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藤田嗣治 絵画と写真

開催中〜2026/04/12

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

東京都美術館開館100周年記念 スウェーデン絵画 北欧の光、日常のかがやき

開催中〜2026/04/12

東京都美術館

東京都・台東区

ミュージアム コレクション特別篇 開館40周年記念 世田美のあしあと―暮らしと美術のあいだで

開催中〜2026/04/12

世田谷美術館

東京都・世田谷区

ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術

開催中〜2026/05/06

東京都現代美術館

東京都・江東区

飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき

開催中〜2026/05/06

水戸芸術館 現代美術ギャラリー

茨城県・水戸市

特集展示「富士山 花と雲と湖と」

開催中〜2026/05/10

半蔵門ミュージアム

東京都・千代田区

春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪

開催中〜2026/05/10

府中市美術館

東京都・府中市

生誕100周年記念 安野光雅展

開催中〜2026/05/10

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

【特別展】 花・flower・華 2026 -横山大観の桜・川端龍子の牡丹・速水御舟の梅-

開催中〜2026/05/10

山種美術館

東京都・渋谷区

コレクションの舞台裏 ―光をあてる、掘りおこす。収蔵品をめぐる7つの試み

開催中〜2026/05/10

埼玉県立近代美術館

埼玉県・さいたま市

テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート

開催中〜2026/05/11

国立新美術館

東京都・港区

画布(キャンバス)に描くまなざし -ホキ美術館風景画展-

開催中〜2026/05/13

ホキ美術館

千葉県・千葉市

生誕100年記念「Re:辻邦生-いま、ふたたび作家に出会う」

開催中〜2026/05/16

霞会館記念学習院ミュージアム

東京都・豊島区

トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで

開催中〜2026/05/24

三菱一号館美術館

東京都・千代田区

モネ没後100年 クロード・モネ— 風景への問いかけ

開催中〜2026/05/24

アーティゾン美術館

東京都・中央区

開館10周年記念「ひらけ、絵手本!『北斎漫画』エトセトラ

開催中〜2026/05/24

すみだ北斎美術館

東京都・墨田区

SPRING わきあがる鼓動

開催中〜2026/05/31

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

企画展「笑い滴る 春と夏の日本画名品選」

開催中〜2026/05/31

松岡美術館

東京都・港区

SORAYAMA 光・透明・反射 ーTOKYOー

開催中〜2026/05/31

CREATIVE MUSEUM TOKYO(東京・京橋)

