詳細はミュージアムのオフィシャルサイトなどでご確認ください。

  • タイトル
  • 会期
  • ミュージアム
  • 所在地

ポンペイ

開催中〜2022/12/04

九州国立博物館

福岡県・太宰府市

特別展  将軍家の襖絵

開催中〜2022/12/04

根津美術館

東京都・港区

特別展 京(みやこ)に生きる文化 茶の湯

開催中〜2022/12/04

京都国立博物館

京都府・京都市

【特別展】没後80年記念 竹内栖鳳

開催中〜2022/12/04

山種美術館

東京都・渋谷区

ジャンルレス工芸展

開催中〜2022/12/04

国立工芸館

石川県・金沢市

辻 永 ふたつの顔を持つ画家 油彩と植物画

開催中〜2022/12/11

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

永青文庫漆芸コレクション かがやきの名品

開催中〜2022/12/11

永青文庫

東京都・文京区

加耶―古代東アジアを生きた、ある王国の歴史―

開催中〜2022/12/11

国立歴史民俗博物館

千葉県・佐倉市

雨引きの里と彫刻

開催中〜2022/12/11

茨城県・桜川市

花鳥風月 名画で見る日本の四季 琳派・浮世絵から御舟・一村まで

開催中〜2022/12/18

岡田美術館

神奈川・箱根町

生誕150年記念 板谷波山の陶芸

開催中〜2022/12/18

泉屋博古館東京

東京都・港区

川内倫子 M/E 球体の上 無限の連なり

開催中〜2022/12/18

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

闇と光—清親・安治・柳村

開催中〜2022/12/18

太田記念美術館

東京都・渋谷区

DESIGN MUSEUM JAPAN展 集めてつなごう 日本のデザイン

開催中〜2022/12/19

国立新美術館

東京都・港区

かこさとしの世界 だるまちゃんもからすのパンやさんも大集合!

開催中〜2022/12/25

群馬県立館林美術館

群馬県・館林市

光の芸術家 ゆるかわふうの世界 宇宙(そら)の記憶

開催中〜2022/12/25

そごう美術館

神奈川県・横浜市

川島理一郎 自然から得た生命の律動

開催中〜2022/12/25

足利市立美術館

栃木県・足利市

プラチスラバ世界絵本原画展 絵本でひらくアジアの扉 日本と韓国のいま

開催中〜2022/12/25

千葉市美術館

千葉県・千葉市

展覧会 岡本太郎 Okamoto Taro: A Retrospective

開催中〜2022/12/28

東京都美術館

東京都・台東区

上野アーティストプロジェクト2022「美をつむぐ源氏物語—めぐり逢ひける えには深しな—」

開催中〜2023/01/06

東京都美術館

東京都・台東区

特別展 すべて未知の世界へ―GUTAI 分化と統合

開催中〜2023/01/09

国立国際美術館

大阪府・大阪市

雲をつかむ:原美術館/原六郎コレクション 第2期(秋冬季)

