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ミッション∞インフィニティ|宇宙+量子+芸術

開催中〜2026/05/06

東京都現代美術館

東京都・江東区

飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき

開催中〜2026/05/06

水戸芸術館 現代美術ギャラリー

茨城県・水戸市

特集展示「富士山 花と雲と湖と」

開催中〜2026/05/10

半蔵門ミュージアム

東京都・千代田区

春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪

開催中〜2026/05/10

府中市美術館

東京都・府中市

生誕100周年記念 安野光雅展

開催中〜2026/05/10

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

【特別展】 花・flower・華 2026 -横山大観の桜・川端龍子の牡丹・速水御舟の梅-

開催中〜2026/05/10

山種美術館

東京都・渋谷区

コレクションの舞台裏 ―光をあてる、掘りおこす。収蔵品をめぐる7つの試み

開催中〜2026/05/10

埼玉県立近代美術館

埼玉県・さいたま市

テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート

開催中〜2026/05/11

国立新美術館

東京都・港区

画布(キャンバス)に描くまなざし -ホキ美術館風景画展-

開催中〜2026/05/13

ホキ美術館

千葉県・千葉市

生誕100年記念「Re:辻邦生-いま、ふたたび作家に出会う」

開催中〜2026/05/16

霞会館記念学習院ミュージアム

東京都・豊島区

トワイライト、新版画―小林清親から川瀬巴水まで

開催中〜2026/05/24

三菱一号館美術館

東京都・千代田区

モネ没後100年 クロード・モネ— 風景への問いかけ

開催中〜2026/05/24

アーティゾン美術館

東京都・中央区

開館10周年記念「ひらけ、絵手本!『北斎漫画』エトセトラ

開催中〜2026/05/24

すみだ北斎美術館

東京都・墨田区

SPRING わきあがる鼓動

開催中〜2026/05/31

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

企画展「笑い滴る 春と夏の日本画名品選」

開催中〜2026/05/31

松岡美術館

東京都・港区

SORAYAMA 光・透明・反射 ーTOKYOー

開催中〜2026/05/31

CREATIVE MUSEUM TOKYO(東京・京橋)