東京都・中央区

KAGAYA 天空の歌

開催中〜2026/05/31

そごう美術館

神奈川県・横浜市

W.ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代

開催中〜2026/06/07

東京都写真美術館

東京都・目黒区

生誕100年 昭和を生きた画家 牧野邦夫 —その魂の召喚—

開催中〜2026/06/07

茅ヶ崎市美術館

神奈川県・茅ヶ崎市

北斎館50周年記念特別展 「北斎VS 福田美蘭 小布施へのメッセージ」

開催中〜2026/06/07

北斎館

長野県・小布施町

熊本城―守り継がれた名城400年の軌跡―

開催中〜2026/06/07

永青文庫

東京都・文京区

名作展「絢爛と健剛ー川端龍子の作品における装飾性ー」併催:町立湯河原美術館収蔵 平松礼二作品展

開催中〜2026/06/07

大田区立龍子記念館

東京都・大田区

超危険生物展 科学で挑む生き物の本気

開催中〜2026/06/14

国立科学博物館

東京都・台東区

ルネ・ラリック展 -ガレ、ドームから続く華麗なるフランスの装飾美術-

開催中〜2026/06/14

国立工芸館

石川県・金沢市

チュルリョーニス展 内なる星図

開催中〜2026/06/14

国立西洋美術館

東京都・台東区

北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより

開催中〜2026/06/14

新見美術館コレクション 近現代日本画の精華

開催中〜2026/06/14

八王子市夢美術館

東京都・八王子市

「王朝のみやびー古筆、琳派、茶の湯の情景」 「守屋多々志の華麗な歴史画ーよみがえる王朝と文明開化の夢」

開催中〜2026/06/14

荏原 畠山美術館

東京都・港区

開館50周年記念「ウジェーヌ・ブーダン展─瞬間の美学 、光の探求」

開催中〜2026/06/21

SOMPO美術館

東京都・新宿区

ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち

2026/04/19〜2026/06/21

宇都宮美術館

栃木県・宇都宮市

富山県水墨美術館コレクション 水墨画を楽しむ7つのとびら -富岡鉄斎、竹内栖鳳、横山大観から加山又造へ

2026/04/25〜2026/06/21

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

うたう仲條 おどる仲條-文字と画と、資生堂と

開催中〜2026/06/28

資生堂ギャラリー

東京都・中央区

田中信太郎――意味から遠く離れて

2026/04/25〜2026/06/28

世田谷美術館

東京都・世田谷区

動き出す妖怪展 TOKYO

開催中〜2026/06/28

寺田倉庫 G1ビル

東京都・品川区

没後110年 日本画の革命児 今村紫紅

2026/04/25〜2026/06/28

横浜美術館

神奈川県・横浜市

アーティストとひらく「鎌田友介展:ある想像力、ふたつの土地」

2026/04/25〜2026/06/28

横浜美術館

神奈川県・横浜市

熊谷守一美術館41周年展 守一と故郷。

2026/04/14〜2026/06/28

豊島区立 熊谷守一美術館

東京都・豊島区

軽井沢安東美術館 生誕140周年 藤田嗣治展

開催中〜2026/07/05

軽井沢安東美術館

長野県・軽井沢町

クヴェレ美術館 開館記念展Ⅰ Meet 美の交差点 近代日本画と東洋陶磁

開催中〜2026/07/05

クヴェレ美術館

茨城県・水戸市

東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展

2026/04/28〜2026/07/05

東京都美術館

東京都・台東区

生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ

2026/04/15〜2026/07/06

国立新美術館

東京都・港区

松本陽子 宵の明星を見た日

2026/05/23〜2026/07/12

府中市美術館

東京都・府中市

山田紗子 parallel tunes

2026/04/16〜2026/07/12

TOTOギャラリー・間

東京都・港区

川合玉堂 —なつかしい日本の情景—

2026/05/16〜2026/07/26

山種美術館

東京都・渋谷区

スープはいのち スープは包む、いのちを満たす、はじまりの衣食住

開催中〜2026/08/09

21_21 DESIGN SIGHT

東京都・港区

大ゴッホ展 夜のカフェテラス

2026/05/29〜2026/08/12

上野の森美術館

東京都・台東区

安藤正子:普通の日々

開催中〜2026/09/06

原美術館ARC

群馬県・渋川市

ルネ・ラリックにみる 日本とフランスの“かわいい”文化交流

開催中〜2026/12/06

箱根ラリック美術館

神奈川県・箱根町

世田谷文学館コレクション展「没後30年 宇野千代展」

2026/04/18〜2027/03/28

世田谷文学館

東京都・世田谷区

上野リチ・リックス《ウィーン工房テキスタイル・デザイン:6月の花》1923年、クーパー・ヒューイット スミソニアン・デザイン・ミュージアム、スミソニアン協会

Exhibitions

上野リチ 
ウィーンからきたデザイン・ファンタジー

 そのデザインに囲まれているとうれしくならずにいられない。抜群のセンス。このような優れた仕事を残した女性デザイナーがいた! フェリーツェ・リックス、後の上野リチ・リックス(1893~1967)のことだ。ウィーンに生まれ、20世紀のデザインに多大な影響を与えたことで有名なウィーン工房で活躍。日本人建築家・上野伊三郎と結婚後も京都とウィーンと行き来し、やがて京都での仕事に主軸を移し、生涯数多の魅力的なデザインを世に送り出した。

 上野リチを包括的に紹介する展覧会が三菱一号館美術館で開催中だ。2008年に作品が京都国立近代美術館に寄贈されたことを機に研究が進み、作家の全貌が明らかになった。本展は企画構想などを阿佐美淑子 三菱一号館美術館主任学芸員が担い、池田祐子 京都国立近代美術館学芸課長が監修。関連作品や資料を含め約370件が出品。

三菱一号館美術館の会場風景(以下同様)。上野リチ・リックス《ウィーン工房壁紙:そらまめ》1928年、京都国立近代美術館
三菱一号館美術館の会場風景(以下同様)。上野リチ・リックス《ウィーン工房壁紙:そらまめ》1928年、京都国立近代美術館