開催中〜2023/01/09

原美術館ARC

群馬県・渋川市

ポーラ開館20周年記念展 ピカソ 青の時代を超えて

開催中〜2023/01/15

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

おいしいボタニカル・アート ー食を彩る植物のものがたり

開催中〜2023/01/15

SOMPO美術館

東京都・新宿区

ビーズ ―つなぐ かざる みせる  国立民族学博物館コレクション

開催中〜2023/01/15

渋谷区立松濤美術館

東京都・渋谷区

マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち

開催中〜2023/01/15

DIC川村記念美術館

千葉県・佐倉市

企画展示 junaida展「IMAGINARIUM」

開催中〜2023/01/15

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

雰囲気のかたち ―見えないもの、形のないもの、そしてここにあるもの

開催中〜2023/01/15

うらわ美術館

埼玉県・さいたま市

名作展「コンストラクション 龍子作品の構築性をめぐって」

開催中〜2023/01/15

大田区立龍子記念館

東京都・大田区

ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展

開催中〜2023/01/22

国立西洋美術館

東京都・台東区

ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

開催中〜2023/01/22

京都国立近代美術館

京都府・京都市

春日大社 若宮国宝展 ―祈りの王朝文化―

2022/12/10〜2023/01/22

奈良国立博物館

奈良県・奈良市

村上春樹 映画の旅

開催中〜2023/01/22

早稲田大学演劇博物館

東京都・新宿区

「祈り・藤原新也」

開催中〜2023/01/29

世田谷美術館

東京都・世田谷区

DOMANI・明日展2022-23 —文化庁新進芸術家海外研修制度の作家たち―

開催中〜2023/01/29

国立新美術館

東京都・港区

日中国交正常化50周年記念 兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~

開催中〜2023/02/05

上野の森美術館

東京都・台東区

平子雄一 × 練馬区立美術館 コレクション inheritance, metamorphosis, rebirth[遺産、変形、再生]

開催中〜2023/02/12

練馬区立美術館

東京都・練馬区

ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台

開催中〜2023/02/19

東京都現代美術館

東京都・江東区

日本の風景を描く ―歌川広重から田渕俊夫まで―

2022/12/10〜2023/02/26

山種美術館

東京都・渋谷区

諏訪敦「窩裏の火事」

2022/12/17〜2023/02/26

府中市美術館

東京都・府中市

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展IV 不変/普遍の造形 —住友コレクション中国青銅器名品選—

2023/01/14〜2023/02/26

泉屋博古館東京

東京都・港区

北斎かける百人一首

2022/12/15〜2023/02/26

すみだ北斎美術館

東京都・墨田区

ルネ・ラリックのDay & Night 昼の“輝き”、夜の“ときめき”

開催中〜2023/02/28

箱根ラリック美術館

神奈川県・箱根町

交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー

2022/12/17〜2023/03/05

東京都庭園美術館

東京都・港区

六本木クロッシング2022展:往来オーライ!

2022/12/01〜2023/03/26

森美術館

東京都・港区

速水御舟展

2023/02/21〜2023/03/26

特別展「動画クリエイター展」

開催中〜2023/04/02

日本科学未来館

東京都・江東区

佐伯祐三 自画像としての風景

2023/01/21〜2023/04/02

東京ステーションギャラリー

東京都・千代田区

飯川雄大 デコレータークラブ 同時に起きる、もしくは遅れて気づく

開催中〜2023/04/02

彫刻の森美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル

2023/02/25〜2023/04/09

三菱一号館美術館

東京都・千代田区

第59 回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館展示帰国展 ダムタイプ|2022: remap

