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名作展「みなさんが選ぶ!龍子記念館コレクション」(前期)

開催中〜2022/01/30

大田区立龍子記念館

東京・大田区

収蔵作品による 小林清親展【増補】-サプリメント-

開催中〜2022/01/30

練馬区立美術館

東京・練馬区

矢萩喜從郎 新しく世界に関与する方法 

開催中〜2022/01/30

神奈川県立近代美術館 葉山館

神奈川・葉山町

開館40周年記念 白井晟一 入門 第2部/Back to 1981 建物公開

開催中〜2022/01/30

渋谷区立松濤美術館

東京・渋谷区

江戸の恋

開催中〜2022/01/30

太田記念美術館

東京・渋谷区

深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」

開催中〜2022/01/31

上野の森美術館

東京・台東区

建築家・坂倉準三と高島屋の戦後復興ー「輝く都市」をめざしてー

開催中〜2022/02/13

高島屋史料館TOKYO

東京都・中央区

武蔵野3万年のレシピ

開催中〜2022/02/13

角川武蔵野ミュージアム

埼玉県・所沢市

[館蔵]茶道具取合せ展

開催中〜2022/02/13

五島美術館

東京・世田谷区

古代中国・オリエントの美術 リターンズ  ―国宝“細川ミラー”期間限定公開―

開催中〜2022/02/13

永青文庫

東京・文京区

文様のちから 技法に託す

開催中〜2022/02/13

根津美術館

東京・港区

絵画のゆくえ 2022

開催中〜2022/02/13

SOMPO美術館

東京・新宿区

マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 「イスラーム王朝とムスリムの世界」

開催中〜2022/02/20

東京国立博物館 東洋館12室・13室

東京都・台東区

クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]

開催中〜2022/02/23

東京都現代美術館

東京・江東区

ユージーン・スタジオ 新しい海  EUGENE STUDIO After the rainbow

開催中〜2022/02/23

東京都現代美術館

東京・江東区

The SAMURAI -サムライと美の世界-

開催中〜2022/02/27

岡田美術館

神奈川県・箱根町

オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド

開催中〜2022/02/27

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

東京都・新宿区

生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生

開催中〜2022/02/27

世田谷美術館

東京・世田谷区

特別展「平松礼二の世界—日本美の在り処を訪ねて—」

開催中〜2022/02/27

郷さくら美術館

東京・目黒区

北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―

開催中〜2022/02/27

すみだ北斎美術館

東京・墨田区

土田圭介 鉛筆画展 心の灯り

開催中〜2022/02/27

武蔵野市立吉祥寺美術館

東京・武蔵野市

信じるココロ ―信仰・迷信・噂話

2022/02/04〜2022/02/27

太田記念美術館

東京・渋谷区

描くひと 谷口ジロー展

開催中〜2022/02/27

世田谷文学館

東京都・世田谷区

ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵

開催中〜2022/03/06

千葉市美術館

千葉・千葉市

開館20周年記念 山本貞展 ~やすらぎの憧憬の中で~ 

開催中〜2022/03/13

サトエ記念21世紀美術館

埼玉県・加須市

特別展「川﨑家の系譜-東山魁夷と川﨑家の画家たち-」

開催中〜2022/03/13

市川市 東山魁夷記念館

千葉県・市川市

今がすべてだ!ー続・柿沼康二の挑戦状ー 

開催中〜2022/03/13

岡本太郎記念館

東京都・港区

ユネスコ無形文化遺産 特別展「体感! 日本の伝統芸能―歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界―」

