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名作展「みなさんが選ぶ!龍子記念館コレクション」(前期)

開催中〜2022/01/30

大田区立龍子記念館

東京・大田区

収蔵作品による 小林清親展【増補】-サプリメント-

開催中〜2022/01/30

練馬区立美術館

東京・練馬区

矢萩喜從郎 新しく世界に関与する方法 

開催中〜2022/01/30

神奈川県立近代美術館 葉山館

神奈川・葉山町

開館40周年記念 白井晟一 入門 第2部/Back to 1981 建物公開

開催中〜2022/01/30

渋谷区立松濤美術館

東京・渋谷区

江戸の恋

開催中〜2022/01/30

太田記念美術館

東京・渋谷区

深堀隆介展「金魚鉢、地球鉢。」

開催中〜2022/01/31

上野の森美術館

東京・台東区

建築家・坂倉準三と高島屋の戦後復興ー「輝く都市」をめざしてー

開催中〜2022/02/13

高島屋史料館TOKYO

東京都・中央区

武蔵野3万年のレシピ

開催中〜2022/02/13

角川武蔵野ミュージアム

埼玉県・所沢市

[館蔵]茶道具取合せ展

開催中〜2022/02/13

五島美術館

東京・世田谷区

古代中国・オリエントの美術 リターンズ  ―国宝“細川ミラー”期間限定公開―

開催中〜2022/02/13

永青文庫

東京・文京区

文様のちから 技法に託す

開催中〜2022/02/13

根津美術館

東京・港区

絵画のゆくえ 2022

開催中〜2022/02/13

SOMPO美術館

東京・新宿区

マレーシア・イスラーム美術館精選 特別企画 「イスラーム王朝とムスリムの世界」

開催中〜2022/02/20

東京国立博物館 東洋館12室・13室

東京都・台東区

クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]

開催中〜2022/02/23

東京都現代美術館

東京・江東区

ユージーン・スタジオ 新しい海  EUGENE STUDIO After the rainbow

開催中〜2022/02/23

東京都現代美術館

東京・江東区

The SAMURAI -サムライと美の世界-

開催中〜2022/02/27

岡田美術館

神奈川県・箱根町

オープン・スペース 2021 ニュー・フラットランド

開催中〜2022/02/27

NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]

東京都・新宿区

生誕160年記念 グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生

開催中〜2022/02/27

世田谷美術館

東京・世田谷区

特別展「平松礼二の世界—日本美の在り処を訪ねて—」

開催中〜2022/02/27

郷さくら美術館

東京・目黒区

北斎で日本史 ―あの人をどう描いたか―

開催中〜2022/02/27

すみだ北斎美術館

東京・墨田区

土田圭介 鉛筆画展 心の灯り

開催中〜2022/02/27

武蔵野市立吉祥寺美術館

東京・武蔵野市

信じるココロ ―信仰・迷信・噂話

2022/02/04〜2022/02/27

太田記念美術館

東京・渋谷区

描くひと 谷口ジロー展

開催中〜2022/02/27

世田谷文学館

東京都・世田谷区

ジャポニスム―世界を魅了した浮世絵

開催中〜2022/03/06

千葉市美術館

千葉・千葉市

開館20周年記念 山本貞展 ~やすらぎの憧憬の中で~ 

開催中〜2022/03/13

サトエ記念21世紀美術館

埼玉県・加須市

特別展「川﨑家の系譜-東山魁夷と川﨑家の画家たち-」

開催中〜2022/03/13

市川市 東山魁夷記念館

千葉県・市川市

今がすべてだ!ー続・柿沼康二の挑戦状ー 

開催中〜2022/03/13

岡本太郎記念館

東京都・港区

ユネスコ無形文化遺産 特別展「体感! 日本の伝統芸能―歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界―」