2023/02/25〜2023/05/14

アーティゾン美術館

東京都・中央区

クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ

2022/12/21〜2023/05/28

東京都現代美術館

東京都・江東区

Exhibitions

「ヴァロットン―冷たい炎の画家」展

スイス生まれの不思議な画家ヴァロットン。
重層する視線とその現代性。

   ヴァロットンにあてられたのだろうか。会場の三菱一号館美術館を出て丸の内界隈を歩きながら、物語を創作したくなるような不思議な気分になる。彼は作品に複数の視線をしのばせ、観る者の想像力を強く刺激し、みがいてもくれるらしい。サスペンス映画、アイロニーに富んだ小説、そしてパロディの漫画を観たり読んだりしたような感じが残る。同時に印象深いのは、白と黒の木版画の極端なまでにシンプルな造形や、単純化され色面で構成された多色刷木版画のような油彩画にみられる、思い切りの良さのようなものだった。
   ■日本初の回顧展
   スイスに生れ、19世紀末から20世紀初頭の40年ほどの間、パリで活躍した画家フェリックス・ヴァロットン(1865~1925)。その国際巡回展がパリのグラン・パレとアムステルダムのゴッホ美術館を経て、現在、東京の三菱一号館美術館で開催中だ。三菱一号館美術館は、彼の希少でまとまった世界有数の版画コレクション187点を所蔵する。そのうちの版画約60点と、主に海外に所蔵される油彩画約60点の合計約120点余りの作品からなる、日本で初めてのヴァロットンの回顧展である。本展では多様なヴァロットンの作品の特徴を7つ取り上げ、7つの章で彼の知られざる世界を辿る。総監修者であるギ・コジュヴァル オルセー美術館・オランジュリー美術館総裁は記者会見で、「ヴァロットンは重要な画家。20世紀に向かって窓を開いた」と述べられた。以下、展覧会の一部をご紹介したい。
   ■ヴァロットンとは 
   1865年にスイス、ローザンヌの厳格なプロテスタントの家に生れたヴァロットンは16歳でパリに出てアカデミー・ジュリアンで学んだ後、肖像画家としてキャリアをスタート。初期に手がけた革新的な創作木版画は早くに高い評価を得た。ピエール・ボナール(1867~1947)やエドゥアール・ヴュイヤール(1868~1940)らのナビ派の活動に参加し、「外国人のナビ」と呼ばれる。ポスト印象派、フォヴィスム、キュヴィスムの画家たちとも交流しながら多くの油彩画を制作。写真にも親しみ、日本絵画や浮世絵を所蔵し、その表現も取り入れる。一方でアルブレヒト・デュラー(1471~1528)、二コラ・プッサン(1594~1665)、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル(1780~1867)らを尊敬し学ぶ。しかしながらその絵画世界はあくまでもヴァロットン独特のもの。特に新しい空間表現に挑み、20世紀に入るとさらなる探索を行う。単純で正確な線描、大胆なフレーミングや平坦な色面による構成、鮮やかな色彩、作品に葛藤や複雑な意図を込める点なども特徴である。小説、戯曲や美術評論・芸術評論も執筆。なお、結婚した翌年の1900年にフランスに帰化した。
   ■強烈な黒と白の世界:木版画
   ヴァロットンの木版画作品は、表現方法も内容も独創的で面白い。通常は多色刷を考えると思うが、彼は黒色の一色刷を選び、斬新な黒と白の世界を1891年秋から世に送り出す。すぐに高く評価され、10年ほど集中して発表した。ヴァロットンはヨーロッパの創作版画としての木版画を復活させたといわれる。≪街頭デモ≫(1893年)では警官が来て、慌てふためいて逃げる群衆を対角線の片側だけに描く。鋭い動きの表現のなかに、社会批評精神とユーモアが横溢。故郷スイスのモンブランなど描いた山岳風景の連作(1892年)では単純化された形態に白と黒が配され、うねるような線は生命力に溢れる。日本画の「すやり霞」のような雲と三日月が浮かぶ平坦な風景もある。展覧会を廻った後でこの山岳連作は、彼の多様な油彩画の特徴を予告していたように思った。また、室内でフルートやヴァイオリンを奏でる≪楽器≫連作(1896~97年)や、版画の最高傑作とされる≪アンティミテ≫連作(1897~98年)は殆どが黒色。平坦な画面の洗練された表現に驚嘆した。そこには音楽自体が、男女の微妙な物語が見事に描かれている。(以上、三菱一号館美術館所蔵)
   ■摑めない意図、単純な線描と鮮やかな色面:油彩画 
   ヴァロットンの油彩画は、肖像画、室内画、風景画、裸婦、静物画、神話画、聖書の物語の画、戦争画など多岐なジャンルが網羅され、実に多様だ。そして多くはその絵画の意図するところをなかなか摑ませてくれない。