開催中〜2022/03/13

東京国立博物館 表慶館

東京・台東区

近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜 上村松園・松篁・淳之 三代展

2022/02/11〜2022/03/13

東京富士美術館

東京・八王子市

FACE展2022

2022/02/19〜2022/03/13

SOMPO美術館

東京・新宿区

雛の世界

2022/02/11〜2022/03/13

遠山記念館

埼玉県・川島町

第9回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉

開催中〜2022/03/21

菊池寛実記念 智美術館 

東京・港区

未来へつなぐ陶芸 ―伝統工芸のチカラ展

開催中〜2022/03/21

パナソニック汐留美術館

東京・港区

出光佐三とそのコレクション ―美へのまなざし

開催中〜2022/03/21

出光美術館

東京・千代田区

山本大貴-Dignity of Realism-

開催中〜2022/03/21

千葉県立美術館

千葉・千葉市

デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展

2022/03/03〜2022/03/21

日本橋髙島屋 S.C. 本館8階ホール

東京都・中央区

生誕100年 松澤宥

2022/02/02〜2022/03/21

長野県立美術館

長野県・長野市

ミケル・バルセロ展

開催中〜2022/03/25

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

ボストン美術館所蔵「THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」

開催中〜2022/03/25

森アーツセンターギャラリー

東京・港区

楳図かずお大美術展

開催中〜2022/03/25

東京シティビュー スカイデッキ

東京・港区

ハリー・ポッターと魔法の歴史

開催中〜2022/03/27

東京ステーションギャラリー

東京・千代田区

企画展 季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~

開催中〜2022/03/27

大倉集古館

東京・港区

御大典記念 特別展 よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―

開催中〜2022/03/27

サントリー美術館

東京・港区

生誕110年 香月泰男展

2022/02/06〜2022/03/27

練馬区立美術館

東京・練馬区

木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり

2022/02/19〜2022/03/27

目黒区美術館

東京・目黒区

赤 ―色が語る浮世絵の歴史

2022/03/04〜2022/03/27

太田記念美術館

東京・渋谷区

フランソワ・ポンポン展

2022/02/03〜2022/03/29

佐倉市立美術館 

千葉・佐倉市

ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?

開催中〜2022/03/30

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

特別展「ポンペイ」

開催中〜2022/04/03

東京国立博物館 平成館

東京・台東区

奥谷博―無窮へ

2022/02/12〜2022/04/03

神奈川県立近代美術館 葉山館

神奈川・葉山町

「ぐりとぐら しあわせの本」展(年間展示)

開催中〜2022/04/10

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

浮世絵劇場 from Paris

開催中〜2022/04/10

角川武蔵野ミュージアム

埼玉県・所沢市

奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム

開催中〜2022/04/10

東京都庭園美術館

東京・港区

はじまりから、いま。1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡—古代美術、印象派、そして現代へ

開催中〜2022/04/10

アーティゾン美術館

東京・中央区

名作展「みなさんが選ぶ!龍子記念館コレクション」(後期)

2022/02/05〜2022/04/10

大田区立龍子記念館

東京・大田区

どうぶつかいぎ展

2022/02/05〜2022/04/10

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

【開館55周年記念特別展】上村松園・松篁―美人画と花鳥画の世界―

2022/02/05〜2022/04/17

山種美術館

東京・渋谷区

ミロ展―日本を夢みて

2022/02/11〜2022/04/17

Bunkamuraザ・ミュージアム

東京・渋谷区

建部凌岱展 その生涯、酔たるか醒たるか

2022/03/12〜2022/04/17

板橋区立美術館

東京・板橋区

再開記念展 松岡コレクションの真髄

開催中〜2022/04/17

松岡美術館

東京都・港区

Keith Haring: 360°

開催中〜2022/05/08

中村キース・ヘリング美術館

山梨・北杜市

特別展「空也上人と六波羅蜜寺」

2022/03/01〜2022/05/08

東京国立博物館 本館 特別5室

東京・台東区

春の江戸絵画まつり ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります――京の絵画と敦賀コレクション

