詳細はミュージアムのオフィシャルサイトなどでご確認ください。

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名作展「みなさんが選ぶ!龍子記念館コレクション」(前期)

開催中〜2022/01/30

大田区立龍子記念館

東京・大田区

収蔵作品による 小林清親展【増補】-サプリメント-

開催中〜2022/01/30

練馬区立美術館

東京・練馬区

矢萩喜從郎 新しく世界に関与する方法 

開催中〜2022/01/30

神奈川県立近代美術館 葉山館

神奈川・葉山町

開館40周年記念 白井晟一 入門 第2部/Back to 1981 建物公開

開催中〜2022/01/30

渋谷区立松濤美術館

東京・渋谷区

江戸の恋

開催中〜2022/01/30

太田記念美術館

東京・渋谷区

深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」

開催中〜2022/01/31

上野の森美術館

東京・台東区

建築家・坂倉準三と高島屋の戦後復興ー「輝く都市」をめざしてー

開催中〜2022/02/13

高島屋史料館TOKYO

東京都・中央区

武蔵野3万年のレシピ

開催中〜2022/02/13

角川武蔵野ミュージアム

埼玉県・所沢市

[館蔵]茶道具取合せ展

開催中〜2022/02/13

五島美術館

東京・世田谷区

古代中国・オリエントの美術 リターンズ  ―国宝“細川ミラー”期間限定公開―

開催中〜2022/02/13

永青文庫

東京・文京区

文様のちから 技法に託す

開催中〜2022/02/13

根津美術館

東京・港区

絵画のゆくえ 2022

開催中〜2022/02/13

SOMPO美術館

東京・新宿区

マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 「イスラーム王朝とムスリムの世界」

開催中〜2022/02/20

東京国立博物館 東洋館12室・13室

東京都・台東区

クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]

開催中〜2022/02/23

東京都現代美術館

東京・江東区

ユージーン・スタジオ 新しい海  EUGENE STUDIO After the rainbow

開催中〜2022/02/23

東京都現代美術館

東京・江東区

The SAMURAI -サムライと美の世界-

開催中〜2022/02/27

岡田美術館

神奈川県・箱根町

オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド

開催中〜2022/02/27

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

東京都・新宿区

生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生

開催中〜2022/02/27

世田谷美術館

東京・世田谷区

特別展「平松礼二の世界—日本美の在り処を訪ねて—」

開催中〜2022/02/27

郷さくら美術館

東京・目黒区

北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―

開催中〜2022/02/27

すみだ北斎美術館

東京・墨田区

土田圭介 鉛筆画展 心の灯り

開催中〜2022/02/27

武蔵野市立吉祥寺美術館

東京・武蔵野市

信じるココロ ―信仰・迷信・噂話

2022/02/04〜2022/02/27

太田記念美術館

東京・渋谷区

描くひと 谷口ジロー展

開催中〜2022/02/27

世田谷文学館

東京都・世田谷区

ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵

開催中〜2022/03/06

千葉市美術館

千葉・千葉市

開館20周年記念 山本貞展 ~やすらぎの憧憬の中で~ 

開催中〜2022/03/13

サトエ記念21世紀美術館

埼玉県・加須市

特別展「川﨑家の系譜-東山魁夷と川﨑家の画家たち-」

開催中〜2022/03/13

市川市 東山魁夷記念館

千葉県・市川市

今がすべてだ!ー続・柿沼康二の挑戦状ー 

開催中〜2022/03/13

岡本太郎記念館

東京都・港区

ユネスコ無形文化遺産 特別展「体感! 日本の伝統芸能―歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界―」