東京都・中央区

KAGAYA 天空の歌

開催中〜2026/05/31

そごう美術館

神奈川県・横浜市

W.ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代

開催中〜2026/06/07

東京都写真美術館

東京都・目黒区

生誕100年 昭和を生きた画家 牧野邦夫 —その魂の召喚—

開催中〜2026/06/07

茅ヶ崎市美術館

神奈川県・茅ヶ崎市

北斎館50周年記念特別展 「北斎VS 福田美蘭 小布施へのメッセージ」

開催中〜2026/06/07

北斎館

長野県・小布施町

熊本城―守り継がれた名城400年の軌跡―

開催中〜2026/06/07

永青文庫

東京都・文京区

名作展「絢爛と健剛ー川端龍子の作品における装飾性ー」併催:町立湯河原美術館収蔵 平松礼二作品展

開催中〜2026/06/07

大田区立龍子記念館

東京都・大田区

超危険生物展 科学で挑む生き物の本気

開催中〜2026/06/14

国立科学博物館

東京都・台東区

ルネ・ラリック展 -ガレ、ドームから続く華麗なるフランスの装飾美術-

開催中〜2026/06/14

国立工芸館

石川県・金沢市

チュルリョーニス展 内なる星図

開催中〜2026/06/14

国立西洋美術館

東京都・台東区

北斎 冨嶽三十六景 井内コレクションより

開催中〜2026/06/14

新見美術館コレクション 近現代日本画の精華

開催中〜2026/06/14

八王子市夢美術館

東京都・八王子市

「王朝のみやびー古筆、琳派、茶の湯の情景」 「守屋多々志の華麗な歴史画ーよみがえる王朝と文明開化の夢」

開催中〜2026/06/14

荏原 畠山美術館

東京都・港区

開館50周年記念「ウジェーヌ・ブーダン展─瞬間の美学 、光の探求」

開催中〜2026/06/21

SOMPO美術館

東京都・新宿区

ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち

2026/04/19〜2026/06/21

宇都宮美術館

栃木県・宇都宮市

富山県水墨美術館コレクション 水墨画を楽しむ7つのとびら -富岡鉄斎、竹内栖鳳、横山大観から加山又造へ

2026/04/25〜2026/06/21

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

うたう仲條 おどる仲條-文字と画と、資生堂と

開催中〜2026/06/28

資生堂ギャラリー

東京都・中央区

田中信太郎――意味から遠く離れて

2026/04/25〜2026/06/28

世田谷美術館

東京都・世田谷区

動き出す妖怪展 TOKYO

開催中〜2026/06/28

寺田倉庫 G1ビル

東京都・品川区

没後110年 日本画の革命児 今村紫紅

2026/04/25〜2026/06/28

横浜美術館

神奈川県・横浜市

アーティストとひらく「鎌田友介展:ある想像力、ふたつの土地」

2026/04/25〜2026/06/28

横浜美術館

神奈川県・横浜市

熊谷守一美術館41周年展 守一と故郷。

開催中〜2026/06/28

豊島区立 熊谷守一美術館

東京都・豊島区

軽井沢安東美術館 生誕140周年 藤田嗣治展

開催中〜2026/07/05

軽井沢安東美術館

長野県・軽井沢町

クヴェレ美術館 開館記念展Ⅰ Meet 美の交差点 近代日本画と東洋陶磁

開催中〜2026/07/05

クヴェレ美術館

茨城県・水戸市

東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展

2026/04/28〜2026/07/05

東京都美術館

東京都・台東区

生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ

開催中〜2026/07/06

国立新美術館

東京都・港区

松本陽子 宵の明星を見た日

2026/05/23〜2026/07/12

府中市美術館

東京都・府中市

山田紗子 parallel tunes

2026/04/16〜2026/07/12

TOTOギャラリー・間

東京都・港区

川合玉堂 —なつかしい日本の情景—

2026/05/16〜2026/07/26

山種美術館

東京都・渋谷区

スープはいのち スープは包む、いのちを満たす、はじまりの衣食住

開催中〜2026/08/09

21_21 DESIGN SIGHT

東京都・港区

大ゴッホ展 夜のカフェテラス

2026/05/29〜2026/08/12

上野の森美術館

東京都・台東区

安藤正子:普通の日々

開催中〜2026/09/06

原美術館ARC

群馬県・渋川市

ルネ・ラリックにみる 日本とフランスの“かわいい”文化交流

開催中〜2026/12/06

箱根ラリック美術館

神奈川県・箱根町

世田谷文学館コレクション展「没後30年 宇野千代展」

2026/04/18〜2027/03/28

世田谷文学館

東京都・世田谷区

Exhibitions

すみだ北斎美術館が、
妹島和世の設計により北斎誕生の地に開館。
開館記念展は、
「北斎の帰還―幻の絵巻と名品コレクション」。

  ■北斎が生まれた場所に建つ銀色の美術館
  2016年11月22日、東京都墨田区亀沢に「すみだ北斎美術館」がオープンした。江戸時代後期の浮世絵師・葛飾北斎(1760〈宝暦10〉~1849〈嘉永2〉年)の作品などを約1800点所蔵し、作品展示を中心に北斎の画業を広く紹介する美術館だ。最寄駅は地下鉄大江戸線両国駅かJR両国駅。江戸東京博物館を背にして北斎通りを歩くと、子供たちが遊ぶ緑町公園が見え、その一画に銀色に光る建物がある。これが、すみだ北斎美術館だ。鋭角のスリットが入った幾何学形態が軽快な印象。公園を挟んだ反対側には東京スカイツリーが空を突くように立つ。北斎は本所割下水(ほんじょわりげすい)(現在の北斎通り)で生まれたといわれる。この亀沢付近だ。そして90年近くの生涯の多くを現在の墨田区内でおくり、画の形式としては錦絵、摺物、版本、肉筆画など、また画題としては役者絵、美人画、風景画、花鳥画など、実に多彩な作品を創り出した。北斎と所縁の深いこの地に北斎を顕彰する美術館を建設しようとの計画が始まったのは1989年。その後、長い道のりを経て、このたびの開館となった。
  ■「街に開き、親しまれる美術館」。妹島建築のマジック。 
  この地は弘前藩津軽家の屋敷跡だった場所でもある。建築設計はコンペにより200以上の案から、妹島和世(せじまかずよ)(1956~)さんの案が選ばれた。妹島さんは金沢21世紀美術館(2004年竣工・開館)、ルーヴル・ランス(2011年竣工・開館)(以上はSANAA〈西沢立衛との建築ユニット〉による設計)などの優れた建築設計で知られ、2010年にプリツカー賞を受賞した世界的に活躍する建築家だ。
  すみだ北斎美術館の内部へは中央のスリットを歩いて入る。そこで驚いたのは、その明るさと開放感だ。ガラスから注ぐ光のなんという気持ちよさ。建物は、地上4階・地下1階の鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)。建築面積約700平方メートル、延床面積約3300平方メートル。高さ約21m。それほど大きい建物ではないが、あちこちに妹島さんの秀逸な建築手法を感じる。1階は、美術館への入り口(総合案内・ミュージアムショップ・エレベーター、トイレ)、講座室、図書室など4つのブロックからなるが、上階では続いた広い空間と変化する。3階と4階が展示スペース。また4階に展望ラウンジ、3階にホワイエもあり、くつろげる。曲線状の階段は心が踊る。2階は事務室や収蔵スペース。設計コンセプトは、「街に開き、地域住民の方々に親しまれる美術館」。美術館には四面からアプローチでき、まさに街に溶け込んでいるようだ。優れた美術館建築も楽しみたい。