2022/03/12〜2022/05/08

府中市美術館

東京・府中市

戦国最強の家老 ―細川家を支えた重臣松井家とその至宝―

2022/03/12〜2022/05/08

永青文庫

東京・文京区

没後50年 鏑木清方展

2022/03/18〜2022/05/08

東京国立近代美術館

東京・千代田区

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅰ 日本画トライアングル

2022/03/19〜2022/05/08

泉屋博古館東京

東京都・港区

写真発祥地の原風景 幕末明治のはこだて

2022/03/02〜2022/05/08

東京都写真美術館

東京都・目黒区

上野リチ: ウィーンからきたデザイン・ファンタジー

2022/02/18〜2022/05/15

三菱一号館美術館

東京・千代田区

丸山コレクション 西アジア遊牧民の染織 塩袋と伝統のギャッベ展

2022/02/26〜2022/05/15

たばこと塩の博物館

東京・墨田区

野田弘志新作展 神仙沼―保木将夫氏に捧ぐ― 

開催中〜2022/05/22

ホキ美術館

千葉県・千葉市

「永遠の瞬間」静物画展

開催中〜2022/05/22

ホキ美術館

千葉県・千葉市

北斎花らんまん

2022/03/15〜2022/05/22

すみだ北斎美術館

東京・墨田区

ダミアン・ハースト 桜

2022/03/02〜2022/05/23

国立新美術館

東京都・港区

デビュー50周年記念 くらもちふさこ展  ―デビュー作から「いつもポケットにショパン」「天然コケッコー」「花に染む」まで―

開催中〜2022/05/29

弥生美術館

東京・文京区

夢二がいざなう大正ロマン ―100年前の文化と女性を中心に―

開催中〜2022/05/29

竹久夢二美術館

東京・文京区

Chim↑Pom展:ハッピースプリング

2022/02/18〜2022/05/29

森美術館

東京都・港区

メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年

2022/02/09〜2022/05/30

国立新美術館

東京・港区

大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―

2022/04/16〜2022/06/12

サントリー美術館

東京都・港区

時代を映す絵画たち -コレクションにみる戦後美術の歩み-

2022/04/10〜2022/06/12

練馬区立美術館

東京都・練馬区

生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展

2022/03/19〜2022/06/19

東京都現代美術館

東京都・江東区

吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる

2022/03/19〜2022/06/19

東京都現代美術館

東京都・江東区

Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展

2022/03/19〜2022/06/19

東京都現代美術館

東京・江東区

出版120周年 ピーターラビット™展

2022/03/26〜2022/06/19

世田谷美術館

東京・世田谷区

篠田桃紅展(タイトル未定)