開催中〜2022/03/13

東京国立博物館 表慶館

東京・台東区

近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜 上村松園・松篁・淳之 三代展

2022/02/11〜2022/03/13

東京富士美術館

東京・八王子市

FACE展2022

2022/02/19〜2022/03/13

SOMPO美術館

東京・新宿区

雛の世界

2022/02/11〜2022/03/13

遠山記念館

埼玉県・川島町

第9回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉

開催中〜2022/03/21

菊池寛実記念 智美術館 

東京・港区

未来へつなぐ陶芸 ―伝統工芸のチカラ展

開催中〜2022/03/21

パナソニック汐留美術館

東京・港区

出光佐三とそのコレクション ―美へのまなざし

開催中〜2022/03/21

出光美術館

東京・千代田区

山本大貴-Dignity of Realism-

開催中〜2022/03/21

千葉県立美術館

千葉・千葉市

デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展

2022/03/03〜2022/03/21

日本橋髙島屋 S.C. 本館8階ホール

東京都・中央区

生誕100年 松澤宥

2022/02/02〜2022/03/21

長野県立美術館

長野県・長野市

ミケル・バルセロ展

開催中〜2022/03/25

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

ボストン美術館所蔵「THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」

開催中〜2022/03/25

森アーツセンターギャラリー

東京・港区

楳図かずお大美術展

開催中〜2022/03/25

東京シティビュー スカイデッキ

東京・港区

ハリー・ポッターと魔法の歴史

開催中〜2022/03/27

東京ステーションギャラリー

東京・千代田区

企画展 季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~

開催中〜2022/03/27

大倉集古館

東京・港区

御大典記念 特別展 よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―

開催中〜2022/03/27

サントリー美術館

東京・港区

生誕110年 香月泰男展

2022/02/06〜2022/03/27

練馬区立美術館

東京・練馬区

木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり

2022/02/19〜2022/03/27

目黒区美術館

東京・目黒区

赤 ―色が語る浮世絵の歴史

2022/03/04〜2022/03/27

太田記念美術館

東京・渋谷区

フランソワ・ポンポン展

2022/02/03〜2022/03/29

佐倉市立美術館 

千葉・佐倉市

ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?

開催中〜2022/03/30

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

特別展「ポンペイ」

開催中〜2022/04/03

東京国立博物館 平成館

東京・台東区

奥谷博―無窮へ

2022/02/12〜2022/04/03

神奈川県立近代美術館 葉山館

神奈川・葉山町

「ぐりとぐら しあわせの本」展(年間展示)

開催中〜2022/04/10

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

浮世絵劇場 from Paris

開催中〜2022/04/10

角川武蔵野ミュージアム

埼玉県・所沢市

奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム

開催中〜2022/04/10

東京都庭園美術館

東京・港区

はじまりから、いま。1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡—古代美術、印象派、そして現代へ

開催中〜2022/04/10

アーティゾン美術館

東京・中央区

名作展「みなさんが選ぶ!龍子記念館コレクション」(後期)

2022/02/05〜2022/04/10

大田区立龍子記念館

東京・大田区

どうぶつかいぎ展

2022/02/05〜2022/04/10

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

【開館55周年記念特別展】上村松園・松篁―美人画と花鳥画の世界―

2022/02/05〜2022/04/17

山種美術館

東京・渋谷区

ミロ展―日本を夢みて

2022/02/11〜2022/04/17

Bunkamuraザ・ミュージアム

東京・渋谷区

建部凌岱展 その生涯、酔たるか醒たるか

2022/03/12〜2022/04/17

板橋区立美術館

東京・板橋区

再開記念展 松岡コレクションの真髄

開催中〜2022/04/17

松岡美術館

東京都・港区

Keith Haring: 360°

開催中〜2022/05/08

中村キース・ヘリング美術館

山梨・北杜市

特別展「空也上人と六波羅蜜寺」

2022/03/01〜2022/05/08

東京国立博物館 本館 特別5室

東京・台東区

春の江戸絵画まつり ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります――京の絵画と敦賀コレクション