ウィーン工芸学校で学び、ウィーン工房で中核デザイナーとして活躍

 フェリーツェ・リックス(愛称リッツィ。日本語でリチ)は、世紀末の1893年、オーストリア=ハンガリー帝国の首都ウィーンの裕福なユダヤ系の家庭に生まれた。三菱一号館が竣工した年の前年のことだ。1912年、19歳のリチは博物館付属機関であるウィーン工芸学校に入学し、テキスタイル、七宝、彫刻などを学び、建築家・デザイナーのヨーゼフ・ホフマン(1870~1956)の薫陶を受けた。ウィーン工芸学校は他の西欧の造形芸術アカデミーと異なり、1867年の開校時から女性にも門戸を開いていた。ここで5年間基礎を固め、1917年に卒業したリチは、ホフマンの強い奨めでウィーン工房の一員となった。

 ウィーン工房Wiener Werkstätteは、Wが二つ重なるロゴで有名だった。1903年、ホフマンがデザイナーのコロマン・モーザー(1868~1918)らと創設。グラフィック、食器、テキスタイル、ファッション、家具、壁面装飾と多様な製品を制作・販売し、1932年まで継続。手仕事を尊重する英国のアーツ・アンド・クラフツ運動に刺激を受けつつ、目指したのは新しい美学に基づく生活全般にわたる統合的なデザインだった。

 ウィーン工房はウィーン分離派から分かれて成立。ウィーン分離派とは、1897年、グスタフ・クリムト(1862~1918)を中心に、ホフマン、モーザーらが参加して結成された芸術家集団。美術アカデミーや伝統主義からの決別を図った。注目したいのは1900年に開催した第6回展での日本美術特集だ。伝統主義から分離する起爆剤として日本美術を位置づけ、ウィーンのジャポニスムに拍車をかけた。ホフマンらも日本美術を参照し、教育のなかでも反物に図柄を染め付けるための日本の染型紙なども使用。本展で染型紙とウィーン工房のデザインとが並置され、興味深い。ホフマンの器やモーザーの椅子も展示されている。そのデザインの特徴は直線や幾何学パターンの多用と禁欲的な色彩で、工房前期の特徴ともなったが、工房後期の主流は色鮮やかでデフォルメされたデザインに変化した。

上は、作者不詳《型紙:松葉》19世紀。下は、マリア・リカルツ=シュトラウス《ウィーン工房テキスタイル:剣の緒》1923年。共にMAK―オーストリア応用芸術博物館
上は、作者不詳《型紙:松葉》19世紀。下は、マリア・リカルツ=シュトラウス《ウィーン工房テキスタイル:剣の緒》1923年。共にMAK―オーストリア応用芸術博物館

 上野リチは良き指導者のもとで研鑽を積み、影響を受けつつジャポニスムも受容し、しかし着実に独自のデザイン世界を切り拓いた。本展でホフマンと共同制作したリキュールグラスも見られる。リチがデザインした底面の花柄も美しい。リチのテキスタイル・デザインは100種超が製品化。店舗の天井装飾画も担当。1925年にはパリでの現代産業装飾芸術国際博覧会(通称アール・デコ博)で銅賞を受賞した。彼女はホフマンが設立した建築事務所に在籍していた日本人建築家・上野伊三郎(1892~1972)と出会い、1925年に結婚。1926 年に京都に移住したが、その後もウィーン工房の幅広い仕事を1930年まで継続した。

 リチのデザインは朗らかで端正だ。溌溂とした花たち。あちこちに登場する鳥たちの愛嬌もたまらない。細い描線も明るい色彩も皆一緒になってこちらの心を軽やかにする。

上野リチ・リックス(装飾)/ヨーゼフ・ホフマン(形)《リキュールグラス》1929年[1917年(形)/1929年(装飾)]、京都国立近代美術館
上野リチ・リックス(装飾)/ヨーゼフ・ホフマン(形)《リキュールグラス》1929年[1917年(形)/1929年(装飾)]、京都国立近代美術館
上野リチ・リックス《ウィーン工房テキスタイル・デザイン:6月の花》1923年、クーパー・ヒューイット スミソニアン・デザイン・ミュージアム、スミソニアン協会
上野リチ・リックス《ウィーン工房テキスタイル・デザイン:6月の花》1923年、クーパー・ヒューイット スミソニアン・デザイン・ミュージアム、スミソニアン協会
上野リチ・リックス《ウィーン工房壁紙:夏の平原》1928年、京都国立近代美術館
上野リチ・リックス《ウィーン工房壁紙:夏の平原》1928年、京都国立近代美術館