開催中〜2022/03/13

東京国立博物館 表慶館

東京・台東区

近代が誇る女流画家とそれに連なる美の系譜 上村松園・松篁・淳之 三代展

2022/02/11〜2022/03/13

東京富士美術館

東京・八王子市

FACE展2022

2022/02/19〜2022/03/13

SOMPO美術館

東京・新宿区

雛の世界

2022/02/11〜2022/03/13

遠山記念館

埼玉県・川島町

第9回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉

開催中〜2022/03/21

菊池寛実記念 智美術館 

東京・港区

未来へつなぐ陶芸 ―伝統工芸のチカラ展

開催中〜2022/03/21

パナソニック汐留美術館

東京・港区

出光佐三とそのコレクション ―美へのまなざし

開催中〜2022/03/21

出光美術館

東京・千代田区

山本大貴-Dignity of Realism-

開催中〜2022/03/21

千葉県立美術館

千葉・千葉市

デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展

2022/03/03〜2022/03/21

日本橋髙島屋 S.C. 本館8階ホール

東京都・中央区

生誕100年 松澤宥

2022/02/02〜2022/03/21

長野県立美術館

長野県・長野市

ミケル・バルセロ展

開催中〜2022/03/25

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

ボストン美術館所蔵「THE HEROES 刀剣×浮世絵-武者たちの物語」

開催中〜2022/03/25

森アーツセンターギャラリー

東京・港区

楳図かずお大美術展

開催中〜2022/03/25

東京シティビュー スカイデッキ

東京・港区

ハリー・ポッターと魔法の歴史

開催中〜2022/03/27

東京ステーションギャラリー

東京・千代田区

企画展 季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~

開催中〜2022/03/27

大倉集古館

東京・港区

御大典記念 特別展 よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―

開催中〜2022/03/27

サントリー美術館

東京・港区

生誕110年 香月泰男展

2022/02/06〜2022/03/27

練馬区立美術館

東京・練馬区

木村伊兵衛と画家たちの見たパリ 色とりどり

2022/02/19〜2022/03/27

目黒区美術館

東京・目黒区

赤 ―色が語る浮世絵の歴史

2022/03/04〜2022/03/27

太田記念美術館

東京・渋谷区

フランソワ・ポンポン展

2022/02/03〜2022/03/29

佐倉市立美術館 

千葉・佐倉市

ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?

開催中〜2022/03/30

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

特別展「ポンペイ」

開催中〜2022/04/03

東京国立博物館 平成館

東京・台東区

奥谷博―無窮へ

2022/02/12〜2022/04/03

神奈川県立近代美術館 葉山館

神奈川・葉山町

「ぐりとぐら しあわせの本」展(年間展示)

開催中〜2022/04/10

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

浮世絵劇場 from Paris

開催中〜2022/04/10

角川武蔵野ミュージアム

埼玉県・所沢市

奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム

開催中〜2022/04/10

東京都庭園美術館

東京・港区

はじまりから、いま。1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡—古代美術、印象派、そして現代へ

開催中〜2022/04/10

アーティゾン美術館

東京・中央区

名作展「みなさんが選ぶ!龍子記念館コレクション」(後期)

2022/02/05〜2022/04/10

大田区立龍子記念館

東京・大田区

どうぶつかいぎ展

2022/02/05〜2022/04/10

PLAY! MUSEUM

東京都・立川市

【開館55周年記念特別展】上村松園・松篁―美人画と花鳥画の世界―

2022/02/05〜2022/04/17

山種美術館

東京・渋谷区

ミロ展―日本を夢みて

2022/02/11〜2022/04/17

Bunkamuraザ・ミュージアム

東京・渋谷区

建部凌岱展 その生涯、酔たるか醒たるか

2022/03/12〜2022/04/17

板橋区立美術館

東京・板橋区

再開記念展 松岡コレクションの真髄

開催中〜2022/04/17

松岡美術館

東京都・港区

Keith Haring: 360°

開催中〜2022/05/08

中村キース・ヘリング美術館

山梨・北杜市

特別展「空也上人と六波羅蜜寺」

2022/03/01〜2022/05/08

東京国立博物館 本館 特別5室

東京・台東区

春の江戸絵画まつり ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります――京の絵画と敦賀コレクション

