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特別企画「伊勢の名刹 専修寺 -寺宝からみる公家文化」展

開催中〜2026/06/13

霞会館記念学習院ミュージアム

東京都・豊島区

超危険生物展 科学で挑む生き物の本気

開催中〜2026/06/14

国立科学博物館

東京都・台東区

ルネ・ラリック展 -ガレ、ドームから続く華麗なるフランスの装飾美術-

開催中〜2026/06/14

国立工芸館

石川県・金沢市

チュルリョーニス展 内なる星図

開催中〜2026/06/14

国立西洋美術館

東京都・台東区

新見美術館コレクション 近現代日本画の精華

開催中〜2026/06/14

八王子市夢美術館

東京都・八王子市

「王朝のみやびー古筆、琳派、茶の湯の情景」 「守屋多々志の華麗な歴史画ーよみがえる王朝と文明開化の夢」

開催中〜2026/06/14

荏原 畠山美術館

東京都・港区

「TOKAS-Emerging 2026」第2期

開催中〜2026/06/14

TOKAS本郷

東京都・文京区

開館50周年記念「ウジェーヌ・ブーダン展─瞬間の美学 、光の探求」

開催中〜2026/06/21

SOMPO美術館

東京都・新宿区

ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち

開催中〜2026/06/21

宇都宮美術館

栃木県・宇都宮市

富山県水墨美術館コレクション 水墨画を楽しむ7つのとびら -富岡鉄斎、竹内栖鳳、横山大観から加山又造へ

開催中〜2026/06/21

茨城県近代美術館

茨城県・水戸市

カルン・タカール・コレクション インド更紗 世界をめぐる物語

開催中〜2026/06/21

山梨県立美術館

山梨県・甲府市

うたう仲條 おどる仲條-文字と画と、資生堂と

開催中〜2026/06/28

資生堂ギャラリー

東京都・中央区

田中信太郎――意味から遠く離れて

開催中〜2026/06/28

世田谷美術館

東京都・世田谷区

動き出す妖怪展 TOKYO

開催中〜2026/06/28

寺田倉庫 G1ビル

東京都・品川区

没後110年 日本画の革命児 今村紫紅

開催中〜2026/06/28

横浜美術館

神奈川県・横浜市

アーティストとひらく「鎌田友介展:ある想像力、ふたつの土地」

開催中〜2026/06/28

横浜美術館

神奈川県・横浜市

熊谷守一美術館41周年展 守一と故郷。

開催中〜2026/06/28

豊島区立 熊谷守一美術館

東京都・豊島区

春の特別展 「バンクス植物図譜」

開催中〜2026/07/03

国際基督教大学博物館湯浅八郎記念館

東京都・三鷹市

軽井沢安東美術館 生誕140周年 藤田嗣治展

開催中〜2026/07/05

軽井沢安東美術館

長野県・軽井沢町

クヴェレ美術館 開館記念展Ⅰ Meet 美の交差点 近代日本画と東洋陶磁

開催中〜2026/07/05

クヴェレ美術館

茨城県・水戸市

東京都美術館開館100周年記念 アンドリュー・ワイエス展

開催中〜2026/07/05

東京都美術館

東京都・台東区

特別展示『芝山努の仕事』

開催中〜2026/07/05

アニメ東京ステーション(地下1階)