2022/03/12〜2022/05/08

府中市美術館

東京・府中市

戦国最強の家老 ―細川家を支えた重臣松井家とその至宝―

2022/03/12〜2022/05/08

永青文庫

東京・文京区

没後50年 鏑木清方展

2022/03/18〜2022/05/08

東京国立近代美術館

東京・千代田区

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅰ 日本画トライアングル

2022/03/19〜2022/05/08

泉屋博古館東京

東京都・港区

写真発祥地の原風景 幕末明治のはこだて

2022/03/02〜2022/05/08

東京都写真美術館

東京都・目黒区

上野リチ: ウィーンからきたデザイン・ファンタジー

2022/02/18〜2022/05/15

三菱一号館美術館

東京・千代田区

丸山コレクション 西アジア遊牧民の染織 塩袋と伝統のギャッベ展

2022/02/26〜2022/05/15

たばこと塩の博物館

東京・墨田区

野田弘志新作展 神仙沼―保木将夫氏に捧ぐ― 

開催中〜2022/05/22

ホキ美術館

千葉県・千葉市

「永遠の瞬間」静物画展

開催中〜2022/05/22

ホキ美術館

千葉県・千葉市

北斎花らんまん

2022/03/15〜2022/05/22

すみだ北斎美術館

東京・墨田区

ダミアン・ハースト 桜

2022/03/02〜2022/05/23

国立新美術館

東京都・港区

デビュー50周年記念 くらもちふさこ展  ―デビュー作から「いつもポケットにショパン」「天然コケッコー」「花に染む」まで―

開催中〜2022/05/29

弥生美術館

東京・文京区

夢二がいざなう大正ロマン ―100年前の文化と女性を中心に―

開催中〜2022/05/29

竹久夢二美術館

東京・文京区

Chim↑Pom展:ハッピースプリング

2022/02/18〜2022/05/29

森美術館

東京都・港区

メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年

2022/02/09〜2022/05/30

国立新美術館

東京・港区

大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―

2022/04/16〜2022/06/12

サントリー美術館

東京都・港区

時代を映す絵画たち -コレクションにみる戦後美術の歩み-

2022/04/10〜2022/06/12

練馬区立美術館

東京都・練馬区

生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展

2022/03/19〜2022/06/19

東京都現代美術館

東京都・江東区

吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる

2022/03/19〜2022/06/19

東京都現代美術館

東京都・江東区

Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展

2022/03/19〜2022/06/19

東京都現代美術館

東京・江東区

出版120周年 ピーターラビット™展

2022/03/26〜2022/06/19

世田谷美術館

東京・世田谷区

篠田桃紅展(タイトル未定)