2022/03/12〜2022/05/08

府中市美術館

東京・府中市

戦国最強の家老 ―細川家を支えた重臣松井家とその至宝―

2022/03/12〜2022/05/08

永青文庫

東京・文京区

没後50年 鏑木清方展

2022/03/18〜2022/05/08

東京国立近代美術館

東京・千代田区

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅰ 日本画トライアングル

2022/03/19〜2022/05/08

泉屋博古館東京

東京都・港区

写真発祥地の原風景 幕末明治のはこだて

2022/03/02〜2022/05/08

東京都写真美術館

東京都・目黒区

上野リチ: ウィーンからきたデザイン・ファンタジー

2022/02/18〜2022/05/15

三菱一号館美術館

東京・千代田区

丸山コレクション 西アジア遊牧民の染織 塩袋と伝統のギャッベ展

2022/02/26〜2022/05/15

たばこと塩の博物館

東京・墨田区

野田弘志新作展 神仙沼―保木将夫氏に捧ぐ― 

開催中〜2022/05/22

ホキ美術館

千葉県・千葉市

「永遠の瞬間」静物画展

開催中〜2022/05/22

ホキ美術館

千葉県・千葉市

北斎花らんまん

2022/03/15〜2022/05/22

すみだ北斎美術館

東京・墨田区

ダミアン・ハースト 桜

2022/03/02〜2022/05/23

国立新美術館

東京都・港区

デビュー50周年記念 くらもちふさこ展  ―デビュー作から「いつもポケットにショパン」「天然コケッコー」「花に染む」まで―

開催中〜2022/05/29

弥生美術館

東京・文京区

夢二がいざなう大正ロマン ―100年前の文化と女性を中心に―

開催中〜2022/05/29

竹久夢二美術館

東京・文京区

Chim↑Pom展:ハッピースプリング

2022/02/18〜2022/05/29

森美術館

東京都・港区

メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年

2022/02/09〜2022/05/30

国立新美術館

東京・港区

大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―

2022/04/16〜2022/06/12

サントリー美術館

東京都・港区

時代を映す絵画たち -コレクションにみる戦後美術の歩み-

2022/04/10〜2022/06/12

練馬区立美術館

東京都・練馬区

生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展

2022/03/19〜2022/06/19

東京都現代美術館

東京都・江東区

吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる

2022/03/19〜2022/06/19

東京都現代美術館

東京都・江東区

Tokyo Contemporary Art Award 2020-2022 受賞記念展

2022/03/19〜2022/06/19

東京都現代美術館

東京・江東区

出版120周年 ピーターラビット™展

2022/03/26〜2022/06/19

世田谷美術館

東京・世田谷区

篠田桃紅展(タイトル未定)