2022/04/16〜2022/06/22

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」

2022/05/03〜2022/06/26

東京国立博物館 平成館

東京・台東区

スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち

2022/04/22〜2022/07/03

東京都美術館

東京・台東区

牧歌礼讃 / 楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン × 藤田龍児

2022/04/16〜2022/07/10

東京ステーションギャラリー

東京・千代田区

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策

2022/04/29〜2022/07/10

アーティゾン美術館

東京・中央区

Transformation 越境から生まれるアート

2022/04/29〜2022/07/10

アーティゾン美術館

東京・中央区

コジコジ万博

2022/04/23〜2022/07/10

PLAY! MUSEUM

東京・立川市

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅱ 光陰礼讃 ―モネからはじまる住友洋画コレクション

2022/05/21〜2022/07/31

泉屋博古館東京

東京都・港区

宮城県美術館所蔵 絵本原画の世界 2022 展

2022/07/16〜2022/08/28

山梨県立美術館

山梨県・甲府市

カラーフィールド 色の海を泳ぐ

2022/03/19〜2022/09/04

DIC川村記念美術館

千葉・佐倉市

開館20周年記念展「モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」

2022/04/09〜2022/09/06

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで

2022/06/04〜2022/09/11

国立西洋美術館

東京都・台東区

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

2022/07/16〜2022/09/19

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

2022/06/29〜2022/09/26

国立新美術館

東京・港区

ボストン美術館展 芸術×力

2022/07/23〜2022/10/02

東京都美術館

東京・台東区

「クマのプーさん」展

2022/07/16〜2022/10/02

PLAY! MUSEUM

東京・立川市 

スイス プチ・パレ美術館展

2022/07/13〜2022/10/10

SOMPO美術館

東京・新宿区

生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎

2022/07/30〜2022/10/16

アーティゾン美術館

東京・中央区

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅲ 古美術逍遙 ―東洋へのまなざし

2022/09/10〜2022/10/23

泉屋博古館東京

東京都・港区

地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング

2022/06/29〜2022/11/06

森美術館

東京都・港区

国立新美術館開館15周年記念 李禹煥

2022/08/10〜2022/11/07

国立新美術館

東京都・港区

花鳥風月 名画で見る日本の四季 琳派・浮世絵から御舟・一村まで

2022/03/06〜2022/12/18

岡田美術館

神奈川・箱根町

生誕150年記念 板谷波山の陶芸

2022/11/03〜2022/12/18

泉屋博古館東京

東京都・港区

川内倫子展(タイトル未定)

2022/10/08〜2022/12/18

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

ベルクグリューン・コレクション展(仮称)

2022/10/08〜2023/01/22

国立西洋美術館

東京都・台東区

パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂

2022/11/05〜2023/02/05

アーティゾン美術館

東京・中央区

六本木クロッシング2022展(仮題)

2022/12/01〜2023/03/26

Exhibitions

特別展「桃山―天下人の100年」

華麗で豪壮。桃山美術の傑作がそろう。東京国立博物館 平成館にて11月29日まで。

 ■桃山美術とは何か。100年の視野でさぐる。
 作品の放つ絶大なエネルギーに圧倒され続けた。特別展「桃山―天下人の100年」でのことだ。戦国大名が天下統一に向けて戦い、織田信長(1534~82年)や豊臣秀吉(1537~98年)が天下人となった時代の桃山美術の展覧会である。

 時代区分は研究者により違いが生じることもある。本展での年代を確認しておこう。まず政治史での安土桃山時代は、1573年の室町幕府の滅亡、つまり将軍足利義昭が織田信長に降伏した年から、1603年の徳川家康(1542~1616年)による江戸幕府開府までの30年間を指す。なお安土とは信長の居城・安土城の地名であり、桃山とは秀吉晩年の居城・伏見城が廃城後、跡地の木幡山に桃の木が植えられ、江戸時代になって呼ばれた地名だ。そして安土桃山時代に大きく華開いた文化を桃山文化、その美術を桃山美術と称する。それにしても桃山とは言い得て妙である。桃の花が山一面爛漫と咲き誇るイメージがぴったりではないか。

 さて、桃山美術は安土桃山時代に華開いた。しかしその兆しは早くから現われ、大きく発展し、やがて文化の底に沈んでいく。本展では、桃山美術の最盛期の30年間を中心に据えながら、室町時代末の天文年間から江戸時代初期の寛永年間まで、つまり1543~1639年の約100年に視野を拡大する。そのなかで桃山美術の変容する姿を眺め、「桃山美術とは何か」をさぐっていく。中世から近世に至る美意識の変化を追うことになる。全会期で国宝・重要文化財を含む約230件が出品。多数の展示替えがある。

 ■展覧会構成/代表作を隣同士に並べて比較する
 本展は、以下の七つ章で構成されている。
 第一章 桃山の精髄―天下人の造形/第二章 変革期の100年-室町から江戸へ/第三章 桃山前夜―戦国の美/第四章 茶の湯の大成―利休から織部へ/第五章 桃山の成熟-豪壮から瀟洒へ/第六章 武将の装い-刀剣と甲冑/第七章 泰平の世へ―再編される権力の美

 展覧会場では、桃山美術の代表的作品を隣同士に並べて比較するという稀有な展示方法もとられ、うれしい驚きがある。絵画、工芸、茶陶、着物、刀剣や甲冑など多岐にわたるが、絵画のうち大画面の屛風と障壁画を、後期会期の展示を中心に紹介したい。