2022/04/16〜2022/06/22

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」

2022/05/03〜2022/06/26

東京国立博物館 平成館

東京・台東区

スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち

2022/04/22〜2022/07/03

東京都美術館

東京・台東区

牧歌礼讃 / 楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン × 藤田龍児

2022/04/16〜2022/07/10

東京ステーションギャラリー

東京・千代田区

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策

2022/04/29〜2022/07/10

アーティゾン美術館

東京・中央区

Transformation 越境から生まれるアート

2022/04/29〜2022/07/10

アーティゾン美術館

東京・中央区

コジコジ万博

2022/04/23〜2022/07/10

PLAY! MUSEUM

東京・立川市

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅱ 光陰礼讃 ―モネからはじまる住友洋画コレクション

2022/05/21〜2022/07/31

泉屋博古館東京

東京都・港区

宮城県美術館所蔵 絵本原画の世界 2022 展

2022/07/16〜2022/08/28

山梨県立美術館

山梨県・甲府市

カラーフィールド 色の海を泳ぐ

2022/03/19〜2022/09/04

DIC川村記念美術館

千葉・佐倉市

開館20周年記念展「モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」

2022/04/09〜2022/09/06

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで

2022/06/04〜2022/09/11

国立西洋美術館

東京都・台東区

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

2022/07/16〜2022/09/19

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

2022/06/29〜2022/09/26

国立新美術館

東京・港区

ボストン美術館展 芸術×力

2022/07/23〜2022/10/02

東京都美術館

東京・台東区

「クマのプーさん」展

2022/07/16〜2022/10/02

PLAY! MUSEUM

東京・立川市 

スイス プチ・パレ美術館展

2022/07/13〜2022/10/10

SOMPO美術館

東京・新宿区

生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎

2022/07/30〜2022/10/16

アーティゾン美術館

東京・中央区

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅲ 古美術逍遙 ―東洋へのまなざし

2022/09/10〜2022/10/23

泉屋博古館東京

東京都・港区

地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング

2022/06/29〜2022/11/06

森美術館

東京都・港区

国立新美術館開館15周年記念 李禹煥

2022/08/10〜2022/11/07

国立新美術館

東京都・港区

花鳥風月 名画で見る日本の四季 琳派・浮世絵から御舟・一村まで

2022/03/06〜2022/12/18

岡田美術館

神奈川・箱根町

生誕150年記念 板谷波山の陶芸

2022/11/03〜2022/12/18

泉屋博古館東京

東京都・港区

川内倫子展(タイトル未定)

2022/10/08〜2022/12/18

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

ベルクグリューン・コレクション展(仮称)

2022/10/08〜2023/01/22

国立西洋美術館

東京都・台東区

パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂

2022/11/05〜2023/02/05

アーティゾン美術館

東京・中央区

六本木クロッシング2022展(仮題)

2022/12/01〜2023/03/26

Exhibitions

森田恒友展 自然と共に生きて行かう

生涯を通して、洋画と日本画を手掛ける。その行きついた画境とは?

 ※埼玉県立近代美術館での展覧会は、3月22日までの予定でしたが、新型コロナウイルス感染防止対策のため同館が臨時休館となり、本展は2月28日で終了となりました。残念です。本稿は、同館の展示を取材した記録として掲載します。

 ■「自然と共に生きて行かう」
 展覧会名にある「自然と共に生きて行かう」という印象的な言葉は、埼玉県熊谷に生まれ、明治末期から昭和初期に活躍した画家・森田恒友(もりた つねとも)(1881~1933年)のもの。森田の画業をつぶさにたどる充実した内容の展覧会が、埼玉県立近代美術館で開催された。本展は福島県立美術館との共同開催。福島県立美術館を経て、埼玉県立近代美術館に巡回。埼玉県立近代美術館は森田作品を約100点所蔵。また森田は、福島県会津と深い関わりをもっていた。

 森田恒友は、生涯を通して洋画と日本画を共に手掛けた。また美術文芸雑誌『方寸(ほうすん)』の創刊人の一人となり、他の雑誌でも挿絵や漫画を発表し、書籍の装幀にも手腕を発揮した。会場を歩くと、同時期に制作した多数の油彩画と水墨掛幅が近距離で並ぶなど、興味深い展示風景にも出会える。全体に「自然と共に生きて行かう」との森田の思いが響くようであり、様々な実践が晩年の詩趣あふれる作品に昇華される様子が実感できる。資料やスケッチブックを含めて約250点が出品。

 ■展覧会構成
 本展の全体の構成は、以下のように五つの章から成り、時系列で作品を紹介する。
 第1章 出発――洋画家として/第2章 『方寸』から无声会へ――模索の時代/
 第3章 欧州漫遊/第4章 洋画から日本画へ/第5章 晩年の画境

 ■不同舎から東京美術学校西洋画科専科へ/先輩・青木繁の影響
 会場の最初に、《玉井村》(森田恒友、1901〈明治34〉年、鉛筆、紙、個人蔵)(★森田作品については、作品データの画家名は、以下略す)が展示されている。これは森田が生まれ育った埼玉県大里郡玉井村(現在の熊谷市久保島)の小川の風景を鉛筆で描いたもの。枝を伸ばした樹木が地と小川に影を作り、中央に人物がいる。彼が20歳で上京して小山正太郎(1857~1916年)率いる画塾・不同舎に入門し、鉛筆による写実描写に励んだ頃の作品だ。森田の画業の礎には優れた素描力があり、また彼は素描を生涯にわたって重視した。

 1902年、森田は東京美術学校(現在の東京藝術大学)西洋画科選科に入学。《春の夕》(青木繁・森田恒友、1905〈明治38〉年、油彩、板、府中市美術館)は、先輩の青木繁(1882~1911年)との合作による油彩画。暗い画面にうねるように人物群を描いた幻想的な作品だ。森田は青木と2回共同生活を送り、青木から強い影響を受けた。