2022/04/16〜2022/06/22

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

沖縄復帰50年記念 特別展「琉球」

2022/05/03〜2022/06/26

東京国立博物館 平成館

東京・台東区

スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち

2022/04/22〜2022/07/03

東京都美術館

東京・台東区

牧歌礼讃 / 楽園憧憬 アンドレ・ボーシャン × 藤田龍児

2022/04/16〜2022/07/10

東京ステーションギャラリー

東京・千代田区

ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策

2022/04/29〜2022/07/10

アーティゾン美術館

東京・中央区

Transformation 越境から生まれるアート

2022/04/29〜2022/07/10

アーティゾン美術館

東京・中央区

コジコジ万博

2022/04/23〜2022/07/10

PLAY! MUSEUM

東京・立川市

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅱ 光陰礼讃 ―モネからはじまる住友洋画コレクション

2022/05/21〜2022/07/31

泉屋博古館東京

東京都・港区

宮城県美術館所蔵 絵本原画の世界 2022 展

2022/07/16〜2022/08/28

山梨県立美術館

山梨県・甲府市

カラーフィールド 色の海を泳ぐ

2022/03/19〜2022/09/04

DIC川村記念美術館

千葉・佐倉市

開館20周年記念展「モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に」

2022/04/09〜2022/09/06

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

国立西洋美術館リニューアルオープン記念 自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで

2022/06/04〜2022/09/11

国立西洋美術館

東京都・台東区

ライアン・ガンダー われらの時代のサイン

2022/07/16〜2022/09/19

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション

2022/06/29〜2022/09/26

国立新美術館

東京・港区

ボストン美術館展 芸術×力

2022/07/23〜2022/10/02

東京都美術館

東京・台東区

「クマのプーさん」展

2022/07/16〜2022/10/02

PLAY! MUSEUM

東京・立川市 

スイス プチ・パレ美術館展

2022/07/13〜2022/10/10

SOMPO美術館

東京・新宿区

生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎

2022/07/30〜2022/10/16

アーティゾン美術館

東京・中央区

泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅲ 古美術逍遙 ―東洋へのまなざし

2022/09/10〜2022/10/23

泉屋博古館東京

東京都・港区

地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング

2022/06/29〜2022/11/06

森美術館

東京都・港区

国立新美術館開館15周年記念 李禹煥

2022/08/10〜2022/11/07

国立新美術館

東京都・港区

花鳥風月 名画で見る日本の四季 琳派・浮世絵から御舟・一村まで

2022/03/06〜2022/12/18

岡田美術館

神奈川・箱根町

生誕150年記念 板谷波山の陶芸

2022/11/03〜2022/12/18

泉屋博古館東京

東京都・港区

川内倫子展(タイトル未定)

2022/10/08〜2022/12/18

東京オペラシティ アートギャラリー

東京都・新宿区

ベルクグリューン・コレクション展(仮称)

2022/10/08〜2023/01/22

国立西洋美術館

東京都・台東区

パリ・オペラ座−響き合う芸術の殿堂

2022/11/05〜2023/02/05

アーティゾン美術館

東京・中央区

六本木クロッシング2022展(仮題)

2022/12/01〜2023/03/26

Exhibitions

いわさきちひろ生誕100年「Life展」 まなざしのゆくえ 大巻伸嗣

 いわさきちひろ生誕100年を記念して、東京と長野・安曇野のちひろ美術館で7組の作家が「Life」をテーマにちひろとコラボレートする展覧会が3月から来年1月まで開かれている。その第1弾となった大巻伸嗣の「まなざしのゆくえ」展をレポートする。展覧会は終了しているが、広島と長崎の原爆の日や終戦記念日のある8月を迎え、同展にこめられた平和への思いがよみがえる。