 ■狩野永徳の《唐獅子図屛風》と国宝《檜図屛風》
 桃山美術の代表的画人である狩野永徳(1543~90年)が描いた金碧画《唐獅子図屛風》(六曲一隻、紙本金地着色、安土桃山時代 16世紀、東京・宮内庁三の丸尚蔵館)(★11月3日~29日展示)の迫力は、破格である。まず大きいのだ。縦2m20cmを超える画面の大きさ。その巨大画面に体長2mほどの極大の二頭の唐獅子が、輝く金地を背景に勢いよく歩みを進める。背景には奥行きがない。ギョロリとした眼差し。エネルギーみなぎる重量のある体躯。動勢のすさまじさ。間近で接すると、表現しがたいほどの威圧感が襲う。永徳は唐獅子の体躯は太く大胆な筆で、たてがみや尾は円環状に細かく、また背景の崖や樹枝は粗い速筆で、巧みに描き分けている。本作は桃山絵画の頂点の一つであろう。主題も表現も戦国大名や天下人が望むものだったろう。毛利家に伝来したこの作品は、豊臣秀吉が備中高松の毛利攻めでの講和記念として贈った陣屋屛風との伝承があるが、資料は残っていない。秀吉の城郭御殿の障壁画という推測もなされている。
 
 狩野永徳が晩年に制作した国宝《檜図屛風》(四曲一双、紙本金地着色、安土桃山時代 天正18(1590)年、東京国立博物館)(★展示期間終了)も、一本の檜の巨樹という単独モチーフを力強く金地の大画面に描写する。生命力があふれ、枝ぶりはのたうち回る大蛇のようだ。本作は秀吉が創設した八条宮家の、障壁画を屛風に改装したものと考えられている。永徳は《檜図屛風》を制作した年に48歳で世を去った。

 狩野永徳は、室町幕府の御用絵師となった狩野派の四代目として狩野派を率い、戦乱の世も織田信長や豊臣秀吉に重用された。時代精神を汲み取った大画様式を確立し、信長が築いた安土城をはじめ、戦国大名や天下人の城郭御殿などの美術を多数手がけた。

 ■狩野元信、狩野永徳、狩野探幽の「水墨花鳥画」を比較する
 桃山絵画には金地に濃彩を施した金碧画と、室町時代以来の水墨画の二つの領域がある。11月3日からの会期後期で、室町時代から江戸初期までの水墨花鳥図の代表的な三作(※以下の三作)が並んで展示され、壮観だ。絵画表現の変容の様子がはっきり見てとれる。

 狩野元信が室町時代に描いた《四季花鳥図屛風》(六曲一双、紙本墨画淡彩、室町時代 16世紀)(★11月3日~29日展示)は、屛風両端に樹木を配し、中心に水辺を置くV字形の構図。奥行きのある背景。そこに鶴や雁たちが呼応しあう。幽玄で優雅である。狩野元信(1477~1559年)は、室町時代を代表する画人だ。室町幕府の御用絵師となった父・狩野正信(1434~1530年)の跡を継ぐ狩野派の二代目として、その後の狩野派の発展のための基礎を築いた。中国の画人の様式から「画法」を創り出し、狩野派を中国画に基礎を置く漢画に加えてやまと絵分野にも進出させ、また大仕事を引き受けられる集団作画体制を作り上げた。

 狩野永徳は狩野元信の孫にあたる。永徳の筆になる国宝《花鳥図襖》(四面、紙本墨画、室町時代 16世紀、京都・聚光院)(★11月3日~29日展示)は室町時代の制作だが、桃山美術を先駆けたものだ。元信の花鳥画の形式を踏まえつつ、大きく変容させている。モチーフに近接し拡大して描写する。大地をわしづかみするような根元から、力強く伸びる梅の巨木を中央に配し、梅の枝は画面を突き抜けるように縦横に広がる。力動感がほとばしる。鳥たちの存在感も強い。奥行きが浅い。画面全体に光があふれる。本作は聚光院の室中襖だ。聚光院は京都を実効支配した三好長慶の菩提寺・大徳寺の塔頭である

