表。作品タイトルはすべて「結び目のある糸」を意味する「Knotted Thread(ノッティドスレッド)」を基本とし、そこに作品ごとの糸の色や直径、高さ、方位などを加えている。

 展示室1では、円錐形を逆さまにした筒のような赤い物体が浮かび、その下に赤い円が広がって、やわらかく、明るく、暖かい空気が醸し出されていた。この作品「Knotted Thread-red-Φ1.4㎝-Φ720㎝」は、磁北を基準とする東西南北の方角の天井付近の壁4点から赤い絹糸を伸ばして、筒状の物を宙吊りにし、その真下を始点として同心円状に糸を右回りに置いている。床の糸はすべて繋ぎ合わされていて、長さはおよそ2万2千㍍、円の直径は約7㍍で、糸を床に置くだけで6日間かかったという。
 池内によると、浮遊物の方は軸糸に結び付けた糸を右に旋回させて、交差する糸を結び、端を短く切って回転を促し、右回りの渦ができるように制作したという。
 一方、床の糸は、「浮かんでいる物とは異なる回転の速さの渦を作りたい」(池内)ことから、糸を繋げて1本にして床に置いた。渦を作ることは、「過去や現在、歴史や時間、土地や人々の記憶など、さまざまな思いや次元と接触する方法」だととらえている。

池内晶子01
「Knotted Thread-red-Φ1.4㎝-Φ720㎝」 絹糸 2021年

 展示室2は、天井から垂れ下がる1本の白い糸が光にかすかに照らし出され、静謐な空間が生み出されている。この糸は、部屋の南北に張り渡した糸の中央から垂れ下がっていて、たくさんの結び目がつけられている。新潟の「朝日村 まゆの花の会」による手撚(よ)りの絹糸で、会の人々が養蚕をしてとれた繭を、明治時代に使われていた手繰り機で撚っている。「この絹糸に触れると蚕の命やかかわった方々の息遣いが感じられる」ことなどから池内が直観的に選んだ。シンプルだが、結び目があるためか、重力を感じさせる。第1展示室の作品の赤い糸は工業製品なので、この「Knotted Thread-h220㎝(north-south)」を近くに展示することでその差異を見せてもいる。

池内晶子_02
「Knotted Thread-h220㎝(north-south)」 絹糸 2021年

 展示室3は、暗い室内で目を凝らしてしばらく経つと、赤い糸が滝のように見えてくる「Knotted Thread-red-east-west-catenary-h360㎝」が展開している。左右の壁に沿って張った5㍍の軸糸の片方に1本の糸を結びつけ、大きくたゆませながらもう片方の壁の軸糸に渡して結び、10㌢間隔でジグザグに糸を行き来させている。糸は人の動きや入口からのわずかな風で動き、間隔やたゆみが常に微妙に変化するのがわかる。また、人の呼気に含まれる湿気に応じて糸が伸縮するのだという。暗い展示室の片隅で、人の存在や自然の力に気づかされ、はっとする。

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「Knotted Thread-red-east-west-catenary-h360㎝」 絹糸 2021年

 展示室の外のスペースにはドローイングや版画が展示されている。中でも目をひくのが、はがきサイズの紙に水彩や色鉛筆で描かれたドローイング。20年ほど前から毎日欠かさず2枚ずつ描いている日記のような作品で、頭に浮かんだものや、夢に出てきたものを、紙に定着させるように形にしている。池内は「毎日起こる出来事の記憶の断片をとどめる行為であり、糸のひとつひとつの結び目のようなものである」(鑑賞ガイドより)と位置付けている。

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企画展ロビーのドローイング。「Daily Drawings」

 ロビーの作品を見終わり、2階から階段を下りる少し手前で、1本の白い絹糸の下をくぐることに注意したい。天井近くの壁から、展示室の入口付近に向けて糸を渡してあるので、展示を見る前にもくぐっていたことになる。「Knotted Thread-white-22knots-north-south」とのタイトルからわかるように、糸は南北の方向に張ってある。
 「北は方角の基準となり、南北の方向に糸を沿わすことで磁力を示すことができるのではないか」という思いと、府中に近く、池内が長く住んでいた多摩丘陵に位置する稲城市が美術館の南にあることから「美術館の外との繋がりを示すことができるのではないか」と考えた。府中が多摩川により形成された河岸段丘にあることから、段丘と美術館の建物の構造を関連付け、ロビーからエスカレーターで段丘を登るように展示室への導線があることなどを構成の基本としている。
 また、府中市美術館の建つ場所は、旧陸軍から米軍に接収され、後に返還された土地で、長い間一般には立ち入ることができなかったが、「文化の発信の場として継続している。その重要性を示すため」、糸に美術館の開館年数に1を足した22個の結び目をつけた。
 糸を見つめて、感覚を研ぎ澄ますことで、人の存在や世界のありようが体感できる、そんな空間が展開している。

池内晶子_05
エントランスロビーの「Knotted Thread-white-22knots-north-south」。左側の天井付近からエスカレーターの上の方にかけて白い糸が渡されている

 なお、入口で配られる鑑賞ガイドには、展示で使われているのと同じ赤い糸が添付されている。「作品に対する親近感を抱いてもらい、それが作品を保護する気持ちにつながる」(同展担当・神山亮子学芸員)と考えた。ガイドに付けたのはコロナ対策のためだという。

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鑑賞ガイド。作品に使用したのと同じ赤い糸が添付されている

 池内晶子は1967年東京都生まれ。98年東京芸術大学美術研究科博士後期課程満期退学。1998年から2000年まで文化庁在外研修でニューヨーク滞在。現在、京都芸術大学准教授。88年から糸を空間に張り巡らす作品を制作している。近年の主なグループ展に「MOTアニュアル2011 Nearest Faraway|世界の深さのはかり方」(東京都現代美術館、2011年)、「19th DOMANI・明日展」(国立新美術館、2016~17年)、「水と土の芸術祭 2018」(新潟県、2018年)など。主な個展に「Akiko Ikeuchi Silk Thread Installations」(The Japan Foundation Gallery 〈シドニー〉、2016年)、「池内晶子展」(gallery21yo-j〈東京〉、2014、15、17、20年)など個展多数開催。

(文中敬称略)
執筆・写真撮影 西澤美子

【会期・会場】
2021年12月18日(土)~2022年2月27日(日) 府中市美術館 
美術館HP:http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/