 ・『戦火のなかの子どもたち』と「Echoes‐Genius Loci」 
 子どもを抱きかかえて何かを睨むような視線を放つ母親を描いた墨色の絵が、劫火を思わせる赤い空間をさえぎるように立っている。第1展示室は、いわさきちひろの最後の絵本で、ベトナム戦争に心を痛め、自らが体験した第二次世界大戦中の東京での空襲の記憶を重ね合わせて戦場の子どもたちの姿を描いた『戦火のなかの子どもたち』(1973年)と大巻の「Echoes‐Genius Loci」(2017年)を中心とする空間構成となっていた。ここに展示された『戦火のなかの子どもたち』の原画は大巻が選んだ。前述の作品はその中の1枚で、大巻が最も心を動かされたという「焔のなかの母と子」を部分拡大したもの。
 「母親の睨みつけるようなまなざしは、どこか近くを見ているようでもあり、ずっと遠くを見ているようにも感じられる」「不穏なものに立ち向かい、胸に抱いた子どもを迫りくる恐怖から避けようとしているように見える。母親の横には闇が描かれ、それに対して子どもは光に包まれている。闇と光を隔てる存在として母親が描かれ、未来を光に変えていきたいというちひろさんの強い想いを感じる」(大巻)。
 展覧会のタイトル「まなざしのゆくえ」は、この作品を通し、「私たちの視点、まなざし、その向かう先を考えながら体験してほしい」という思いを込めてつけられた。
 第1展示室の空間も、この母親の厳しいまなざしを拠点に構築していったという。壁に並ぶ赤い額の数々は、昨年、横浜で発表した「Echoes‐Genius Loci」。横浜は関東大震災と第二次世界大戦で甚大な被害を受けた。この作品は、関東大震災と第二次世界大戦の空襲後の風景に、横浜で生まれ、空襲で失われた真葛焼の壺のイメージを重ねた写真で、壺の中にはたくましく生きる人々の姿が写し出されている。額には鏡が入っているため、前に立つと自分の姿が映り、作品に入り込んだかのようになり、過去と現在がつながっていることが実感できる。「僕達のまなざしと過去の人々のまなざしが交差する空間」が生み出されている。
 ほかに2011年の東日本大震災の直後に、被災地の光景をスイスのバーゼルで描いた水彩なども展示。戦争、震災の事実を見据えながら、復興へと向かう力を育むインスタレーションとなっていた。

 ・新作「Echoes-Crystallizationーひかりの風景、ちの記憶ー」
 美術館1階の一番奥の部屋へ向かい、細く暗い通路を進むと、光を発するかのような白い絵が現れる。2005年から手掛けてきたEchoes-Crystallizationの最新作で、本展のために描かれた「Echoes-Crystallizationーひかりの風景、ちの記憶ー」。このシリーズは、アクリルボードに下絵を描かずに修正ペンで直接、絶滅危惧種の植物を描き、その上から水晶の粉をかけて定着させる技法で描かれている。「〝修正〟という名前がつけられているが、白く消し去って、なかったことにしてしまうもの。なかったことにされてしまった存在を修正ペンで描くことでもう一度再生させるという着想から始まっている」という。今回の作品では約1000本の修正ペンを使った。近づくと、植物だけではない形が見えてくる。「白い光の中に、きのこ雲や、上からちらちらと降ってくる死の灰や焼け焦げた人を12体ほど絶滅危惧種の草花に重ねて描いている」。
 この作品は大巻が、広島の原爆で被爆した子どもたちの文章にいわさきちひろが絵を描いた『わたしがちいさかったときに』を繰り返し読む中で、イメージを固めていったという。「この絵本から受けた衝撃は強くて、新たな試みとしてEchoes-Crystallizationを通して、原爆投下直後の光景を表現しようと考えた」。展示室に入る際に感じた眩しさは、原爆投下直後の閃光を連想させる。「人間は、強い光やエネルギーに惹かれてきたが、便利な暮らしができる反面、こういう光景が広がる可能性もある。核の光そのものは神々しいほど美しいけれど、底知れぬ恐怖が隣合わせにある」ことを示唆するかのようだ。また、作品の前に立つと、床に写る光が波のようにも見えて、彼岸と此岸をつなぐようでもあった。
 大巻は作品へとつながる壁に、ちひろが墨の濃淡で描いた「ダリヤ」(『花の童話集』より 1969年)を展示した。「焼け焦げた花のようにも見えるし、核を象徴する黒い太陽のようにも見える」という。
 日本が戦争へと突き進む中で娘時代を過ごしたちひろと、幼い子を持つ父親でもあり、「私たちが生きている今の時代は、戦争がいつ起こってもおかしくない状況にある」と考える大巻。リアルに現実をとらえ、未来を見据える二人のまなざしに希望の光を感じ、それを消すことのないようにと思いを巡らせた。