  ■コレクションの三つの柱

  すみだ北斎美術館のコレクションは先述のように約1800点であり、三つの柱がある。第一は墨田区が収集した墨田区コレクション。第二は欧米を代表的する北斎作品の収集家であり、研究者でもあったピーター・モース(1935~93年)のコレクション。遺族より一括購入した約600点。また三番目は北斎研究者の楢﨑宗重(1904~2001年)より寄贈された楢崎コレクション。関係資料なども含むものだ。
  ■開館記念展(企画展):100年ぶりに海外から里帰りした絵巻を中心に
  開館記念の企画展は墨田区コレクションから構成され、全期間で約120点を出品。「北斎の帰還―幻の絵巻と名品コレクション―」(英語では、HOKUSAI RETURNS)との展覧会名には、行方知れずだった絵巻の100年ぶりの帰還と、散在していた北斎作品が生まれた場所に戻ってきたこと、その二つを重ねて祝う気持ちを込めたという。会期中、展示替がある。
  ●壮年期の傑作、≪隅田川両岸景色図巻≫を初公開 会場には7mを超す長さの絵巻が全て広げられ、壮観だ。北斎の肉筆作品中で最長の《墨田川両岸景色図巻》(葛飾北斎筆、1805〈文化2〉年、すみだ北斎美術館蔵)(※以下、作品の画家・所蔵館は同じ)が、「幻の絵巻」だ。1902年に所蔵者の美術貿易商・林忠正(1853~1906年)がフランスで競売した際の売立目録が残るが、2008年にイギリスのオークションに出品されるまで長らく所在不明だった。28.5×716cmの画面には、新吉原に向かって隅田川を遡る両岸の風景が丁寧に細かく描かれる。始まりでは、多くの人が行きかう両国橋の手前から粋な美人と旦那衆が船に乗り込む。荷を積んだ馬もいる。薄青色の隅田川を中心に、回向院、駒形堂、大川橋、浅草寺、三囲稲荷、木母寺、日本堤などが展開。川面に影が映り、西洋画法も取り入れている。そして新吉原の屋根が見えた地点で映画のクローズアップのように場面が転換し、人物を大きく描く遊興の様子となる。美人たちは涼やかな美しさ。巻末には、戯作者の烏亭焉馬(うていえんば)(1743~1822年)による名所を読み込んだ狂文が付く。北斎の署名からは、本作が焉馬の依頼により焉馬宅で描かれたことがわかる。
  ●北斎のイメージ/北斎の描いたすみだ/北斎の名作群 開館記念の企画展では絵巻の他には、北斎のイメージとして、自画像や後世の画家が描いた北斎の姿や資料を紹介し、北斎が描いた墨田の風景、そして幅広い珠玉の名作群を展示する。屋根に積もった雪の白さと、吉良邸にのりこむ志士たちの動勢が際立つ《仮名手本忠臣蔵十一段》(大判錦絵、1806〈文化3〉年)は、北斎の曽祖父が討ち死にした吉良方の小林平八郎と伝えられること、北斎が養子に入った中島伊勢家が吉良邸跡にあったことに関連しての出品だ(12月18日まで展示)。世界的に有名な《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》(大判錦絵、1831〈天保2〉年頃)(12月13日~25日展示)は大胆な構図、鮮やかな色彩ともに息をのむ。北斎70代の作品だ。一方、その30年前に反転した構図で制作した洋風版画《賀奈川沖本杢之図》(間判錦絵、1804~07〈文化初年〉頃)(12月18日まで展示)もイメージの継承という点でも興味深い。晩年に傾注した肉筆作品も忘れがたい魅力をもつ。《南瓜花群虫図》(絹本着色一幅、1843〈天保14〉年)は絶妙な配置。昆虫の羽搏きまでも感じられる。《朱描鍾馗図》(絹本着色一幅、1846〈弘化3〉年)は、丁寧な筆使いによる迫力ある疱瘡除けの鍾馗図だ。
  ■常設展:大絵馬を1枚の白黒写真から推定復元。北斎の仕事場の再現も
  常設展の入り口で見上げると、金箔背景の色鮮やかな《須佐之男命厄神退治之図》の推定復元図が目に入る。元は北斎が86歳のときに描いた大絵馬で、須佐之男命に敗れた病の厄神たちが証文を押している場面。力強い群像表現が見事だ。大絵馬は北斎作品の中で最大級の肉筆作品だったが、1923年の関東大震災で焼失。しかし美術研究誌「国華」に掲載されたモノクロ写真が1枚だけ残っていた。このたび、その写真から色彩を特定するという忍耐強い研究と作業を経て、貴重な推定復元が実現。そして常設展会場内に入ると暗い空間となり、床面に光が走る演出もされる。5か国語の作品解説がタッチパネルで見られ、開館記念展とは異なる雰囲気で北斎の作品を味わうことができる。北斎と娘の阿栄(葛飾応為)が絵を描く様子の再現も行われている。
  ■北斎の底知れぬ魅力 
  北斎の作品に接すると、底知れぬ魅力にとりつかれ、ますます北斎のことを知りたくなる。その果てしない想像力とエネルギーはどこからくるのだろう。北斎は画号も度々変え、画風も次々と変化させた。有名な絵師となっても常に新しい挑戦を続け、いい絵を描くための努力を惜しまなかった。1893(明治26)年に飯島虚心(1841~1901年)が著した『葛飾北斎伝』に、北斎が数え年90歳で亡くなる直前、娘の阿栄に語った言葉が次のように記されている。
  「・・・翁死に臨み、大息し『天我をして十年の命を長ふせしめば』といひ、暫くして更に謂て曰く、『天我をして五年の命を保たせば、真正の画工となるを得べし』と、言訖(おわ)りて死す。実に四月十一八日なり。歳九十。・・・」
  世界的な芸術を世に送り出した北斎であるが、あと10年、いや5年だけでも命があれば真の絵師になれたのに・・、と言い残して彼岸へ旅立った。
  すみだ北斎美術館では、子供たちへの教育普及にも力を入れたいという。様々な形で北斎を広く紹介しながら、成長し続ける美術館を目指す、新たな北斎芸術の拠点「すみだ北斎美術館」。是非お出かけください。