京都でデザイナー、教育者として活躍

 リチは京都で夫と共に上野建築事務所を開設し、「スターバー」など伊三郎設計の建築物の室内装飾を手掛けた。《花鳥図屛風》(1935年頃)では、日本独特の形式や素材との取り組みに新境地が見られる。

上野リチ・リックス《花鳥図屛風》1935年頃、京都国立近代美術館
上野リチ・リックス《花鳥図屛風》1935年頃、京都国立近代美術館

 ドイツの建築家ブルーノ・タウト(1880~1938)の日本招聘に関わった伊三郎が、群馬県工芸所所長に赴任し、リチも1936年より3年間高崎で竹製品のデザインなどに携わった。同時期、リチは京都市染織試験場でも働きはじめ、新しいデザインを求める試験場のためにプリント服地などを、戦時下から戦後まで多数創り出した。晩年の1951年からは、夫と共に京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)で教鞭をとり、後進の指導に当たった。

左から、上野リチ・リックス《七宝宝飾:馬のサーカスⅠ》《七宝宝飾:馬のサーカスⅡ》、共に1950年頃[再制作1987年] 、京都国立近代美術館
左から、上野リチ・リックス《七宝宝飾:馬のサーカスⅠ》《七宝宝飾:馬のサーカスⅡ》、共に1950年頃[再制作1987年] 、京都国立近代美術館
上野リチ・リックス《プリント服地[野菜]》1955年頃[再制作1987年]、京都国立近代美術館
上野リチ・リックス《プリント服地[野菜]》1955年頃[再制作1987年]、京都国立近代美術館

 晩年の1960年頃、リチに大仕事が舞い込んだ。建築家の村野藤吾(1981~84)から村野設計の日生劇場地下の旧レストラン「アクトレス」の壁画デザインを依頼された。リチは天井から壁まで境目のない装飾画を考案して下図を描き、学生4名との共同制作を行った。本展最後にその一部が展示されている。もとは銀地だったという。華やかで軽快。生を謳歌するようだ。このような装飾がレストラン全体を覆っていたのだ。

上野リチ・リックス《日生劇場旧レストラン「アクトレス」壁画(部分)》1963年、京都市立芸術大学芸術資料館
上野リチ・リックス《日生劇場旧レストラン「アクトレス」壁画(部分)》1963年、京都市立芸術大学芸術資料館
[上野リチ・リックス]《ガラスコップ[花][花と実][果実]》1987年、京都国立近代美術館。上野リチの没後に、リチのデザインにインスピレーションを得て作成されたもの。
[上野リチ・リックス]《ガラスコップ[花][花と実][果実]》1987年、京都国立近代美術館。上野リチの没後に、リチのデザインにインスピレーションを得て作成されたもの。

 リチのデザインは生涯ぶれない。一貫する理念を感じる。「リッチのデザインに対する考え方は「独創」でなければならない」「その形は自然に基づき、しかも豊かなファンタジーによっている」との伊三郎の文章★に合点がいった。「ファンタジー」はリチがよく使った言葉で、独創の意味という。彼女は自ら考えることを徹底した人だった。
 いま、本展で上野リチに、Felice Rixに出会えたことを幸運に思う。

★上野伊三郎:『カラーデザイン』10巻5号、日本繊維意匠センター、1964年5月、12-14頁(本展カタログ、29頁)

【参考文献】
1)池田祐子、阿佐美淑子、宮川智美 編集:『上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー』(展覧会カタログ)、朝日新聞社、2021-2022年
2)千足伸行:『もっと知りたい 世紀末ウィーンの美術-クリムト、シーレらが活躍した黄金と退廃の帝都-』東京美術、2009年

執筆・撮影:細川いづみ (HOSOKAWA Fonte Idumi) 
(2022年3月)

※会場内の風景画像は主催者側の許可を得て撮影したものです。
※本文・図版とも無断引用・無断転載を禁じます。

上野リチ ウィーンからきたデザイン・ファンタジー
FELICE “LIZZI” RIX-UENO:DESIGN FANTASY ORIGINATING IN VIENNA

【会期・会場】
2022年2月18日(金)~5月15日(日) 三菱一号館美術館(東京・千代田区)
※会期中、展示替えがあります。
展覧会公式サイト:https://mimt.jp/lizzi/