 展覧会では、ほかに、ちひろのアトリエを再現した空間の横に大巻が芸大受験のための予備校時代に描いた木炭デッサンが初公開され、目を引いた。「日々成長していく植物に向き合い、上辺の紙を継ぎ足しながら描きました。上手く見せようという意図が消え、うつろいゆくもののイメージをとらえることができたと感じた絵のひとつです。この絵を見ると、今もその時の感覚がよみがえります。いわば、僕自身のアーティストとしての出発点となった絵かもしれません」という言葉が添えられていた。近くには、ちひろの自画像や1940年から50年代の素描と大巻が1997年から98年頃に水性インクで日記のように描いた自画像なども展示。ちひろの創作の現場であるアトリエを原点としてとらえ、ちひろが画家として模索していた時期の作品と大巻の原点となる作品を対峙するような展示だった。


 また、2階では、木の舟に乗って本を読んだり、ちひろと大巻の作品を見たりしながら、想像の海へ漕ぎ出し、物語を紡ぐイメージの空間が広がっていた。
執筆・写真 西澤美子(文中敬称略)

 本文は、同展担当の原島恵主任学芸員への取材、「ちひろ美術館・東京 美術館だよりNo.201 大巻伸嗣アーティストトーク」、同館ブログ「展覧会に寄せて まなざしのゆくえ 大巻伸嗣」などの資料を参考にまとめた。

いわさきちひろ生誕100年「Life」展
https://100.chihiro.jp/
◆まなざしのゆくえ/大巻伸嗣
3月1日(木)~5月12 日(土)※終了
ちひろ美術館・東京
東京都練馬区下石神井4-7-2
☎03(3995)0612
◆あそぶ/plaplax
3月1日(木)~5月7日(月)※終了
安曇野ちひろ美術館
長野県北安曇野郡松川村西原3358-24
☎0261(62)0772
7月28日(土)~10月28日(日)
ちひろ美術館・東京
◆ひろしま/石内都
5月12日(土)~7月16日(月・祝)※終了
安曇野ちひろ美術館
◆着るをたのしむ/spoken words project 
5月19日(土)~7月22日(日)※終了
ちひろ美術館・東京
◆子どものへや/トラフ建築設計事務所
7月21日(土)~9月25日(火)
安曇野ちひろ美術館
◆みんないきている/谷川俊太郎
9月29日(土)~12月16日(日)
安曇野ちひろ美術館
◆作家で、母で つくる そだてる/長島有里枝
11月3日(土・祝)~2019年1月31日(木)
ちひろ美術館・東京

なお、東京・千代田区の東京ステーションギャラリーで7月14日から9月9日まで「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」展も開催されている。
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201807_chihiro.html

【大巻伸嗣(おおまきしんじ)略歴】
1971年岐阜県生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。東京芸術大学美術学部彫刻科、GAP専攻教授。2003年第6回岡本太郎記念現代芸術大賞特別賞、15年第8回円空賞、17年第27回タカシマヤ美術賞など受賞歴多数。「空間」「時間」「重力」「記憶」をキーワードにした制作活動を国内外で展開している。

写真キャプション
①いわさきちひろ「焔のなかの母と子」(部分拡大)『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)より 1973年、大巻伸嗣「Echoes‐Genius Loci」

②大巻伸嗣「Echoes-Crystallizationーひかりの風景、ちの記憶ー」2018年

③大巻伸嗣「Echoes-Crystallizationーひかりの風景、ちの記憶ー」拡大図

④いわさきちひろ 「ダリヤ」(『花の童話集』(童心社)より)1969年
 宮沢賢治の童話『まなづるとダァリヤ』のために描かれた

⑤ちひろのアトリエと大巻の「植物のデッサン」(1991年)。実家から運び、展示した

⑥大巻伸嗣「Untitled」1996~98年
⑦いわさきちひろ「自画像」1954年頃(35歳頃)〈左〉、いわさきちひろ「下駄ばきの自画像」1949年12月27日(31歳)〈右〉

⑧2階展示風景