≪ボール≫ 例えば、≪ボール≫(1899年、パリ、オルセー美術館)では、画面の対角線の片側を占める広場を少女が赤いボールを走って追いかけ、対向には深い緑が連なり、遠くに二人の人影が見える。可愛らしい情景のはずなのに、少女の影も森の影も異様。よく見ると少女の後ろにも黄色いボールのようなものがある。ボールを追いながら、追われてもいるのか。2枚の写真を組み合わせて描かれた奇妙な視点も、不安感を煽るという。
≪夕食、ランプの光≫ 観る者を戸惑わせるような作品も多い。≪夕食、ランプの光≫(1899年、パリ、オルセー美術館)は夕食をする家族の情景だが、手前に後ろ向きの巨大な人影が被さり、緊張感が漂う。ヴァロットンは1899年に3人の子を持つ未亡人で、裕福なベルネーム=ジュヌ画廊の娘ガブリエルと結婚したのだが、本作からは家庭内の難しい人間関係が浮かび上がる。
≪赤い絨毯に横たわる裸婦≫ また、≪赤い絨毯に横たわる裸婦≫(1909年、ジュネーヴ、プティ・パレ美術館)では、絨毯の鮮やかな赤と壁の緑が対比する間に、後ろ向きに横たわる裸婦が、顔だけこちらを向ける。真っ直ぐな視線の謎めいた強さに圧倒される。本作は滑らかな線描のなかに大きな色面を配した抽象画のようにもみえる。
≪竜を退治するペルセウス≫など 神話画や聖書の物語の画では、観る者を困惑させる度合いが型破りとなる。≪竜を退治するペルセウス≫(1910年、ジュネーヴ美術・歴史博物館)は若く美しい王女アンドロメダを救うために海の怪物と戦う英雄ペルセウスの有名なギリシャ神話の物語。しかし、本作ではペルセウスは大仰な身振りでワニと戦い、独特の髪型の中年女性アンドロメダはそれを軽蔑の眼差しで見つめる。ヴァロットンと妻がモデルというが、笑えないパロディだ。この作品の意図は何か。同画題の≪立ち上がるアンドロメダとペルセウス≫(1918年、スイス、個人蔵)では、画面を赤い崖、緑の湖、紺色の空に分け、それぞれに同系色で登場人物と怪物を軽快に配す。現代の漫画のようだ。
≪ロワール川岸の砂原≫など 一方、≪ロワール川岸の砂原≫(1923年、チューリッヒ美術館)、《白い砂浜、ヴァスイ》(1913年、スイス、個人蔵)などの風景画は、色彩の美しさ、造形の面白さと静謐さに豊かなものを有し、大いに魅かれた。≪残照≫(1911年、カンベール美術館)など、シュルレアリスムを思わせる作品もみられる。
   ■率直な心情を描く:戦争画
   ヴァロットンは1914年に第一次世界大戦が始まると、木版画と油彩で戦争を描くが、私はこれらの作品から、他の作品とは異なるものを感じた。これらには、彼の心情が率直に表現されているように思える。彼は版画集≪これが戦争だ!≫(1915~16年)によって、油彩画に専念するため中断していた木版画を再開した。この6点の漫画的な表現には強い戦争批判が込められている。また、従軍した前線で描いた、独仏が対峙した激戦地の≪ヴェルダン、下絵≫や、≪廃墟と化したユゥルの教会≫≪くっきりと浮かび上がるスーアンの教会≫(3作ともに1917年、パリ、オルセー美術館)などの油彩画では、美しさのなかに戦争の脅威が明確に表現されていて、忘れがたい。≪短刀で刺された男≫(1916年、ヴィンタートゥ―ル美術館)は壮絶である。
   本展覧会は、2014年が日本とスイス国交樹立150周年であることを記念しての開催である。ヴァロットンは長く忘却された画家であり、近年になって再評価が進む。しかし、作品の多くが故郷のスイスに所蔵され、スイスではよく知られ愛されている画家である。一方、日本との関係も深い。彼は日本絵画や浮世絵をよく学び、その表現を自作に取り入れている。また、小説『にんじん』(1894年作)の著者ジュール・ルナール(1864~1910)の友人であったことから、ヴァロットンは1902年に挿絵を寄稿。日本でも彼の挿絵がついた『にんじん』の翻訳書は親しまれてきた。さて、ヴァロットンがパリで活躍し始めた1894年(明治27)、東京・丸の内ではジョサイア・コンドル設計による三菱一号館が竣工した。その同じ場所に復元された三菱一号館美術館でのヴァロットン展である。その多様な世界を是非お楽しみください。

【参考文献】
1)杉山菜穂子・日本経済新聞社 編集『ヴァロットン―冷たい炎の画家』(図録)、三菱一号館美術館・日本経済新聞社 、2014年。
2)ジュウル・ルナアル(岸田国士 訳)『にんじん』(挿絵:ヴァロトン)、岩波書店(岩波文庫)、1950年。


執筆:HOSOKAWA Fonte Idumi 

(2014年8月)


【展覧会の欧文表記】FÈLIX VALLOTTON(1865-1925).
LE FEU SOUS LA GLACE
【会期・会場】2014年6月14日~9月23日 三菱一号館美術館
電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)
詳細:http://mimt.jp/vallotton/


※本文・図版とも無断引用を禁じます。

2014年8月17日