 ■明るい油彩画へ/『方寸』創刊/軽妙洒脱な作風も
 しかし、しばらくして森田は作風を一変させる。《湖畔》(1907〈明治40〉年、油彩、カンヴァス、埼玉県立近代美術館)は、彼が東京美術学校を首席で卒業した翌年開設された、第一回文部省美術展覧会(文展)に入選した森田のデビュー作。緑の森と陽光を浴びた草むらが柔らかく描かれ、よく見ると森の奥に人物が小さく見える。

 森田は同年、石井柏亭(いしい はくてい)(1882~1958年)、および美術学校で同級の山本鼎(やまもと かなえ)(1882~1946年)と共に美術文芸雑誌『方寸』を創刊した。菊倍判(A4よりやや大きい)の『方寸』は、①画家による創刊(のちに同人を増やす)、②自画自刻の創作版画の場となったこと、また➂評論・随筆・小説なども収載したこと、が特徴である。4年間で五巻35冊を刊行。森田はここで版画や挿絵のほか、例えば博覧会で陳列された洋画の評を執筆するなど美術評論も手掛けた。また同時期に週刊誌や新聞に諷刺漫画や政治漫画を描き、軽妙洒脱な油彩画も日本画も制作した。

 ■滞欧しセザンヌに傾倒。ドーミエに共感。
 1914年6月、33歳の森田はパリに渡り、一年半ほどヨーロッパに滞在した。パリでは留学中の山本鼎らと一緒に画廊や美術館を巡った。森田は、特にポール・セザンヌ(1839~1906年)の作品に魅了された。まもなく第一次世界大戦が始まったため、ロンドンを経て、南仏のセザンヌの故郷エクス=アン=プロヴァンスに移った。そこで描いた《プロヴァンス風景》(1914年〈大正3〉、油彩、カンヴァス、熊谷市立熊谷図書館)では、手前に大きく曲がりくねる樹木を配し、背後に堅牢な形態の住居を点在させた構築的な画面。セザンヌへの傾倒が明らかだ。森田がセザンヌに惹かれたのは、故郷の「自然と一体となって描く制作態度」*だったという(吉岡知子:本展図録「森田恒友 自然と人間を見つめて」、p11上段、2019年、より)。

 ジャーナリズムの世界でも活躍してきた森田は、滞欧中にオノレ・ドーミエ(1808~79年)による本質をとらえる風刺のきいた作品にも深く共感し、模写も行った。帰国後すぐに訪れた京都帝室博物館で森田は、《鳥獣戯画》絵巻にドーミエとの共通点を見出したという。

■日本画に主軸を移す
 帰国後、森田は堅牢な形状と明快な色彩による油彩画を発表し、セザンヌの紹介者といわれた。また九州の天草諸島や福島県会津など地方に旅をし、人々と交流をもった。新しい画境を求めたようだ。油彩画《会津風景》(1916〈大正5〉年、油彩、カンヴァス、埼玉県立近代美術館)では中間色を使用。水墨画の《冬晴》(1917~18〈大正6~7〉年頃,紙本墨画、埼玉県立近代美術館)には速筆によって雪深い里と小川で野菜を洗う人が描かれ、味わい深い。そして彼は、次第に水墨画に主軸を移す。俳句雑誌の挿絵を描き、書籍の装幀なども行った。

 ■晩年の作品
 森田は1933年に52歳で生涯を終えるが、その早い晩年に彼は洋画と日本画を融合し、それまでの研鑽を総合させた森田ならではの境地を生み出した。《緑野》(1926~27〈大正15~昭和2〉年頃、絹本着色、埼玉県立近代美術館)は、淡い緑色が実に美しい。前に立つとその柔らかい画面に吸い込まれるようだ。中央下部に馬に乗る僧侶と馬子が進む姿がある。二人の穏やかな表情にほのぼのした気持ちになる。周りに繊細な線描による樹々の森が広がり、やがて霞がかかった重畳する山並みに続く。独特な立体感だ。