東京都・豊島区

生誕100年 森英恵 ヴァイタル・タイプ

開催中〜2026/07/06

国立新美術館

東京都・港区

松本陽子 宵の明星を見た日

開催中〜2026/07/12

府中市美術館

東京都・府中市

山田紗子 parallel tunes

開催中〜2026/07/12

TOTOギャラリー・間

東京都・港区

松本陽子 宵の明星を見た日

開催中〜2026/07/12

府中市美術館

東京都・府中市

―虹の彼方に― 葉山有樹

開催中〜2026/07/17

そごう美術館

神奈川県・横浜市

川合玉堂 —なつかしい日本の情景—

開催中〜2026/07/26

山種美術館

東京都・渋谷区

エリック・カール展 はじまりは、はらぺこあおむし

開催中〜2026/07/26

東京都現代美術館

東京都・江東区

(UN)KNOWN HIROKO KOSHINO ー新説/真説 コシノヒロコー

開催中〜2026/07/26

東京都現代美術館

東京都・江東区

浮世絵百物語 ゾッとする北斎の絵

2026/06/17〜2026/07/26

北斎館

長野県・小布施町

TOKASレジデンス2026 成果発表展『はだしであるく』第1期

2026/06/27〜2026/08/02

TOKAS本郷

東京都・文京区

スープはいのち スープは包む、いのちを満たす、はじまりの衣食住

開催中〜2026/08/09

21_21 DESIGN SIGHT

東京都・港区

大ゴッホ展 夜のカフェテラス

開催中〜2026/08/12

上野の森美術館

東京都・台東区

TVアニメ『BLEACH 千年血戦篇 ‐禍進譚-』特別展示

開催中〜2026/08/16

アニメ東京ステーション

東京都・豊島区

江戸東京博物館リニューアル開館記念特別展「洋館 明治の夢と挑戦」

2026/06/23〜2026/08/23

江戸東京博物館

東京都・墨田区

世紀末パリの煌めき ―OGATAコレクションにみるミュシャ、シェレ、ロートレック

2026/06/17〜2026/08/23

茅ヶ崎市美術館

神奈川県・茅ヶ崎市

生誕130年 前田寛治 ポエジイとレアリスム 一九三〇年協会設立100年

2026/07/04〜2026/08/30

東京ステーションギャラリー

東京都・千代田区

開館50周年記念「山口華楊展」

2026/07/11〜2026/08/30

SOMPO美術館

東京都・新宿区

プレイバック!ミレニアム1991→2001:版画が/版画で越えた境界

2026/06/27〜2026/08/30

町田市立国際版画美術館

東京都・町田市

大正イマジュリィの世界

2026/07/03〜2026/08/30

八王子市夢美術館

東京都・八王子市

開館10周年記念「北斎 広重 ふたりの富士、それぞれの富士」

2026/06/23〜2026/08/30

すみだ北斎美術館

東京都・墨田区

安藤正子:普通の日々

開催中〜2026/09/06

原美術館ARC

群馬県・渋川市

可愛いだけじゃない!?ピングー展

2026/07/10〜2026/09/06

YURAKUCHO MUSEUM(有楽町ミュージアム)

東京都・千代田区

弘法大師生誕1250年記念 特別展「空海と真言の名宝」

2026/07/14〜2026/09/06

東京国立博物館

東京都・台東区

夏季展「えいえいやっとな!蔵出し!細川家の狂言面・装束」

2026/07/11〜2026/09/06

永青文庫

東京都・文京区

「おたから」探してミュージアム!

2026/07/25〜2026/09/06

府中市美術館

東京都・府中市

出光真子 おんなのさくひん――ある映像作家の自伝

2026/06/18〜2026/09/21

東京都写真美術館

東京都・目黒区

ピカソmeets ポール・スミス 遊び心の冒険へ

2026/06/10〜2026/09/21

国立新美術館

東京都・港区

町田市立国際版画美術館所蔵 長谷川潔展 ―パリに生きた銅版画家の軌跡

2026/07/11〜2026/09/23

パナソニック汐留美術館

東京都・港区

“カフェ”に集う芸術家―印象派からゴッホ、ロートレック、ピカソまで

2026/06/13〜2026/09/23

三菱一号館美術館

東京都・千代田区

特集展示「ガンダーラの仏像と仏伝―釈尊のすがた―」

開催中〜2026/09/27

半蔵門ミュージアム

東京都・千代田区

トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま~魔術、メディア、アート~

2026/07/03〜2026/09/27

TOKYO NODE(東京ノード)

東京都・港区

東京都美術館開館100周年記念 この場所の風景―上野・大牟田・ブエノスアイレス

2026/07/23〜2026/10/07

東京都美術館

東京都・台東区

「風そよぐ情景 ヴィクトリア朝絵画・フランス印象派」展

2026/06/16〜2026/10/12

松岡美術館

東京都・港区

四季を写す絵画たち

開催中〜2026/11/08

ホキ美術館

千葉県・千葉市

マリー・アントワネット・スタイル

2026/08/01〜2026/11/23

横浜美術館

神奈川県・横浜市

ルネ・ラリックにみる 日本とフランスの“かわいい”文化交流

開催中〜2026/12/06

箱根ラリック美術館

神奈川県・箱根町

生誕140周年記念企画「ニューヨークの藤田嗣治」展

2026/07/11〜2027/01/11

軽井沢安東美術館

長野県・軽井沢町

世田谷文学館コレクション展「没後30年 宇野千代展」

開催中〜2027/03/28

世田谷文学館

東京都・世田谷区

モネ没後100年・開館25周年記念 あたらしい目 — モネと21世紀のアート

2026/06/17〜2027/04/07

ポーラ美術館

神奈川県・足柄下郡箱根町

右は、志村ふくみ《野の果てⅡ》2023年、紬織/絹糸、紫根、紅花、春草 個人蔵。※通期展示

Exhibitions

特別展 志村ふくみ100歳記念―《秋霞》から《野の果て》まで―

  • 大倉集古館 (東京都・港区)