1) すみだ北斎美術館 編集:『開館記念展 北斎の帰還―幻の絵巻と名品コレクション―』(展覧会図録)、すみだ北斎美術館 発行、2016年。
2) 永田生慈 監修、財団法人墨田区文化振興財団 北斎担当 編集:『葛飾北斎―すみだが生んだ世界の画人―』、財団法人墨田区文化振興財団 北斎担当 発行、2006年。
3) 飯島虚心著、鈴木重三校注『葛飾北斎伝』、岩波書店(岩波文庫)、1999年。


執筆:細川 いづみ (HOSOKAWA Fonte Idumi) 

(2016年11月)

※会場風景の画像は主催者側の許可を得て撮影したものです。
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写真1 すみだ北斎美術館外観。
(撮影:I.HOSOKAWA)
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写真2 会場風景。葛飾北斎筆《墨田川両岸景色図巻》、
1805〈文化2〉年、すみだ北斎美術館蔵。
(撮影:I.HOSOKAWA)
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写真3 葛飾北斎筆《富嶽三十六景 神奈川沖浪裏》、
大判錦絵、1831〈天保2〉年頃、すみだ北斎美術館蔵。
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写真4 会場風景。葛飾北斎筆《賀奈川沖本杢之図》、
間判錦絵、1804~07〈文化初年〉頃、
すみだ北斎美術館蔵。(撮影:I.HOSOKAWA)
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写真5 会場風景。左から、葛飾北斎筆《朱描鍾馗図》、
絹本着色一幅、1846〈弘化3〉年。葛飾北斎筆《南瓜花群虫図》、
絹本着色一幅、1843〈天保14〉年。
共に、すみだ北斎美術館蔵。
(撮影:I.HOSOKAWA)
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写真6 会場風景。
葛飾北斎筆《須佐之男命厄神退治之図》の推定復元図、
2016年、すみだ北斎美術館蔵。
(撮影:I.HOSOKAWA)

【開館記念企画展の欧文名】
Opening Exhibition
Hokusai Returns
-A Long-Lost Picture Scroll and Masterpieces from the Collection
【会期・会場】
すみだ北斎美術館 (東京・墨田区)
2016年11月22日~2017年1月15日
[電話]03-5777-8600(ハローダイヤル) 
[詳細HP]http://hokusai-museum.jp/

※本文・図版とも無断引用・無断転載を禁じます。

2016年12月2日