 《四季田園和楽》(1928〈昭和3〉年、絹本墨画淡彩、個人蔵)は、横幅1m近くの横長画面の4幅対。「若草」「緑陰」「月夜」「枯野」とのタイトルで春夏秋冬の情景を描く。例えば秋の「月夜」では、左に談笑する男二人、中央に彼らにお茶を運ぶ子供が描かれ、子供の傍らにじゃれる犬がいる。手前には大樹が配され、満月のもと、周囲の森が霧のかかる遠方の山々へ連なる。自然が柔らかく立体感をもって、人々の温かい心の交流と共に描写される。

 《尾瀬沼》(1932<昭和7>年、油彩、カンヴァス、個人蔵〈熊谷市立熊谷図書館寄託〉)は最晩年の油彩画だが、これまでの作品とは異種の趣だ。鋭さを包含する清澄さがある。さらに新しい展開があったのではないか。なお森田は往年の友人である山本鼎や小杉未醒(こすぎ みせい)(1881~1964年)らと共に結成した春陽会で、日本画も油彩画も共に発表した。

 ■森田の画業全体を眺望する
 本展では森田恒友の画業全体を眺望できる。変化するものと一貫するものが見えてくるように思える。作風は変化する。しかし多くの作品で、風景のなかに働き生活する人々の日常が描かれている。森田は自然と人々の関わりを描き続けた。また、画家自身が自然と一体となって制作を行った。森田の作品群からは、洋画と日本画をまたぐ自由な精神や、描きたいものはなんとしても追求する貪欲さも浮かび上がる。本展で森田恒友の作品に出会えたことに僥倖を感じた。

 ※本展の内容と最新の研究論文を収録した『森田恒友展』図録は、優れた内容のものです。埼玉県立近代美術館の通信販売で注文ができますので、宜しければご利用ください。


【参考文献】
1) 編集・執筆=吉岡知子・鴫原悠・増渕鏡子・紺野朋子:『森田恒友展(展覧会図録)』、発行=埼玉県立近代美術館・福島県立美術館、2019年。

執筆:細川 いづみ (HOSOKAWA Fonte Idumi) 
(2020年2月)

※会場内の風景画像は主催者側の許可を得て撮影したものです。


写真1 埼玉県立近代美術館の会場風景(以下同様)。
手前は、森田恒友《湖畔》、1907〈明治40〉年、油彩、カンヴァス、埼玉県立近代美術館。
この写真では暗く見えるが、本作は下半分を占める草むらは明るい色彩である。
(撮影:I.HOSOKAWA)

写真2 会場風景。
森田恒友《プロヴァンス風景》、1914年〈大正3〉、油彩、カンヴァス、熊谷市立熊谷図書館。
(撮影:I.HOSOKAWA)

写真3 会場風景。
森田恒友《冬晴》、1917~18〈大正6~7〉年頃,紙本墨画、埼玉県立近代美術館。
(撮影:I.HOSOKAWA)

写真4 会場風景。
森田恒友《緑野》、1926~27〈大正15~昭和2〉年頃、絹本着色、埼玉県立近代美術館。
(撮影:I.HOSOKAWA)

写真5 会場風景。
森田恒友《四季田園和楽「月夜」》(1928〈昭和3〉年、絹本墨画淡彩、個人蔵)。
(撮影:I.HOSOKAWA)

写真6 会場風景。
森田恒友《尾瀬沼》、1932<昭和7>年、油彩、カンヴァス、個人蔵〈熊谷市立熊谷図書館寄託〉)。
(撮影:I.HOSOKAWA)
 

【展覧会名】
森田恒友展 自然と共に生きて行かう
Morita Tsunetomo: A Retrospective 
【会期・会場】
 2019年11月23日~2020年1月19日 福島県立美術館(展示終了)
 2020年2月1日~当初は3月22日予定 埼玉県立近代美術館(展示終了)
★2月28日で展示終了となりました。
(当面のあいだ新型コロナウイルス感染予防対策のため臨時休館)
電話:048-824-0111
[埼玉県立近代美術館HP]https://pref.spec.ed.jp/momas/
★「森田恒友展」図録の通信販売については上記HPをご覧ください。

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