100歳を祝い、70年にわたる歩みを紹介

 染織家で人間国宝の志村ふくみさん(1924年生まれ)が、9月30日に100歳になられた。志村さんが生み出した紬織(つむぎおり)は、日本古来の植物からの染色により、自然が秘める色の諧調の果てしない豊かさを表現し、高い芸術性をもつ。自然から数多の色を抽出し、糸を染め、織り上げる。それは人と自然の共生の営みである。志村さんはまた優れた随筆家としても知られる。その70年にわたる足跡を辿る展覧会が、東京の大倉集古館で開催中だ。

大倉集古館の会場風景(以下同様)。志村ふくみ《母衣曼荼羅Ⅱ》2017年、紬織/絹糸、藍 刈安 玉葱 個人蔵。※通期展示
大倉集古館の会場風景(以下同様)。志村ふくみ《母衣曼荼羅Ⅱ》2017年、紬織/絹糸、藍 刈安 玉葱 個人蔵。※通期展示

展示構成

 本展は次のように、エントランス及び5つの章から構成されている。
 エントランス/源流/琵琶湖/源氏物語と和歌/旅と文学/沖宮―妣(はは)なる国
 
 作品と大倉集古館の重厚な空間とが響き合う。なお紬織(つむぎおり)とは、紬糸(つむぎいと)で織った平織の丈夫な絹織物である。紬糸とは、葛繭または真綿を紡いで作った絹糸だ。紬織はざっくりとした独特の風合いを持ち、絹織物のうちで最も素朴なものといわれる。

源流:志村ふくみの原点《秋霞》

 《秋霞》(1958年)は、志村の原点となる作品だ。彼女が最初に織ったきものであり、第5回日本伝統工芸展に初入賞した。それまで紬織が入賞したことはなかったという。本作には多様な藍の色線が並ぶ。短い糸を丹念につないだ「つなぎ糸」を多く使うことで、不思議な立体感や変幻がもたらされる。志村は次のように書いている。「つなぎ糸が自由にそうなりたい姿になって入ってゆく。私はただ手を動かしている。それがこの屑織の本意なのだ、とようやくわかってきた。「秋霞」はこうやって誕生したのだ。」(※参考文献4。「つなぎ糸」、179頁)
 
 志村は、1924年に琵琶湖の湖東地域である近江八幡で、医師である小野元澄、豊の次女として生まれた。2歳で叔父の養女となり、東京や上海で暮らした。文化学院在学中の16歳のときに養女と知り、衝撃を受けた。結婚し二女を授かるが、31歳で近江八幡の実家に戻り、実母・小野豊の導きで織物を始めた。母の豊は民藝運動の柳宗悦らと知遇をもち、織物を本格的に目指したものの断念して家庭に入った人だった。豊は娘の最初の作品《秋霞》について、「もうそれ以上のきものは織れないかもしれない」「このきものはあんたの力の限りがこもっている」と語ったという。

志村ふくみ《秋霞》1958年、紬織/絹糸、藍 個人蔵。左下は、つなぎ糸。※通期展示
志村ふくみ《秋霞》1958年、紬織/絹糸、藍 個人蔵。左下は、つなぎ糸。※通期展示

エントランス:生涯を振り返って織り上げた《野の果てⅡ》

 《野の果てⅡ》(2023年)は、霞たなびく春の野のごとし。夢のようだ。暖かな春の陽射しが感じられる。裾の紫色は日本ムラサキで、淡いピンクは紅花で、萌黄色は春草で染められ、織られた。
 本作の傍らに、《野の果て》という手稿(1943年)が展示されている。これは19歳のふくみが書いた童話に、24歳の長兄・元衞が絵を描いたもの。元衞は画家だったが、結核のため28歳で他界した。志村にとって兄は、母と共に、芸術に向かう精神を育ててくれた大切な師であった。紬織《野の果てⅡ》は、100歳を目前とした志村が生涯を振り返り、若き日を回想して織り上げた作品である。

右は、志村ふくみ《野の果てⅡ》2023年、紬織/絹糸、紫根、紅花、春草 個人蔵。※通期展示
右は、志村ふくみ《野の果てⅡ》2023年、紬織/絹糸、紫根、紅花、春草 個人蔵。※通期展示

琵琶湖/『源氏物語』と和歌/旅と文学/沖宮

 志村は故郷の琵琶湖を主題とした作品を多数生み出した。様々な琵琶湖の表情が、愛情深くとらえられているようだ。眺めていると、色の変化だけの紬織から、雪の湖や月光に反射する夜の湖などが顕現する。空気の温度も漂う風も感じられる。

右から、志村ふくみ《雪の湖》2007年、紬織/絹糸、藍 個人蔵。志村ふくみ《月の湖》1985年、紬織/絹糸、藍、玉葱 個人蔵。志村ふくみ《水の想い出》2003年、紬織/絹糸、藍、臭木、梔子 個人蔵。※共に前期展示
右から、志村ふくみ《雪の湖》2007年、紬織/絹糸、藍 個人蔵。志村ふくみ《月の湖》1985年、紬織/絹糸、藍、玉葱 個人蔵。志村ふくみ《水の想い出》2003年、紬織/絹糸、藍、臭木、梔子 個人蔵。※共に前期展示