 京で活躍した狩野派の中枢は、江戸幕府の御用絵師として、江戸に本拠を移し、その地位を長く保った。永徳の孫である狩野探幽(1602~74年)は江戸時代初期に新しい探幽様式を確立し、江戸での狩野派集団である江戸狩野を率いた。探幽が描いた重要文化財《雪中梅竹遊禽図襖》(四面、紙本墨画、江戸時代 寛永11(1634)年、愛知・名古屋城総合事務所)(★11月3日~29日展示)はその代表作である。雪の積もった梅の巨木を中央に配し、尾長鳥が舞う。モチーフの近接拡大は祖父譲りだが、画風の違いは衝撃的である。探幽は淡泊瀟洒な画風を創出した。大きな余白に詩情と余韻を漂わせる。本作は名古屋城本丸御殿上洛殿の障壁画。名古屋城は徳川三代将軍家光(1604~51年)の上洛時の宿舎として建設された。

 ■長谷川等伯の国宝《楓図壁貼付》と国宝《松林図屛風》
 狩野永徳とともに桃山美術を代表する画人が長谷川等伯(1539~1610年)である。11月3日からの会期後期では、会場で永徳の描いた《唐獅子図屛風》と、等伯の金碧画と水墨画の代表作が並べて展示され、その対比が興味深い。

 長谷川等伯が描いた国宝《楓図壁貼付》(四面、紙本金地着色、安土桃山時代 文禄元(1592)年頃、京都・智積院)は金碧障壁画だ。中央に楓の大樹を配し、画面を突き破るような形を成し、永徳が確立した大画様式をとるが、しかし永徳の《唐獅子図屛風》とは絵の質が異なる。威圧感がない。金地も永徳の跳ね返すような硬質的なものではない。永徳が華麗で豪壮で動的とすると、等伯の本作は華麗さに和らぎが重なる。また紅葉する楓の葉は文様のように平板に描かれているのに、自然に見える。この作品は豊臣秀吉が早世した息子・鶴松の菩提寺として創建した祥雲寺客殿の障壁画として描かれた。極楽浄土の世界なのだろうか。

 長谷川等伯による国宝《松林図屛風》(六曲一双、紙本墨画、安土桃山時代 16世紀、東京国立博物館)(★10月20日~11月29日展示)は、日本の水墨画の最高傑作とされる。墨で松林だけを描くが、画面には湿潤な空気も奥行きも出現する。眺めているうちに絵に吸い込まれるような気分になる。等伯が中国南宋末元初の画家・牧谿(もっけい)(13世紀)の作品に学び、やまと絵の伝統を融合させて到達した作品とされる。寺院の障壁画の下絵だとの説が有力だが、謎を多く秘めているそうだ。

 長谷川等伯は能登七尾の出身。地元で仏画などを制作した後、上洛。牧谿らの水墨画を摂取し、永徳の新様式も習得し、独自の画風を確立。豊臣秀吉や茶人・千利休(1522~91年)に重用された。

 ■「洛中洛外図屛風」の変遷 
 会期の全期を通して、いくつもの「洛中洛外図屛風」が出品され、その変遷が辿れる。洛中とは、平安京が中国の洛陽にならって造られた京の市中を、洛外とは京の郊外を指す。「洛中洛外図屛風」は、金雲のあいまに京のみやこの名所や行事を民衆の姿とともに描いた都市景観図であり、人々の生活が活写するという点で風俗画でもある。