 深い理解のもとに志村が挑んだ『源氏物語』連作も圧巻である。京都・嵯峨野の仕事場近くの清涼寺境内に、源融(みなもとのとおる)の墓がある。光源氏のモデルともされる人だ。そのことに気づいたことがこの連作の契機となった。《若紫》(2007年)は、幼少より光源氏と共に過ごした女性・若紫を紫の色相の変容で表す。若紫の人柄や生涯が浮かんでくる。

★志村ふくみ《若紫》2007年、紬織/絹糸、紫根、茜 個人蔵。※後期展示 [画像提供:大倉集古館]
★志村ふくみ《若紫》2007年、紬織/絹糸、紫根、茜 個人蔵。※後期展示 [画像提供:大倉集古館]

 志村はドストエフスキーやリルケを初めとする文学に心酔し、ロシアなどへ旅した。2000年には染織の美のルーツを辿る旅を開始した。《風露》(2000年)は軽快で楽しげ。生絹(すずし)という繭からとった後に撚りも練りもしない糸のみで織ったきものの、その端裂を縫い合わせている。韓国を訪れた際、韓国の衣装に感激して生まれた作品だ。

★志村ふくみ《風露》2000年、紬織/絹糸、紅花、藍、刈安、紫根 個人蔵。 ※後期展示 [画像提供:大倉集古館]
★志村ふくみ《風露》2000年、紬織/絹糸、紅花、藍、刈安、紫根 個人蔵。 ※後期展示 [画像提供:大倉集古館]

 「沖宮」は詩人・石牟礼道子原作の新作能で、天草四郎と父兄妹の少女あやの物語。志村は衣装監修を手掛けた。初演・再演時に使用された衣装、及び新制作のものも出展されている。

優れた随筆家・志村ふくみ/色とは?

 志村ふくみは紬織作品と共に、魅力的な文章を数多つむぎ出してきた。有名なことだが加えて紹介したい。詩人・大岡信氏は「そこで語られていることは真直に私の中へ入って、力強い認識の贈り物となる」と記した(※参考文献2。大岡信「言葉の生まれる場所」、203頁)。
 
 志村の著作には沢山の啓示がある。
 「色はただの色ではなく、木の精なのです。色の背後に、一すじの道がかよっていて、そこから何かが匂い立ってくるのです。」(※参考文献2。72頁)。
 
 志村の名文は、染色や色の不思議を、自然の驚くべき姿を教えてくれる。植物から染めるというと、筆者は花がまず頭に浮かぶのだが、花からは染まらないという(紅花だけは例外)。よって樹木の幹や枝や皮など、草花の根などから色を取り出す。それを灰汁で媒染して定着させる。すると花は、樹全体が色づくその先端のごく一部なのだろうか? また自然界を大きく占める緑の色も、なぜか直接は染まらないという。そして青色を生み出す藍の染色は、他の植物とは全く別の複雑微妙な方法がとられるそうだ。
 
 本展では一作一作が真直に優しく心の中へ入ってくる。会場を一巡して感慨にふけった。「自分は自然に包まれている」と。
 
【参考文献】
1)志村ふくみ・志村洋子 監修:『人間国宝・志村ふくみ 100歳記念 《秋霞》から《野の果て》まで』(本展図録)、世界文化社、2025年
2)志村ふくみ:「色と糸と織と」『叢書 文化の現在 1言葉と世界』(編集代表:大江健三郎・中村雄二郎・山口昌男)(全13冊)、岩波書店、1981年
3)志村ふくみ:『新装改訂版 一色一生』求龍堂、2005年(『一色一生』求龍堂、1982年 大佛次郎賞受賞)
4)志村ふくみ:『自選随筆集 野の果て』岩波書店、2023年
 
執筆・撮影(★を除く):細川いづみ(HOSOKAWA Fonte Idumi) 
(2024年12月)
 
※会場内の風景画像は主催者側の許可を得て撮影したものです。
※本文・図版とも無断引用・無断転載を禁じます。

特別展 志村ふくみ100歳記念―《秋霞》から《野の果て》まで―
 
【会期・会場】
2024年11月21日(木)~2025年1月19日(日) 大倉集古館(東京都・港区)
・前期展示 11月21日(木)~12月15日(日)
・後期展示 12月17日(火)~2025年1月19日(日)
 
※詳細は公式サイトでご確認ください。
公式サイト
https://www.shukokan.org/
https://www.shukokan.org/exhibition/