 室町時代に描かれたものは、内裏と将軍邸を対峙させ、中央に町の様子を描写する。狩野永徳が23歳の年に描いた国宝《洛中洛外図屛風(上杉家本)》(六曲一双、紙本金地着色、室町時代 永禄8(1565)年、山形・米沢市上杉博物館)(★展示期間終了)は、室町時代の特徴を踏襲しながらも、2500人近くの人々を実に表情豊かに生き生きと描いた点が特徴だ。子供や犬たちも楽しそうだ。永徳の愛情のこもった眼差しが感じられる。本作は織田信長が入手し、上杉謙信に贈ったと伝わる。また、江戸時代に入って制作された「洛中洛外図屛風」は、徳川幕府の京での拠点である二条城が大きく描かれるように変化する。一方、岩佐又兵衛(1578~1650年)が筆を振るった国宝《洛中洛外図屛風(舟木家本)》(六曲一双、紙本金地着色、江戸時代 17世紀、東京国立博物館)(★10月27日~11月29日展示)では、歌舞伎や遊里に遊ぶ庶民の描写に又兵衛の目的があることがわかる。

 ■海北友松、狩野山楽、狩野山雪の作品
 狩野永徳が活躍した後、海北友松(かいほうゆうしょう)(1596~1615年)は、重要文化財《琴棋書画図屛風》(六曲一双、紙本着色、安土桃山~江戸時代 17世紀、東京国立博物館)(★11月3日~29日展示)などにおおらかで自在な筆致を見せる。永徳の弟子で、京に残った狩野派を率いた狩野山楽(1559~1635年)による京都・大覚寺の重要文化財《紅梅図襖》《牡丹図襖》(ともに、八面、紙本金地着色。江戸時代 17世紀、京都・大覚寺)はあでやかだ。山楽は二条城二の丸御殿障壁画で壮大な画風を見せる。また、山楽の弟子の狩野山雪(1590~1651年)の描いた重要文化財《籬(まがき)に草花図襖》 (四面、紙本金地着色、江戸時代 寛永8(1631)年、京都・天球院)は幾何学的でありながら繊細。その新奇性に魅了され、しばし見入った。

 本展は、いくつもの展覧会が重層するような豪華な展覧会である。多様な作品がどのように生み出されたのか。想像しながら楽しみたい。


【参考文献】
1)東京国立博物館・読売新聞社 編集:『特別展 桃山展―天下人の100年』(展覧会図録)、
読売新聞社 発行、2020年。

執筆:細川いづみ (HOSOKAWA Fonte Idumi) 
(2020年11月)


※会場内の風景画像は主催者側の許可を得て撮影したものです。


写真1 狩野永徳筆《唐獅子図屛風》、
六曲一隻、紙本金地着色、安土桃山時代 16世紀、東京・宮内庁三の丸尚蔵館。
(★11月3日~29日展示)

写真2 狩野永徳筆 国宝《檜図屛風》、
四曲一双、紙本金地着色、安土桃山時代 天正18(1590)年、東京国立博物館。
(★展示期間終了)

写真3 長谷川等伯筆 国宝《楓図壁貼付》、
四面、紙本金地着色、安土桃山時代 文禄元(1592)年頃、京都・智積院。
(★通期展示)

写真4 会場風景。狩野山楽筆 重要文化財《牡丹図襖》、
八面、紙本金地着色。江戸時代 17世紀、京都・大覚寺)
(★通期展示)
(撮影:I.HOSOKAWA)

写真5 会場風景。狩野山雪筆 重要文化財《籬に草花図襖》、
四面、紙本金地着色、江戸時代 寛永8(1631)年、京都・天球院。
(★通期展示)
(撮影:I.HOSOKAWA)
 

【展覧会名】
特別展「桃山―天下人の100年」

Momoyama: Artistic Visions in a Turbulent Century
【会期・会場】
2020年10月6日(火)~11月29日(日)  東京国立博物館 平成館
★注意:本展は事前予約制です。オンラインでの日時指定券の予約が必要です。
チケットは売り切れる可能性があるため、詳細は展覧会公式サイトをご確認ください。
【展覧会公式サイト】
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/momoyama2020/
<電話> 03-5777-8600(ハローダイヤル)

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